INFJが推薦「心が洗われる感動漫画六選と裏切られた駄作一選」
今回は動画を記事の公開前に収録した。傑作回だからである。
「みんなエスパーだよ」若杉公徳
実写化されたが、あまり有名でない作品。理由は明確に「人にこれ好き」って言いにくい作品だからである。だが、はっきりと言おう。今回紹介する作品は、私の心のバイブルである。素晴らしい作品ばかりなので、心して読んでもらいたい。
この作品は、童貞と処女だけがエスパーになれる世界観で、エスパーになった童貞の少年が、悪の童貞エスパーと戦う話。ラスボスへの解決法が「童貞か処女を捨てる」ばかり。ラスボスの男は「AVにハマり、セッ◯スがしたくなり、エスパーじゃなくなる」というオチで、もういろいろ手に負えない。
もう一人の隠しボスのヒロインはそもそも能力が「世界を思いのままに改変できる」というとんでもない代物。だが、当人はラブホで彼氏と初体験を迎える直前に彼氏のスマホの浮気メールを見て、「◯ンコがインコになっちゃえよ」と念じたら、彼氏の股間にインコがピヨピヨ。そのまま、「チ◯コをインコに変える能力」と誤解し、街中の男のチン◯をインコだらけにするカオス展開が最終巻。更に、インコそのものになった男も登場し、エントロピーが急加速したまま、主人公が意を決し、並行世界の別の自分をヒロインとラブホテルに誘導する感動のラスト。
なお、主人公自身には「ヒロインにもセ◯クスにも憧れがあるのに、セック◯をした記憶がないままに経験だけある状態」になり、超能力を喪失した、とんでもなく可哀想な青年になってしまった。
この話の素晴らしいところは、「おっさんの童貞」をきっちり登場させているとこである。これにより、作品全体の痛々しいまでの底意地の悪いいじり方がわかると思われる。つか、笑いを確実に取りたい時に、絶対このおっさんをいじってくる辺りが、若杉公徳の真骨頂である。
あと、若杉公徳はクリエイターからの支持が妙に高い作家である。やはり、下ネタこそが、高尚なギャグと言えるのか。
「ラブやん」田丸浩二
いいから2ページめくってみろ。それで全てを理解する。
主人公の属性はロリ・オタ・プー・ヒッキー・童貞(また童貞かよ)の負の五重属性で開始当時は25歳。こいつに彼女を作らせようという愛のキューピッドである天使のラブやんが奮闘する物語。だが、成人女性を徹底的に「BBA」扱いし、意中の少女が小学生という末期症状。しかも、巻数が進み、時間が経つとその少女も徐々に歳を重ねるので「キツくなってきた」と暴言を吐く30代になる。
初期状態が既にオチとして強力すぎるのに、「一体どんな展開で物語は進み、どんなラストを迎えるのか?」という好奇心だけで読めてしまう大傑作。
「ルサンチマン」花沢健吾
今をときめく花沢健吾のデビュー作。VRが進化した近未来で描かれる純愛大作である。
わけがなく、モテない童貞(ここでも童貞かよ)のおっさんたちが、VRの世界でAIの彼女を作って、イチャイチャと◯ックスばかり(本当にセック◯しかしていない)していたら、VRの世界を壊そうとするテロリストに対抗すべく、オタクどもが結集して守り抜くという、バトル漫画っぽい展開になるも、ラストはAIがリアルの女性に身籠り、出産して、おっさんに会いにくるという謎の展開で終わった。
「デトロイト・メタル・シティ」若杉公徳
ちょっとそこの君。「また、若杉公徳かよ」って思いましたね。ええ、その通りですよ。この作家は傑作が多いので、臆面もなく、連チャンさせてもらいます。
この作品は、フレンチポップが好きなシャイな二十代半ばの童貞が、フレンチポップの才能がなく、デスメタルの才能はあるために、デスメタルバンドのクラウザーさんを嫌々やってたはずが、適性が高いのか、多くのファンを掴む人気バンドになって、本人の希望と適性が異なるというギャップを描いている。ようで、クラウザーさんになった時は憑依したかのように成り切っていて、それが原因で数々のトラブルに巻き込まれるのか、自分から飛び込んでるのかわからない状態のまま、話が壊れていく。
雑誌記者のヒロインが、イケてる男達と関わっていく姿を嫉妬しまくる主人公の痛々しい姿は一見の価値がある。これこそが童貞の痛さであると、若杉公徳は描ききった怪作。
言うまでもなく、童貞いじりは激しい。下ネタも多い。明らかに、一般人がしがちな勘違いしたデスメタル描写も多く、ギャップと下ネタを描かせたら、当代随一の実力を持つ作家であると世に知らしめた。
アニメ化と実写化の両方をされていて、この作品もクリエイターからの人気が非常に高いが、一般知名度はそこまでもない。理由は(以下略
「KAPPEI」若杉公徳
最近実写化された隠れた名作的立ち位置がこの作品。当然、主人公は童貞ばかりであり、当然にして、童貞いじりが激しい。
ノストラダムスの予言を信じて、世紀末覇者達を作るべく鍛錬を重ねていた謎の組織が、予言が外れたのにそのままだらだら鍛錬を重ね、30歳近くまでになってようやく解散を告げる。ここが一話である。
かつて、小林秀雄が三島由紀夫に言い放った言葉に
「金閣寺を焼いてからが物語の始まりじゃないかね?」
の自で行く展開である。そうして、世に解き放たれた世紀末覇者達(童貞)は女に出会い、恋をし、誰一人として、童貞を捨てられなかったのである。
映画版ではラストに世界が破滅する救いが用意されていたが、若杉公徳が描く原作にそんな甘ったるい救済があるはずもなく、童貞のまま打ち捨てられて終わった。若杉公徳の童貞に対する厳しい眼差しがこれでもかと描写されているので、興味ある方は一読をおすすめする。
他作品同様に、クリエイ(以下略
「ドランクキョンシーズ」若杉公徳
90年代に流行ったキョンシーと道士達の戦いを童貞をいじりつつも描く作品。もちろん、童貞いじりは激しい。なお、今作は主人公は童貞だが、ライバルのデブはデブなのにモテて、非童貞である。ここ重要。
キョンシーは童貞の尿で燃えるのである。
主人公は童貞のくせに非童貞アピールをし、非童貞のライバルのデブに童貞と決めつけ自慢しまくる回がある。直後に、キョンシーが急襲。もちろん、非童貞のデブの尿ではキョンシーは燃えずに、童貞の主人公の尿でキョンシーは燃えてしまった。これにより、主人公は童貞とバレて、痛々しい扱いを受ける。
若杉公徳の童貞いじりここに極まれり。この前後も、童貞キャラを出し、童貞の主人公と意味不明な戦闘や張り合いをさせ、ひたすら童貞をいじってくるのだ。
なんという悪辣さ。
あまりの痛さに、そっとページをめくってしまう読者多発であろう。
この作品は完結しておらず、実写化もアニメ化もされていないが、間違いなく、クリエイター(以下略
番外編 バイブルと思いきや裏切られた作品
「明日のエサ キミだから」若杉公徳
この漫画の紹介に書いてある文言を見てほしい。
「童貞と下ネタを描いて十年、ついに主人公が童貞を卒業した!」
がっかりである!
この作品の主人公は童貞だったが、早い段階で童貞を捨てたせいで、作品としての質が急落した。オチもよくあるリアリティショー的ななにかで、それ以上に、若杉公徳先生の執拗なまでの童貞いじりが消えたため、作品からは緊張感が失われてしまったのだ。
故に、この作品はクリエイターからの人気はなく(多分)、実写化やアニメ化の噂はまるでない。あるはずがない。駄作なのであるから、誰がリスクを負って、この作品を映像化しようとするのだ。
「若杉公徳はどこで間違えたのか?」
その問いを理解したものは、コメント欄に解答してほしい。