映画「千年女優」を見てきたけど!!!!!
今敏監督の傑作、千年女優がリバイバル上映されていたので見に行ってきました!!
今敏作品を映画館で見られるなんて本当に素晴らしいですよね。今敏といえば個人的にはPerfect Blue とか妄想代理人の印象の方が強くて千年女優は少し地味な印象だったのですが!!映画館で見てみたらもうとにかく凄い映画で驚いてしまいました。DVDで見たときは集中出来ていなかったんでしょうね。過去を縦横無尽に走り回る構成を全然理解できていなかったことがよく分かりました。映画館で落ち着いて見てみると、なんてシンプルで美しい構成!一見、複雑でカオスな構成に見えることもありますが、卓越したリズムによってスっと頭に入ってきます。
今敏映画はとにかくリズム感が良いのだと思う。特に千年女優のような主人公が映画の中を走り回るようなときには、リズムの緩急が非常に重要になります。走るからこそ、遅くしなければならないのです。映画全体だと、一番最初の大正時代の描写はじっくりと描かれます。そこから上海、太平洋戦争、戦後…と徐々に速くなっていき、最後のキャンバスを追い求めるシーンは最速になります。そして映画のラストではロケットに乗って飛んでいってしまうわけですね。時間と空間の超越は映画・アニメーションのマジックそのものです。僕の個人的意見ですが、千年女優の主人公・千代子のように、映画は走っていた方が良いのです。よく一箇所に留まり続ける映画もありますが、映画を無駄遣いしているとも言えます。今回、映画館で見て改めて今敏作品の素晴らしさがよくわかりました。観客を予想もつかない場所まで連れ回してくれる魔法があります。だから、千代子に連れ回され続けたディレクター、あのキャラクターが映画の中ではとっても大切な存在です。こういう存在を置く優しさも今敏映画らしくてグっとくるものがあります。
映画館の音響で聴く平沢進のサウンドトラックも素晴らしかったですね。普通は時代モノにはそぐわないように思えるシンセな音色もガッチリハマっています。これはシーンにつけている音楽ではなく、千代子や映画全体のテーマを音楽で表現しているから成立するのであって、本当に今敏と平沢進のタッグがもう見れないのは寂しいですよね。世の中、宮崎駿と久石譲とか、新海誠と天門とか、スピルバーグとジョンウィリアムズとか色んなタッグがありますけど、映画の印象の半分は音楽なので、特徴的であればあるほど影響は大きいのです。
あんまりにも良すぎたので映画を見終わったあと速攻でBlu-rayを買っちゃいました。
そういえば平沢進って今敏作品以外の映画って何に携わっているのかな〜っと思って調べてみると…
温泉シャーク、めちゃくちゃ気になってきました!!