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「農家と消費者との距離を縮めたい」 農業者主体で取り組んだプロジェクト『NO AGRI NO LIFE』の誕生秘話【まちのつくり手・JAにいがた南蒲青年部】

ものづくりのまち、三条ではたくさんのつくり手たちが活躍しています。そのつくり手たちに焦点をあてる連載『まちのつくり手』。
今回のまちのつくり手はJAにいがた南蒲 青年部の内山徳寿さん。2021年12月16日に、JAにいがた南蒲 青年部が所属する個々の農家さんに焦点を当てたWebサイト「NO AGRI NO LIFE(JAにいがた南蒲 青年部)」を公開されました。三条市にある内山農園からの提案によって始まったプロジェクトの経緯について、同年15日に行われた記者会見から紐どきます。

JAにいがた南蒲青年部のメンバー

創立21年目を迎えるJAにいがた南蒲青年部は、地域農業の担い手として農業を主体とした地域振興を図り、各農家同士が連携して農業を活性化させる互助組織です。現在は6支部(三条地区・加茂地区・田上地区・見附地区・いちい地区・中之島地区)、総勢68名が所属しています。

近年、三条市を始めとする地域農業は苦境に立たされています。大規模農業化に伴う農地の集約によって若手の担い手の数が減少。さらに、コロナ禍で農家さんと消費者との距離が開く一方で、打開策を模索してきました。

三条市は越後平野の土壌と日本一長い信濃川や五十嵐川などからもたらされる水源で成り立つ穀倉地帯が広がる

農家一人ひとりのSNSを中心とした発信だけに頼るのではなく、組織として消費者のためになるものを届けよう。

プロジェクトを立ち上げる前は、個々の農家さんが行う情報発信がメインだった。

発起人の内山農園の内山徳寿さんからの提案をもとにプロジェクトが開始。JAにいがた南蒲本部役員の山嵜哲志さんからは、NO AGRI NO LIFEのコンセプトについて語られました。

Aにいがた南蒲本部役員の山嵜哲志さん(左)

NO AGRI NO LIFEでは、南蒲原地域における農産物に対する思いや地域農業の魅力を農家一人ひとりがページを作って、それぞれの視点で発信しています。さらに人と場所、生産方法を可視化してサイト内で検索できるようになっています。

農業者はもちろん、これまでに農業と縁がない人でも楽しる動画や、カジュアルなデザインに仕上げることで間口が広がるよう工夫しました。

NO AGRI NO LIFEの特徴を山嵜さんが伝える。

公開までの1年間は、農家さん自身が掲載する内容を吟味して反映できるようにブランディング研修会を開催し、消費者にとって、各地域で何が一番響くのかを考え、精査することで魅力を再発見できたそう。

南蒲原地域の農産物は、冬の時期だけですとル レクチエや和梨、大口れんこんなどがあります。他にも、米やきゅうり、トマト、ブロッコリー、珍しいものだと自然薯やにんにくがあります。私たちも地域の魅力を見つめ直すことができました。

NO AGRI NO LIFEをきっかけに、『こんな人が作っていて、こういうふうに作っているんだ』と知ってもらい、スーパーマーケットで『Webサイトで見た、あの人だ』と農産物や生産者と出会う楽しみを増やせたらと願っています。

JAにいがた南蒲事務局 椿さんがNO AGRI NO LIFEで達成したことを伝える。

コロナ禍で中止となった収穫体験や秋の収穫祭りなどのインフォメーションは、当サイトで行っていくとのこと。平均年齢40代の若手農業者自らが行う、消費者との繋がりの構築はNO AGRI NO LIFEを起点に生まれていくのでしょう。

編集部のひとこと
三条市を含む6地域からなるJAにいがた南蒲青年部。今回のプロジェクトは始まりにすぎず、所属するそれぞれの農家さんたちが伝える地域の魅力が楽しみになる時間でした。

日常で食べる食を担う方たちの思いがどう消費者に伝わっていくのか。引き続きプロジェクトの動向を追ってみたい。

SANJO PUBLISHING 制作部担当:水澤
メールから[infoアットマークsanjopublishing.com]
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(つくり手:JAにいがた南蒲青年部 はなし手:内山農園 内山徳寿さん、きき手:水澤陽介)

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