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答えは、きっと森にある

遠野市地域おこし協力隊・自由提案(森林)の募集を行うために更新を続けてきたInto the Forestは今回のVol.4で最終回となります。

第1回では、和さんから森林の事情についての概要をお聞きして、2回目では実際に話しにでてきた間伐されていない(管理されていない)森と間伐している森を歩き、3回目では、山の林とこれから新たに管理される予定の林を歩きながら、森の生態系について教えていただきました。

最終回となる今回の記事では、これまで聞いたことをおさらいしながら、地域おこし協力隊員に求められていることを整理してお伝えしようと思います。

この内容は決して「絶対にこれをしてほしい!」ということではありません。ぽつぽつと眺めながら、募集しようとする方がアイデアを考えるきっかけになると嬉しいです。

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Into the Forest パンチライン

まず紹介するのはそれぞれの記事の中で出てきた僕的なパンチライン。それぞれ和さんの話を聞きながら、特に印象に残った言葉を紹介します。どの言葉も長く森に関わっている和さんだからこそ、実感のある言葉になっているのがすごくいいんです…。

①「でもきっと、答えは森にある」/Vol.1

Vol.1では遠野の森林の現状、今の課題をお聞きしました。その中で、「今はその問題を解決する答えが見つけられていない。答えがないから大変なんだよね。でもきっと、答えは森にある」と和さん。解決するための答えが見つけられていないと聞くと、絶望的な状況なのかと感じてしまうけど、森に入ることで、気づくこと、見つけられることがある。実際に森に入ることの大切さを最初のお話の中で教えていただきました。

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②「なんでかっていうのは上を見ないとわからない」/Vol.2

和さんと森を歩く中で、たくさん空を見上げる機会がありました。木と木の間隔はどうなっているか。木の枝はどんなふうに生えているか。一本の木の状態を見るのにも、森全体を把握するのにも「上」を見るのはとても重要なこと。正面や根本を見るだけではわからない情報が頭上を見上げることで知れる。みなさんももし森に入ることがあれば、ぜひ上を見てみてください。

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③「木の名前、草の名前、鳥の名前とか覚えると山に来る楽しみが増えるの。お友達が増える感覚」/Vol.3

貞任牧野組合が管理する森を歩きながら、木にとまった鳥を望遠鏡で眺めた後に、和さんが口にした一言。いろんな生態系がともに過ごす森を「いい森」と話す和さんにとって、木や草や鳥を「お友達」と感じていることがとても羨ましいなと思いました。なんとなく名前を覚えたら楽しそう、くらいに思っていたけど、友達が増えて、また会いにきたくなる感覚を持てることにすごく憧れる。僕も山で会う友達を増やしたい。改めてそう感じた一言でした。

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地域おこし協力隊に求められていること

①「これからやらないといけないのは、持続可能な森をつくりながら、その森の中で経済性を担保できるようにすること」/Vol.1

これは活動中の3年間の中だけで求められていることではないですが、森に関わる仕事をする上で大切にするべきビジョンだと思っています。環境として持続可能な状態をつくりながら、経済性も担保する。生態系と経済の循環を生み出すための取り組みが、いい森づくりにつながります。

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②「資源を『これはおもしろい』、『何かできそう』って考えられるといい。誰かひとりじゃなくて、みんなでそれができるといいよね。いろんな人を繋げられるような、コーディネーターがいるといいと思う」/Vol.1

①のような大きなビジョンの達成のために求められているのが、「コーディネーター的な役割」。もちろん地域おこし協力隊自身がなにかプロダクトをつくったり、イベントを企画したり、林業に関わるという選択肢もあると思います。でもひとりでやるだけじゃなくて、多くの人と関わりながら活動を行うことで、その動きが連鎖して、より大きな力がはたらいていく。そのために人と人、人と自然をつなげるためのコーディネーター的な役割を果たせる方を募集しています。

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③「山を持っている人だけの問題じゃなくて、街に住んでいる人たちも知っておかないと、自分も知らない間に被害にあってしまう」/Vol.2

今の森の現状を多くの人に知ってもらうことが大切。山に関わっている人だけでなく、街に住んでいる人たちにも興味、関心を持ってもらえるように。Vol.1では「ざわつかせるようなことをしてほしい」という話もありましたが、たくさんの人達が興味を持って、ざわざわするようなきっかけを与えられるといいなと思います。すごく難しいことなんですが、僕もすごくそうしたい!と感じている部分です。

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④「ただ邪魔者と考えるんじゃなくて、今この条件で何が見つけられるか」/Vol.3

藤のツルや枯れた木など、森の中で邪魔者に見えるものや悪さをしているように見えるものも、貴重な森の資源。それらを活用してどんなことができるのかを考える視点が重要です。そのヒントは歴史を遡って、縄文時代にあるかもしれないし、全国各地で先進的な事例を生み出している企業や団体にあるかもしれない。視野を広げながら、今森にあるものをどう活用できるかを考えられる人に、ぜひ地域おこし協力隊になっていただけると嬉しいです。

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こういう人が地域おこし協力隊に向いている、かも?

①「むしろ森林について何も知識がない人のほうがいい」/Vol.1

和さんからは、「森林について何も知識がない人のほうがいい」かもしれないというお話もありました。すでに知識や技術を有している人の目線とはまた違った考え方を持って、森の資源を活用し、いい森づくりに関わる。単純に森林に興味がある方なら、これまで林業などに携わった経験を持っていない方でもきっと発揮できることがあると思います。

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②「『なんとかしないといけない!』という感覚もきっと大切だけど、『もっとこの場所を楽しむにはどうするか』、『もっとこの資源を使っていろんな遊び方ができないか』とわくわくしながら考える」/Vol.3

なんだかいろいろ担っていただきたい役割を書きましたが、一番大切なのはやっぱりこれだと思います。森を楽しめるかどうか。きっと森が嫌だとアイデアも出ないし、森に入ることもできないと思うので、まずは難しいことを考えず、興味のままに一緒に山や森を歩いてみましょう。

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最後に

僕(宮本拓海)から

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Into the Forestの記事執筆を通して、和さんから森林について様々なことを学びました。今はもうすっかり山や森林、自然のことにすごく興味が向いていて、登山では遠野三山(石上山、六角牛山、早池峰山)を制覇し、遠野エコネットが主催する「山仕事講座」に通って、チェンソーや間伐について学び、たくさん外で過ごすことができています。きっと時間はかかると思いますが、これからゆっくり勉強や実践を重ねて、長期的に山や森林に携わりたいと考えています。

僕がこうなったのは、本当に今年からで。山や森林について学んだことをきっかけに、遠野での遊び方や楽しみ方がぐっと広がった感覚があります。なので今回の募集の内容や和さんをパートナーに活動ができることはすごく羨ましく感じています。とても図々しいですが、地域おこし協力隊になる方と僕も一緒に活動ができたらいいなと思っています。ぜひさせてください。

なかなか離れた地域の方に「遠野にきてね!」と言いづらい状況の中、このInto the Forestを通して、地域おこし協力隊に応募しようとする方へ、遠野の山や森林の現状、楽しさを共有できればと考えながら記事を執筆させていただきました。この連載の中でわからないことがあれば、問い合わせ先へお気軽にご連絡ください。ぜひゆっくりお話しましょう!これまで記事を読んでいただきありがとうございました。


和さんから

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森づくりに最も必要な事は、未来を想い描く力ではないかと思います。他の生物にはなくて、ヒトにだけ備わった貴重な能力が、この想像力です。一本の木を植えて、大木になるまでには、人の一生を超えた時間が必要になります。森づくりだけではなく、これからの人類の未来、この星の未来、そしてあなた自身の未来を、豊かで美しくできるように、ここ遠野で一緒に考え・悩み・行動する仲間を待っています!

申し込み・問い合わせはこちらから

遠野市地域おこし協力隊採用募集
④テーマ型自由提案【テーマ:森林】 募集人数:1名
【パートナー】
NPO法人遠野エコネット代表 千葉和さん
1963年岩手県岩手町(沼宮内)生まれ。大学卒業後、国内外を回り1991年より遠野市へ移住。現在は薬師岳山麓(標高550m)に自力で家を建て暮らす。仲間たちと編集委員会を作り遠野の文化、自然にこだわった情報誌『パハヤチニカ』を1994年から発行。NPO法人遠野エコネットという市民環境団体の代表理事として、子ども達とのエコキャンプや水源の森づくり、また間伐材を活用した薪の駅プロジェクトや高校生との炭焼き伝承活動などにも取り組んでいる。1993年~2009年まで早池峰国定公園保護管理員。

【求める人物】
・森林や林業に興味があること、それに関わることに可能性を感じる方 ※森林や林業等に関する知識・経験の有無は問わない
・物事に課題意識を持ち、それを良くしていこうとする熱意と行動力がある方
・自分自身が取り組むプロジェクトプランを描ける方
・地域の様々なプレーヤーと連携してプロジェクトに取り組める方
・プロジェクトに取り組む先に地域の未来像を思い描ける方

【ミッション/ロードマップ】
1年目 ヒアリングや研修
ー地域の森林を取り巻く全体的な現況を把握するため、森林に関わる様々なプレーヤー(林業会社、森林組合、NPO、製材所、木工団地、工務店、木工作家等)の実態調査を行う。
ー国内外の林業や森林資源の活用等に関する先行事例の調査を行う。
ー地域の森林業界の課題や可能性について検討する。
2年目~ 新たな可能性の発掘と実践
ー様々なプレーヤーやもともとある森林資源と自分自身が持っているスキルや経験、知識とかけ合わせることで、新しい可能性を生み出せるよう、検討と実践を進める。

<仮エントリー申し込みフォーム>
◎仮エントリー専用フォームはこちら(申し込み期間:6月1日〜7月25日)


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