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ナベクロニクル 2023年9月

センチメンタル全開。2年前の夏。
「切れた縁に執着するな」という言葉はその通りだと思うけど、危ういのはこの言葉を自分に都合よく解釈して、自分自身の言動や思考を省みることもせず、自分の至らなさや稚拙さを認めないまま、上手くいかなかったことの全てを他責にして「自分は正しい」を強固にしていくことだと思う。

そんなんじゃ、どんな相手との縁も自分でぶった切って、「残らなかったということは、不要な縁だった」と開き直ることを繰り返してしまう。
自分は同じところをぐるぐる回って人生が終わる。人によっては、それでもいい・それが良いのかもしれない。他者を消費しながら共依存関係を繰り返す人生もドラマティックだ。けれど、私は嫌だから自分内でPDCAを回す。


私は燃え殻さんの小説やエッセイが好き。ときどき、昔のツイートをふと思い出したりする。手帳に書き写してたから。生活の中に溶け込む言葉。


昔はいつも「終わり」に向かっている感じがあった。
今は、私の一生は途中から始まって途中で終わる、中途半端なものなんだろうなって思っている。生まれた時から世界はあったし、社会もあって、仕組みの中で生きてきたし、そこで死ぬだけだ。始まりも終わりもない。

好きな匂いは「いい匂い」。
好きな人は「いい人」、好きな本は「いい話」、好きな音楽は「いい曲」。
単純なことなのに、なぜか良し悪しを万人に共通の物差しだと思い込んでた。そんなの、人によって違うだろう。誰もが別々の人間なのだから。

相手が自分に向けている面以外を敢えて見ようとしないのは、自分と相手が「そういう関係」だからだ。遠い人同士。
それぞれの立場や関係によって、適切な距離感や関わり方があるだろう。


しょっちゅう書いているけれど、私はTBS Podcast番組「となりの雑談」が好きです。毎週、配信されるエピソードを楽しみにしている。
私は自己対話や自分自身の振り返りをすると、視野狭窄に陥り、自分の世界のドツボにハマりやすいので、この番組で語られる「他者の考え方・感じ方」を灯台のように感じている。身近な人とこういう話をしてこなかったから。

こうして私は焦りと不安と自己嫌悪の穴に落っこちていく。簡単に。
生きる力を失いながら途方に暮れていたら、突如、光が差し込む。
方角を示す光。灯台の明かり。

びっくりした。「プール理論」の引用元として番組のハッシュタグを付け、アカウントを入れて投稿したところ、目を通して貰えただけでなく、照らしてくれた(スーさんの存在自体が眩しい。パワフル、ポジティブ、ラブの塊)
私は卑屈になって、被害者意識を強め、自責の思い込みを深めて孤独の穴を深く、深くを掘り進めていた。好きでやってるわけでもなく、必要に迫られているわけでもないのに、自分で掘り進めて落っこちてしまう。

他の人は貰っているのに、与えられているのに、自分だけ貰えない。
与えられるはずだったのに、自分にはその資格がないからだ…というのは、自分のことしか見えていない。与えてくれる他人の視点がない。

貰っている人、与えられる人は、周りの人からそれが見えている。
周りの人(与える側)の視点に立つと、自分から「欲しい!」と求める人や、あげたら喜びそうだとわかる人が、他人から与えられているのだと。
そりゃそうだ!と、合点した。
プレゼント選びに苦戦するのは、何が好きでどんなのを喜ぶのかわからない人だ。また、プレゼント自体が迷惑かもしれないと思ったら、渡すことを諦める。これだ!と思った。被害者意識はただの自己中心的な思考だ。

「となりの雑談」はApple Podcastの他、SpotifyやYouTubeでも聴ける。

毎回、サクちゃん(桜林直子さん)とスーさん(ジェーン・スーさん)のおふたりが話す内容が、良いんだ。私はこういう「雑談」を普段してない。
相手の時間を奪ってしまう気がして遠慮したり、私達はそういう間柄じゃないしなって思ったり(私は人間関係は距離感が遠い付き合いが快適だから)

これを書いている2025年2月の今は、別にそんなことないなって思う。
会社の人とも立場はあれど、少しずつお互いの個人的な話をしはじめた。

気づくと視線が自分に向いて、せっせと孤独の穴を掘り始めてしまう。
穴に落っこちても、光は射す(落ちなくても、光はそこに在る)

泣いてしまいました。

生きてると、自分が思ってもみないところで、思ってもみない人と交差することもある。生きてて良かったと思って、これを奇跡と呼んだり、幸運と呼んだり、災難だと思って不運と呼んだり、偶然と呼んだり、それぞれが自分の好きに呼んでいるだけだ。これが「人生」だと思ったよ、私は…。
ジェーン・スーさん、ありがとうございます!

私は今も、この5度ずつの小さな変化の積み重ねを続けている。
行ったり来たりの振り戻しはあるけれど、自分が望む方を向き続けてる。


頭の中に浮かんだ物事をどんどん言葉にして投稿してたから、読み応えがあった。時間が経つと、どんな自分も、どの発言も私だなあって思える。

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