日常の景色にある自分の仕事
自分の仕事が見える所にあるというのが、自分なりの誇りでした。
少し恥ずかしい話ですが、別に自分が開発した訳でもないのに、
所属している組織の商品を自分の名刺代わりに使っていたような気がします。
いわゆるBtoCの仕事を今まで扱う事が多かったです。
そうなると、主要顧客は一般の方々となります。
私は見える仕事か、見えない仕事かでいえば、
自分の関わっている商品が世の中に流通している事を肌感覚で得たいタイプなので、
就職活動の際、BtoCの仕事を志望したという経緯があります。
自社の商品の話をすると、一般の方々は
「買ってるよ!持ってるよ!売ってる所にいくよ!」みたいな反応が返ってきます。
その中にはすっごいマニアックで商品を愛してくれている人も多く、
私も仕事に対するテンションが上がる事が結構あったりします。
仮に結婚を申し込む立場であれば、親御さん相手に
「〜の商品は〜やからOK!」といった既に知っている前提で、
相手に自分の立場を理解してもらう事には適していると思っています。
一方、カスタマー相手の仕事は変化が激しく、
見える仕事なので、競争相手も多く、価格競争に巻き込まれがちです。
あまりに変動要素が多く、給与にも影響を与えるぐらい上下が激しいです。
その為、私はBtoCの仕事は変化対応業だと考えています。
日用品を売るなら、飽きられない工夫をする事が大事ですし、
新しい商品が出るなら、マーケティングや販促が必要ですし、
相手に価格を下げられたら、単にこちらも価格を下げるのではなく、
同一の価格で付加価値を加えたりするといった対応や、
キャッシュ勝負になっている場合は、キャッシュ以外の側面で勝負したりと、
すごく大変ですが、戦略や戦術が好きな人にとっては楽しい仕事と考えています。
皆さんの日常の景色には様々な商品が存在するとは思いますが、
その裏では想像を絶するぐらいの熾烈な争いが存在しています。
目に見える世界が全てではないのはどなたも分かっているとは思いますが、
商品が身近であればあるほど、お客さまとの距離も必然的に近くなります。
なので、クレームといったご意見を頂くこともあり、
簡単に飽きられたり、他社商品に目移りしたりすることもあります。
でも、その中で存在価値を見出す場合、
「変わらない価値」を提供する事が大事なのではないかと最近考えています。
例えば、ラーメンで言えばベタな所で、六厘舎に行くと、
「やっぱり六厘舎はおいしいよね!」という価値を得られるとすると、
季節や天気、仕入れられる食材の地域、鮮度、状態を総合して、
毎日絶妙で微妙な調整が入っていると考えています。
同じレシピを毎日同じように作っていると、逆にお客さまの舌が肥えて、
そのままいくとおいしいと感じなくなったりするので、状況を総合的に見て、
味の調整を毎日行っている事を前提にすると、
「変わらない価値」を提供しようとすると、毎日の変化が求められたりします。
それはサービス面にも関わるとすると、オペレーションにも触れる必要があります。
まとめると、日常の中にある景色というのは、
変わらないようで日々変化をしていて、様々な人の多大なる工夫によって、
「変わらない価値」を提供しているものなのだと考えています。
だからこそ、変化対応できる人なら、BtoCの仕事は面白いのと私は思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?