![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/174384681/rectangle_large_type_2_a162edd6e61529c630763a937f25c747.png?width=1200)
バシコルトスタン共和国 ヘンプは炭素貯留に有望な農作物【第86回】
バシコルトスタン共和国は、ソビエト連邦の解体にともなって1992年に設立されたロシア連邦に属する共和国(準国家)である。ウラル山脈の南部西麓に位置し、国土面積は14.3万平方kmで北海道と東北を足した広さに相当する(図1)。
![](https://assets.st-note.com/img/1739409049-VNxUcWIbQZtw7G02nXYgKRhm.png?width=1200)
首都のウファは北緯54度にあり、冷帯に属する大陸性気候で雨が少なく、冬は1月の平均気温がマイナス12度まで下がる。人口約400万人の民族構成は、バシキール人が3割、ロシア人が4割を占め、ロシア語のほかトルコ系のバシキール語を話し、宗教はイスラムのスンニ派に属する。石油、天然ガス、鉄などの地下資源に恵まれ、製油業、石油化学工業、鉄鋼業が発達する。
同国には、世界で最も肥沃な土といわれ、ロシア語で「黒い土」という意味を持つ「チェルノーゼム」が分布する。国土の約半分が農地として使われ、コムギ、ライムギ、ヒマワリ、テンサイ、果樹などの栽培、畜産(ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ)や養禽が盛んである。
法整備により栽培が拡大 連邦政府は育種も支援
ロシア連邦では、産業用ヘンプをTHC(テトラヒドロカンナビノール)濃度を植物体上部の花序と葉の乾燥重量の0.1%以下と定めている(『農業経営者』2019年4月号を参照)。欧米諸国や日本の0.3%以下という基準値に比べて低い数値を採用しているのは、同じ品種でも緯度が高いほどTHCがあまり産生されないことを考慮しているからである。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?