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身体は左右非対称である

まず身体の働きとして知っておいてほしいことは、身体は左右非対称ということです。

わたし自身も選手として左右を均等に、バランス良くと氣をつけてきましたし、左でもできるだけ動けるようにと練習してきました。
しかし一つひとつ確かめていくと、身体は対称ではなさそうです。

そこに氣づくきっかけとなったのはテニス。ありがたいことにテニスでは、フォアハンドとバックハンドというように時計回りにも反時計回りにもスイングを行います。
ゴルフや野球のように一方向のスイングが基本だと氣づかなかったかもしれません。

左利き選手を反転しても何か違う

コーチとして指導していても、フォア・バックのどちらかだけが得意で、反対側が全然ダメという方が結構おられました。
はじめの頃はうまくプレーできる側に対して、鏡のようなイメージでとお伝えしてきたんですが、左利きの選手の打ち方を見ても(右利きが鏡のようにプレーしても)同じようにならないという違和感を感じていました。

左利きの選手を映像や写真で反転しても、どことなく右利きの選手とは違います。疑問には感じていたんですが、答えが見つからずしばらくの間はそのまま指導をしていました。

身体は左右で役割が違う

そして2人目の師匠と出会って身体の働きを知った時に、そもそも身体は左右では役割が全く違うことを知りました。左右非対称と聞いた時は衝撃的でしたが、一つひとつ検証を重ねていく中で、これまで疑問や違和感を感じていたことが解決していきました。

確かに外見は左右は同じように見えていても、内臓はそもそも左右非対称です。左右は対称ではなく、陰陽の関係で真逆に働くことでうまくバランスをとっています。

だからといって利き腕の反対側を使わなくていいかというと、そういうことではなく、そもそも左右では役割が違っていて、それぞれの役割通りに働くことができると、全体としてのバランスがいい状態になります。

左は左右、右は前後・上下が主な役割

左半身は主に左右の働きをしていて、右半身は主に前後・上下の働きをしています。陸上競技のトラックや野球のルールでは、反時計回り(左回り)に走ります。

元々、第1〜3回オリンピックまでの陸上競技は、時計回り(右回り)だったそうですが、第4回オリンピック以降は国際ルールとして反時計回り(左回り)になったそうです。時計回りに比べて、反時計回りの方が全体的に選手のタイムがいいからという説もあります。

反時計回りであれば、左足で方向転換の微調整をして動きながら、右足で進むことができます。しかし回転が逆になると、その微調整が難しくなります。その結果、本来の役割と違う動きを無理して行なうので痛める可能性も高くなります。

今後も左右非対称についてお伝えしていきますが、このように身体は左右非対称かもしれないという視点を持ってみると、長年乗り越えられなかった壁を越えるヒントになるかもしれません。

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