一見簡単そうに見えて難しい問題 - 数学
問題: リーマンゼータ関数の非自明な零点
問題文
(\zeta(s)) がどのような複素数 (s = \sigma + it) に対して ( \zeta(s) = 0 ) となるのか、具体的な例を示して証明しなさい。
答えは以下に記載⤵
答え:
リーマンゼータ関数の零点の問題に取り組むためには、高度な複素解析が必要です。特に、複素平面上での関数の振る舞いや零点の位置を分析するための理論があります。
[ \zeta(s) = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^s} = 1 + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \dots ]
実部 (\Re(s)) が 1 より小さい範囲での解析接続等が関与します。
手順
リーマンゼータ関数の定義や、オイラー積など関数の基礎を詳しく理解します。
関数の対数微分や、特定の積分変換を用いて、(\zeta(s)) の特性を導きます。
ゼータ関数の具体的な零点を示すために、数値的手法を用いたりサンプルとしての複素数 (s) を選び、確認を行います。
具体例
例えば、リーマンゼータ関数の最初の数個の非自明な零点は数値計算で知られており、その一部は次のように与えられます:
[ \zeta\left(\frac{1}{2} + 14.134725i\right) = 0 ]
問題: バセルト問題
バセルト問題は次の無限級数の和を求めるものです。 [ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} ]
答えは以下に記載⤵
答え:
バセルト問題は、特にレオンハルト・オイラーによって解決された有名な数論の問題です。バセルト問題では次の無限級数の値を求めます:
[ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} ]
この級数の値を求めることは、数論や解析学における重要な問題の一つでした。
オイラーの解法
レオンハルト・オイラーはこの級数の値を次のように求めました:
[ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6} ]
以下にその証明の概要を示します。
手順 1: 正弦関数の無限積表示
オイラーはまず、正弦関数が無限積で表されることを利用しました:
[ \sin(\pi x) = \pi x \prod_{n=1}^{\infty} \left(1 - \frac{x^2}{n^2}\right) ]
この式は、(\sin(\pi x)) の零点が ( \pm n ) であることを表しています。
手順 2: 無限積の対数微分
次に、オイラーはこの無限積の対数を取り、その後微分を行います。
[ \ln\left(\sin(\pi x)\right) = \ln(\pi x) + \sum_{n=1}^{\infty} \ln\left(1 - \frac{x^2}{n^2}\right) ]
この式を ( x = 0 ) の周りでテイラー展開するために微分します。
[ \frac{d}{dx} \ln\left(\sin(\pi x)\right) = \frac{\pi \cos(\pi x)}{\sin(\pi x)} = \pi \cot(\pi x) ]
[ \frac{d}{dx} \left( \ln(\pi x) + \sum_{n=1}^{\infty} \ln\left(1 - \frac{x^2}{n^2}\right) \right) = \frac{1}{x} - \sum_{n=1}^{\infty} \frac{2x}{n^2 - x^2} ]
手順 3: 比較と特定値設定
オイラーはこの段階で ( x = 0 ) において等式を満たすために、上記の微分式における定数項と ( x ) に関する項を比較します。
[ \pi \cot(\pi x) = \frac{1}{x} - 2x \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2 - x^2} ]
( x ) が ( 0 ) に近い場合、( \cot(\pi x) \approx \frac{1}{\pi x} ) ですので、
[ \pi \frac{1}{\pi x} = \frac{1}{x} - 2x \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} ]
特に ( x^2 ) の項に注目すると、
[ 0 = - 2 \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} ]
したがって、
[ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6} ]
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