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【第335回】インバウンド需要が増えている野菜類 ワサビ/オオバ/ミョウガ/ベビーリーフ
コロナ禍による入国制限開始は20年春。解禁は22年10月。以後23年のインバウンド消費は過去最高を記録した。23年産米が高騰しているのは、インバウンドが一因ともされている。同時に「なぜか野菜も高くなっている」などと聞くようになった。そこで、インバウンドが入国禁止策で姿を消した20年春からの1年と、インバウンド消費が毎月のように記録更新される直近1年間を対比してみる。
※4グラフとも東京都中央卸売市場の統計データをもとに作図
ワサビ/2年間で単価2倍の1万円越え 日本人も“本ワサ”を
【概況】東京市場に入荷するワサビは、2年前インバウンドほぼなしで120tを超えていた。キロ単価は5659円。これが直近1年(23年7月~24年6月)では2年前より1割減の109t、1万2352円に。ワサビは多年生育して太らせる期間が必要だから、急な需要増には対応が難しい。この2年間で単価が2.2倍になっても、満足に対応できるのは3年後くらいだ。年間の平均単価としては過去最高値になるかもしれない。
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【背景】世界的に最もポピュラーな香辛料はトウガラシだが、日本食の「辛味」はワサビであり、世界で通じる言葉になっている「SUSHI」には不可欠な香辛料。トウガラシは食味というより、厳しい環境下で肉体に活を入れたり、食品の腐敗を防ぐ薬草的役割を担う。ワサビの辛さは他の香辛料に例を見ない「ツン!!」と鼻に来るところにある。寿司の本場として日本を訪れるインバウンドは、やはり本場のワサビも味わいたい。ニセモノではなく本当の本ワサビである。
【今後の推移】ワサビ品種のなかで最も食味がいいのが「真妻(まづま)」。目の細かい下ろし金で丸く下ろすと、クリーム状の優しい食感のワサビに仕上がる。流暢な日本語でそんな講釈をしていた外国人を見たことがある。いまキロ1万円以上する相場は異常で、新旧産地を挙げて増産に着手している。早ければ今年中くらいに、生育の早い陸ワサビやホースラディッシュ系の商品も仕上がってくるだろう。ワサビ需要復活はインバウンドだけではなく、「日本人なら本物のワサビを」。
オオバ/“日本のハーブ”として支持され続伸中
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