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【第339回】11月の野菜相場 異常高騰の「なぜ」 キャベツ/ダイコン/キュウリ/ブロッコリー
通常野菜相場は12月上旬にかけて、入荷増、軟調になるものだが、24年は不安定で数量も少ない。キャベツが小売店でハーフカットでも298円もするなど、かつて見たこともないほどの異常推移だ。23年の場合は8月下旬~10月下旬にはかなりの入荷減・単価高だったが、11月に入って落ち着いた。ところが、24年は11月になってからさらに高騰。高かった23年と、さらに高くなった24年とを対比してみよう。
※4グラフとも東京都中央卸売市場の統計データをもとに作図
キャベツ/天候異変で関東産地が疲弊、11月は突然価格2倍に
【概況】東京市場の24年11月下旬、キャベツがキロ207円、前年比でなんと2倍高になった。入荷量は86%とかなり減少はしていても、単価がここまで上がることは少ない。年間合計では3%減の20%高とまずまずだが、実は5月にも170円と前年比2倍の高騰があった。5月といえば、関東産地のシーズンイン。神奈川産はほぼ前年並み、千葉産やや遅れ、愛知産の最後が少なくてやや早上がりという事情、背景があった。
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【背景】その後6~10月まではほぼ前年並みで推移していたのだが……。10月は数量が7%程度増えたのに、単価が9%上がった。これが“予兆”だったのかもしれない。そして先述11月下旬の異変となる。この異変を産地構成からみてみよう。11月は千葉産が主産地として安定しなければならない時期だが、入荷は前年同月比59%。それを補完して前年より121%と増やしたのが、量がまとまりにくい茨城と、前倒しで出荷してきた冬の産地の愛知だった。
【今後の推移】「物価高のなか野菜も高い」とよくいわれる。果物もしかり(ただし生鮮青果物は物価調査の対象になっていない)。しかし、生鮮品は構造的に高くなっているのではなく、あくまでも天候不順に翻弄され、主産地も安定性を欠いているだけである。春秋からの関東産地が、激しい温度変化や豪雨でかなり疲弊しているということだろう。品薄で単価高になりそうな際、スーパーなど小売店は値下げを避ける傾向がある。市況が安値になっても、翌週くらいまでは様子見をする。
ダイコン/関東産地はかなりのダメージ、おでん人気も背景に
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