真夜中読書倶楽部 2025年1月
これはJ-WAVEで毎週火曜日の深夜に放送中のラジオ「BEFORE DAWN」の人気コーナー「真夜中読書倶楽部」で紹介された推薦図書の記録です。
私が読んだ本には感想や備忘録を付けています。
1/8(コーナーなし)
2025年になった。
BEFORE DAWNは2022年の2月に特別番組として単発で放送され、同年4月から今の形(毎週火曜日26時から放送のレギュラー番組)になった。
一年目は二村ヒトシさんとの深夜ラジオ「夜のまたたび」の放送と並行していたので、燃え殻さんは相当大変だったのではないだろうか。
何事も相手の都合や周りのスケジュールとの調整が必要だから、自分の自由にできることがグッと少なくなるんじゃないかと思った。
終わらせたり、頻度を下げたり、書籍化したり、ひとつひとつ、できるだけ丁寧に閉じることを心がけているんじゃないかとも思った。
今年もどうか、この時間が続きますように!
1/15 中庭のオレンジ/吉田篤弘
ラジオパーソナリティ、ナレーター、絵本作家として活躍されている山中タイキさんがゲストの回。山中さんは、この番組のオープニングで囁く男性のあのやわらかな声の持ち主。
紹介してもらったのは、21話からなる短編集。
この世界のどこかで起きているだろう出来事だけど、ちょっと日常から離れた空想の世界。
山中さんは、寝る前に1話ずつ読んでたそう。
夜に読むのが合う本。
見えるものより、見えないものを信じたい。
そういう本、という紹介自体が美しかった。
また、山中さんの新作「where are you?」の紹介では、物語の全貌と絵の様子を説明してくれたので、燃え殻さんから「オチまで言っていいの?」と声がかかるも、山中さんは「絵本は別に全貌を知れたからといって、何度でも見返したくなるもの(だから、大丈夫)一枚一枚の絵を見てもらっても良い。楽しみ方はいろいろある。そうした余白のあるものが作りたい」と朗らかに答えた。
この絵本は、北海道にある石田製本さんで使っているそう。個人の依頼も受けており、小ロットから作ってくれるそうで、自費出版の夢が広がる。
1/22 哀しいカフェのバラード/カーソン・マッカラーズ 村上春樹 訳
私のメモは、その時の自分が聴いていて気になったことを書き留めているので、肝心なことが書いてなかったりする。
アメリカ文学の影響を受けているタイトルは長い。中島らもさんの「永遠も半ばを過ぎて」もそうらしい。
1/29 OUT/桐野夏生
会員の推薦コメントは、人間の弱さ、醜悪さ全開の本。人はどうすれば希望を見出すことができるのか燃え殻さんの感想を聴きたい、と。
燃え殻さんは桐野さんの本を何冊か読んだことある。読んでモヤモヤするけど、人間の業みたいなものを見たい、読みたい、となるときがある。
何もスッキリしないし、何も共感もできないし、怖いけど、読むのを止められない。あ〜人間ってこうかも、と納得したり。
淡々と恐ろしいことが起きる、と言っていた。
OUTは2002年に映像化されていた。
最近の私は現実がしんどくて、フィクションのサスペンスやスリラー、ミステリー系に関心が向かない。
わざわざ物語の中に人間の狂気を求めずとも、現実の人間が充分狂っているじゃないかと。
政治家も大企業も芸能人も、誰もが狂ってるように感じて、心が疲れ果てている実感がある。
昔は好きだったんだけどな。
自分の身近な現実では起こらない安心感が無意識にあったから、好んで楽しめたのだろうな。
今年最初の月末は、燃え殻さんが失ってから実感した、いつかの実家のような温泉宿についてのお話でした。
少し本の紹介があったので、それも載せる。
貧困旅行記/つげ義春
温泉めぐり/田山花袋
燃え殻さんは群馬県の四万温泉に行ったそう。
電車とバスで30分くらい揺られたところにある、昔ながらの宿が良かったと話してくれた。
人が混みすぎず、少なすぎず。
部屋付きの温泉があると良い。
炭酸水を持ち込んで、本を読みながら肩までお湯に浸かってみたり…。
先日、神保町の古書店で10年前くらいの温泉特集の女性誌を買った。最新では無い情報から自分に合う場所を見つけるのも良いかもな、とも言っていた。
ラジオを聴いていて、燃え殻さんは、自分自身がいま何を欲しているのか、どうしたいのかをよく知ってるんだなと思った。そして、そんな自分を自分で大切にできるから、ままならない日々もどうにかこうにか続けてこれたし、続けていけるんだろうなと思った。自分がどんな人間なのかを自分自身でわかっている、というか。どんな自分であっても、これが自分自身だと受け容れている。
いいなあ。そういう風に私もなりたい。
毎週ラジオを楽しみにしているけれど、26時は寝過ごしたり、リアタイしようと待機中に別のことをして放送を聴き逃すことがある。
タイムフリーでいつでも聴けるけれど、BEFORE DAWNは夜明け前に聴きたい。雰囲気が深夜を抜けて、朝日が昇る前の感じだ。
そんなことしてると私は不眠症が悪化するので、Podcastをしみじみ聴いて眠る。一話ずつの朗読の後にアフタートークが付いているのが良い。
ラジオでいつも聴いてる耳に馴染んだ声だし、何回も聞いている話だから、スマホをスピーカーにして流しっぱなしにしてると子守唄みたいな感じで寝落ちする。ぽそりぽそりと呟くような喋り方だし、音楽もゆったりしてるし、よく眠れます。