卑屈すぎていろいろ拗らせていた私が吹っ切れた話。
「自己評価」って難しいですよね。仕事に関しても自己評価をさせる会社って結構多いと思いますけど、私の会社でもそうで、毎回自分を評価することに苦労します。過小評価をしてもいけないし、過大評価してもいけない、客観的にみて妥当と思われる自己評価をするのって本当に難しい。
私は、自己評価の低い人間でした。悪い言い方をすると、卑屈でした。
私は平和な一般家庭の末っ子として生まれ、夫婦仲の良い両親と年の離れた兄にめちゃくちゃにかわいがられて育ちました。特に母親は私のことをかわいいねぇかわいいねぇとよく褒めますし(いまだに…)、父親はよく私のことを賢いと言ってくれました。
親にかわいいと言われても、親が子をかわいいと思うのはまぁ当たり前なので、賢い、と言われることを支えにして生きてきた感はあります。顔かたちは簡単に変えられないけど、頭の良さは努力次第だと思ったからです。
努力でなんとかなるならばと、私は高校生ぐらいまでめちゃくちゃ勉強しましたし、周りの友人たちにも「頭がいい」と言われることがうれしかった。賢さが私のアイデンティティだったといっても過言ではないと思います。とはいえ、別に特別に天才的に賢くもなかったんですけど。まぁ、友人界隈では、そういうことになっていたということです。
しかしながら、高校生ぐらいになると普通に男性とお付き合いをしたいと思ったりもしつつ、そっちに関しては自己評価がめちゃくちゃ低かったのです。平凡な容貌で、とくにかわいらしい性格でもない私に、男子は興味を持たないだろうとずっと思っていました。卑屈をきわめて拗らせていました。
拗らせた結果、20代の前半ぐらいまでちょこちょこ好きな人がいたり、お付き合いする人いても、なんだか遠慮してしまってうまくコミュニケーションがとれず、長続きしなかったり、フェードアウトしたりしていました。
そんな私でも、新卒で入社した会社で出会った人とお付き合いするようになりました。彼は、私のそばかすや、とくにぱっちりしていないいたって普通の目も好きだと言ってくれました。
あまり意識はしていなかったけれど、自分にはコンプレックスがあったんだなぁとそこではっきりと自覚しました。自分の平凡な容貌でも好きだと言ってくれる彼のことが神様に見えました。
やがて、彼は私の服装についていろいろと注文をつけたり、私の性格をいちいち否定してくるようになりました。女の子なんだから普通こうだろ。俺の彼女なんだから、こうして。彼女って普通こうじゃないの。
こんな具合で、理想像を押し付ける彼と、彼の理想に近づこうとしながらも、人に合わせることが苦手な私。うまくいくわけがありませんでした。
ケンカが絶えなくなり、彼は私という人間をして彼の理想に近づけたいだけなのだと気づいたとき、私から別れを切り出しました。2年もお付き合いしたのに、私と言う人間をわかろうとしてくれなかったことがただ悲しいと思いました。
やはり、自分の性格とか、趣味嗜好とか、そういったものを全部ひっくるめて「私」として自然体で好きになってくれる人(そして私もそう思える人)とお付き合いしたい。勝手に自分の理想を押し付けてくるような人と付き合うぐらいならひとりでいーや。などと一匹狼を決め込むようになりました。それはそれで拗らせてるわけですが。
それでも、「まともに男性とお付き合いができないダメな私」「平凡で誰からも好かれないダメな私」ではもうなくなりました。ちゃんと自分というものを再認識できたのは、彼のおかげでもあります。自分を好いてくれるならとある意味簡単になびいてしまったことを少し後悔もしつつ。
そもそも私はダメではない。そう気づけたことは大きかったです。そうなんです、さんざんお前は女らしくないだの、俺に冷たいだのなじられていたけれど、結局相性が悪かっただけであって、彼も私もダメではなかったと思う。たぶん。
あの時、彼はお前に合ってないぞ、と言い切ってくれた超しっかり者の友人へ。なかなか別れに踏ん切りがつかない私の背中を推してくれたことをめちゃくちゃに感謝しています。ありがとう。
やはり今でも自己評価をするのは難しいですけれど。背伸びもせず、かといって卑屈になるでもなく、自然体でいたい今日この頃です。
ところで、何かが吹っ切れて一匹狼を決め込んでいた私が、今の夫に出会った話はまた別の機会に気が向いたら書こうと思います。