ぽん香

それなりに続いてきた我が家も、少子化に貢献し、私の代で消滅する。せめてもの懺悔として、日々の片づけで見つけたものなどを手掛かりに、消滅家族の記録を、タイムリーなトピックも交え、残そうと思いついた。 日本→米国→2000年から日米行ったり来たり→2012年から日本

ぽん香

それなりに続いてきた我が家も、少子化に貢献し、私の代で消滅する。せめてもの懺悔として、日々の片づけで見つけたものなどを手掛かりに、消滅家族の記録を、タイムリーなトピックも交え、残そうと思いついた。 日本→米国→2000年から日米行ったり来たり→2012年から日本

最近の記事

ちょこっと音楽話 2 映画音楽を聴きながら

 8月にアラン・ドロンが亡くなったとき、YouTubeで「太陽がいっぱい」や「地下室のメロディ」を聴いた。その後、おすすめに映画音楽が出てくるので、懐かしい映画音楽を聴くようになった。  若い頃に聴いていた映画音楽レコードも引っ張り出してみた。  収録されている曲目一覧を見ながらレコードを聴いていると、これも観に行った、あれも観たと、昔日が甦る。そのなかから、脳裏に鮮明に現れた映画にまつわる過去の幾つかのシーンを書いてみようと思う。  自分で手に入れた初レコードはEP盤のト

    • 今日のトピック:男も女も変われない?

       子供の頃、私の住む家の裏にあった古家が取り壊され、新しい大きな家が建ち、うちの両親と同年代の夫婦と4人の子供が引っ越してきた。塀の向こうから、その家の家族の声が聞こえてきて、裏窓を開けると十数メートル先に物干し台が見え、同学年の男の子が物憂げに腰かけているのが見えたりした。  以下は、高校時代にその家族の夫婦のことを書いた断片。読んでみて、多くの日本人の意識は男女ともにこの時代と変わっていないのでは、と思われた。 断片  大人の世界には、私たち世代の稚拙な理屈では割り切れ

      • 今日のトピック:出生率を上げる提案

         SNSで話題になっている日本保守党 百田尚樹氏の出生率を上げる提案を要約すると  「女に高等教育は無用、晩婚はダメ、そのうえ、30歳を超えたら子宮摘出させる。社会構造改革で女性が子供を産むようにする」。  これに関連して、高校生の時に書いた一文を思い出しました。以下、その文章です。  新聞の婦人雑誌の広告に、戦後、三千人の人工受精児が生まれたということが大きく出ていた。優秀児が多いと書かれていたから、多分、非配偶者間の人工授精のことだろう。  いつか雑誌で読んだことがある

        • 消滅家族の記録 6 花を生ける明治の男

           花を生ける男性というと、假屋崎省吾さんのような優雅な人が思い浮かぶが、うちにも花を生ける男がいたのだ。  明治10年生まれの祖父の兄が華道を教えていたのだという。彼は終戦間際に亡くなったので、田舎に住んでいたこの人物がどのような過程を経て、生け花を習得し教えるようになったのか、詳細は知らない。  亡母の伯父にあたる人なので、母は彼が花を生けているところを何度も見たことがあると言っていた。母は父親が破産し、祖父母と伯父が暮らす家に預けられたことがあった。  職業は、若い時分

          消滅家族の記録 5 選挙 あれこれ

           27日(日曜日)は衆院選2024の投票日。投票に行こう。  私が投票に行くようになったのは、それほど前のことではない。自慢できることではないが、まだ数回ほどしか行っていない。  20年ほど前に亡母と同居するようなり、選挙には必ず行くという母に付き合って行くようになった。大正生まれの母は、「選挙に行けることが、ありがたい。うれしい」世代だ。  母が、以前住んでいた地域では自民党から民主党に移った候補に入れていたというので、「じゃあ、民主党にしよう」と、民主党、そして立憲民主

          消滅家族の記録 5 選挙 あれこれ

          消滅家族の記録 4 高校時代の作文 -1967年

           片づけでこの作文を見つけ、自分自身の過去に遭遇し、青い人がリキって書いていると思った。現在の私に投影されているところもあり、読みながら苦笑い。  現在の政治的・社会的状況もこの作文に書かれた状況とさほど変わっていない。悲しい現実!  偶然にも、この作文を書いた季節は秋。 雑感  サワサワと冷たい風が吹いて、深まった秋を送ってくるけれど、窓からのほの暖かい日差しは、窓越しに見える秋の光景さえなかったら、新緑の五月を感じさせる。  この間まで紫や白の大きなラッパを華々しく幾つ

          消滅家族の記録 4 高校時代の作文 -1967年

          消滅家族の記録 3 共産主義と警察権力

           安倍政権下で成立した改正教育基本法の成果なのか、右翼的若年層が増え、口を開くと「共産主義は怖い」と煽る。  共産主義は怖いのか? 戦前の天皇制・軍国主義のほうがよほど怖い、と私は思う。  資料によると、1925年に公布された治安維持法によって逮捕された共産主義者ほかは数十万人、虐殺死65人、拷問・虐待死114人、獄死1503人。  有名な事件は1933年に起きたプロレタリア作家・小林多喜二の虐殺だ。警視庁特高部長・課長3名の手により築地警察署で虐殺され、遺体は母親の家

          消滅家族の記録 3 共産主義と警察権力

          ちょこっと音楽話 1 「 アイドルを追え!狂騒曲」

          音楽の話といっても、楽器もいじらない、歌も歌わない、足踏みオルガンでバイエル終了程度で、学校での音楽教育は小・中・高1のみでは、何が書けるのか?   一応、楽譜は読めるが、最近は譜面を見たこともない。コンサートは一時期クラシックに通ったけれど、あとは広く薄く。  今回は音楽話というより、コロナのおこもり生活中に、最近の人生における最大の衝撃を受けた話。  2020年の秋、ツイッターでミラノ在住の人が「ミーナという美空ひばりのような歌手がいて、いまだに人気がある」とツイート

          ちょこっと音楽話 1 「 アイドルを追え!狂騒曲」

          消滅家族の記録 2 明治維新の影

           明治維新というと、歴代のNHK大河ドラマにも数々の志士が登場し、カッコいい大変革の時代というイメージ。しかし薩長や土佐などの運よく日本のトップに躍り出た一群の人たち以外のその他大勢にとっては、明治維新とは、争いの中で命を取られたり、職を失い慣れない商人や百姓に身をやつしたり、大変革の恩恵を受けることもなく災難に巻き込まれた不運な時代だったのではないか。少なくともわが先祖にとっては、不幸な時代だった。  この写真は大正10年(1921年)頃、新潟県・小千谷の遍了寺で撮られた

          消滅家族の記録 2 明治維新の影

          消滅家族の記録 1 終焉の地

               私が消滅したら、どこに行って、どんな人たちに合流するのかを書いてみようと思う。  お棺は、亡母と同様、この記事のヘッダーの写真のような木製のものにしたい。  お棺に入れられたら、次は葬儀場の火葬炉へ。そして、焼却開始のボタンが押される。今世紀に入り、すでに3回、葬儀場でボタンが押される瞬間を目撃したので、経験は十分だ。  火葬炉から出てきたら、骨壺に入れられ、後日、お墓に入居する。  後継がいないので、消滅後の墓地の管理をどうするのか、法的な手続きが必要になるのだ

          消滅家族の記録 1 終焉の地

          消滅家族の記録 はじめに

           人生の最終章に入り、残りの日々を数える日が、これほど早く来るとは思わなかった。  この国では少子化が予想以上のスピードで進行し、民族消滅の危機だという。それなりに続いてきた我が家も、少子化に貢献し、私の代で消滅する。せめてもの懺悔として、日々の片づけで見つけたものなどを手掛かりに、消滅家族の記録を、タイムリーなトピックも交え、残そうと思いついた。  二十数年前にPCを初めて買って半年ほど経った頃、友人が「ホームページを作成したから見て」と言ってきた。若い頃の和服姿の写真を

          消滅家族の記録 はじめに