![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173936478/rectangle_large_type_2_578e3d9df18326e1478e5017a94e2f31.png?width=1200)
【第333回】輸出拡大野菜類が国内相場を上げる?キノコ類/タマネギ/ナガイモ/イチゴ
東南アジア方面へ輸出される生鮮野菜が増えている。品目としては自国にもあり、中国などから安く輸入できるものでも、わざわざ単価が高い日本から輸入しているようなケースもある。こうした野菜輸出が、時と場合によっては国内流通にも影響をもたらしている。輸出強化で国内流通を減らす産地、その隙間に食い込もうとする別の産地……。輸出統計を参照しながら、この10年間の状況変化をまとめた。
※4グラフとも東京都中央卸売市場の統計データをもとに作図
キノコ類/輸出額は10年で66%増、輸出用は国内流通とは別枠で生産
【概況】キノコ類の輸入はシイタケとマツタケで年間約2600t。これに対して輸出は23年で1351t、前年比では12%増えた。10年前の13年には前年比26%増えて実数1184t。今後も輸出はコンスタントに伸びていきそう。キロ単価は10年で45%高くなって507円。輸出額は23年で6億8500万円、10年で66%増えている。輸出ペースは毎月大きな変動はない。23年は92~138tで推移している。
![](https://assets.st-note.com/img/1739155226-GqSnvjsefI1kRFXgtKVzpoME.png?width=1200)
【背景】グラフは東京市場における13年と23年の月別統計を対比しているが、10年で数量が2割減って、単価は17%高く625円になった。やはり輸出価格は2割ほど安い。東京市場の入荷の増減、需要期・不需要期のデコボコが、輸出量にリンクしているようにみえる。輸出先は、香港が常にトップで、2位のカナダは遠距離輸出だが常連だ。続いてシンガポール、台湾など東南アジア諸国が常に上位を占める。キノコ類は、商品性からみて輸送距離・時間はあまり関係ない。
【今後の推移】ただ、キノコ類は工場生産であり、輸出のために国内流通分を減らすことはなく“別枠・で生産する。だから出荷の増減が国内相場に影響することはないが、歴史的には国内相場を浮上させるための出荷調整として輸出したキノコ県連もあった。現在輸出は基本、オーダーに基づく。産地の都合だけで輸出できないし、キノコは植物防疫の対象ではないため、鮮度保持や衛生管理のための密封包装のまま、相手国は輸入できる。メーカーも国内への分荷同様“海外に分荷する・感覚だ。
タマネギ/原則ベンダーによる「海外納め」、22年には輸出特需も
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?