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エレファントカシマシ 新春ライブ2025初日@日本武道館

2025/01/03(金) エレファントカシマシ 新春ライブ2025初日@日本武道館

待ちに待った、エレファントカシマシの新春ライブ。

場所は日本武道館。

前回の新春ライブは2022年。

ほぼ毎年、当たり前のように新春ライブに行けていたのに、この数年は開催されずで年が明けた気がしなかった。2025年は久しぶりに行けるとうれしく、行くのなら両日だ!と、ライブチケットを取る前から意気込んで、宿や新幹線、正月明けの休みを伸ばしたりと準備していた。


しかし肝心のチケットが、ライブひと月前のファンクラブPAOでの抽選選考で落ち、一般発売の抽選でも落ち、ライブ2週間前になってもチケットを手に入れることができなかった。


武道館2日間やるのに、全くご縁がなかった。
一般での当落発表後のオフィシャルからは


【新春ライブ2025のチケットは全券種とも売り切れとなりました。ありがとうございました。】


無常ともいえるポストにもう目の前がくらくらしたが、ひと月前にファンクラブで発売し、その後一般で売って、即完売とは、エレカシすごすぎひん?と感嘆の気持ちもあった。


残るはチケット公式トレードのみ。
アナウンスがあって速攻申し込んだ。
これほど一縷の望みをかけて申し込みをしたことがあっただろうか。


第一希望の席種を指定席にするか、注釈付き指定席にするか迷った。
オフィシャルからの文章には


【当選されるチケットには、一部主催者からの追加分が含まれる可能性があります。予めご了承ください】


迷った。

大いに迷ったが、結局は注釈付き指定席を第一希望にして申し込みをした。

待つこと5日後、12月25日、クリスマスの日に当落発表があり、トレードにて注釈付き指定席を用意してもらえた。


そして年が明け、私は無事にエレファントカシマシの新春ライブに参加することができた。


初めてエレカシの新春ライブに行ったのは2015年の1月3日。気持ちいいくらいにちょうど10年の月日が流れ、2025年1月3日、再び日本武道館に来れることになったのは感慨深かった。


今回の席は2階北西スタンドA列。
ステージ真横、見事な注釈付き指定席と言っていいだろう。真下を覗くと花道が見える。ここまで宮本さんが来るのだろうか。


開演の18:00になると、バン!と会場の照明が消え、歓声と拍手と共にステージにはメンバーが登場。
徐々に会場SEが絞られて、ゆっくり照明が消えるなんてことはない。もちろんメンバー登場時にオープニングSEもない。


いきなりなのだ。
有無を言わさない。


そこにあるのは、演者と観客のみ。

ステージに装飾もない。

今回はスクリーンが左右にあったが、これまでの新春ライブはスクリーンすらなかった。

潔すぎるにもほどがある。


期待した一曲目は大地のシンフォニー。


曲が進むにつれて、エレカシだ、私は今、エレカシのライブに来ている!と、一曲目にして涙があふれた。エレカシに会えた喜び、歌と音に包まれる幸せ。


ライブが大地のシンフォニーで幕開けというのも初めてだった。待ちわびた観客からの感動が、Aメロ歌ったあとすぐに沸いた拍手から物語っていた。


はじまるぜーーーー!と言って、新しい季節へキミと。


私の席からはスクリーンがあって、ストリングスチームの皆さんは全く見えなかったが、エレカシの新春ライブに、華やかで荘厳な音色を重ねてくれていた。


宮本さんはいつもの黒ジャケ、黒スキニー、白シャツ、黒細ネクタイ。うっすら髭はあったが、髪が伸びていて、ソロコンサートが終わってから切る暇もなかったような長さでとてもいい感じであった。


悲しみの果て


エレファントカシマシの悲しみの果て
そうそう、この音、このタイミング、となる場面がこのあといくつもあった。


エレカシの曲は宮本さんのソロコンサートでも披露される。それはそれで楽しいし、かっこいいし、盛り上がる。でも、音のうねりというか、間合いというか、エレカシのあのメンバーでしか表現できないものあって、エレカシはエレカシでしか得られない、うち震えるほどの感動がある。たぶん、宮本さんもそう感じている箇所はあるのではなかろうか。


バンドはバンド、ソロはソロ。
別のものと考えている。


宮本さんの、「ギター、石くん!!」の掛け声で石くんは前に出てきたが、少しギター弾いてすぐに引っ込んでしまった。
もうちょっと前で弾いてほしかった。


宮本さん
「みんなのハートにドキュンと突き刺さる、俺たちのバラードを聴いてくれ!」


トミのカウベルで始まるデーデ


宮本さんが下手側の花道へ移動してくる。
アリーナ、1階、2階とそれぞれを見てくれる。
花道の先には照明スタンドが立っていたが、それをわざとグラグラさせて危なっかしい行動をとる。
私はそれをほぼ真上から見ていたが、還暦近い宮本さんの頭頂部は何の心配もいらないななんて思っていた。


歌詞の「友達なんていらないさ」の箇所を「友達なんていらねーよー!」と悪態付くように歌ったり、ほかにもフェイクを入れたりと、いつになく、軽やかなデーデだったように感じだ。


歌い終わって即、ワンツースリーフォーとカウントして、星の砂が始まった。


目が真剣で怖かった。


宮本さんがステージ正面を向いて歌っている時は、私は双眼鏡を覗いて、その美しい横顔を見ているが、ひとたびこちら側を向いたら、さっと双眼鏡を外す。2直視できないのと、怒られそうで怖いという、絶対ないとは言えない謎の恐怖感がそうさせる。


歌詞の「目にさわるやつは とりあえず 埋めよう」のところで客席をひと蹴りしていた。


「民衆は耐えろ」×7は言っていたように記憶する。


終わりのブーーーーーも長めで、最後は石くんを抱き寄せ(言い方)、一緒におじぎをしながら、きれいにアウトロ。
非常に完成度の高い星の砂だった。


ライブ開始前から気になっていたのだが、男椅子が新しいパイプ椅子になっていた。以前の座面が傾いたボロボロの男椅子はどこに行ったのか。新しい椅子だからか、宮本さんは普通に座っていた(正しい使い方)。あの座面足掛け奏法は、男椅子だからこそできるのだろう。


珍奇男


ちんき×3回


お金を×2回


宮本さんの絶叫と一人芝居、ギターの弦ぶち切れんばかりの弾きっぷりに加え、上手側から青いライト、下手側から赤いライトが照らされ、宮本さんの顔が半分青色、半分赤色になっていて、どんなホラーアニメよというくらいのビジュアルで繰り広げられら珍奇男だった。


どうやったらこんな演出が思いつくのか。


半分青で、半分赤って、いつぞやの石くんの髪の毛色ではないか!!


おっとと、おっとと

えへへへへ

おっとと、おっとと、おっとと


恐ろしかった。この恐ろしさを伝えきれないのがもどかしい。


でも、二日目のほうがもっと恐ろしかったようだ(褒め)


宮本さん
「エレファントカシマシ、長い歴史があるのですが、こんなにたくさんの人の前で、自慢の曲を武道館で披露出来てうれしいです。ありがとうございます」


久しぶりに聴いたシャララ。
ストリングスが美しくて、シャララに乗せて広がる宮本さんの日常が垣間見えるのがいい。


電車乗ってシャララ、ストーブ点けてシャララ


エレキギターを持ったまま今宵の月のようにを歌う。

ギターチェンジするために、丹下さん準備していたようにも見えたがよくわからない。でもアコギはしっかり、佐々木さんが奏でてくださっていた。
佐々木コジローさんが本当に楽しそうに参加してくださってうれしい。一曲一曲、ワクワクしながら演奏されているのが伝わってきた。耳を引き付けるギターの音色は佐々木さんなので、曲中の石くんのギターの音をもうちょっと…(おっと誰か来たようだ)


リッスントゥザミュージック
ストリングスが美しく、はかない曲の世界観を彩ってくれ、宮本さんの遠い青春の日々を切なく思って胸がいっぱいになった。ステージに真っすぐ降りるライトも美しかった。


RAINBOW

宮本さんシャツをばりっと開くと、ボタンがキラーンとはじけ飛び、床に落ちるのが見えた。そんなこと2階から見えるか?と疑うが、はじけたボタンはずっと床でキラキラしてて、歌い終わったあと、丹下さんが回収していた。


あれはなんだ?
宮本さんのボタンはLEDでも入っていたのか?


ガストロンジャー

武道館ベイベーーー×3

武道館×3

かっこいいぜーーー!

かわいいぜーーーー!

あけましておめでとうーーーー!


19:12 一部終了

19:15 二部開始


宮本さん、黒シャツで登場

桜の花、舞い上がる道を

上手側、下手側、平等に行き来してくれた。


トミのドラムが特に効いていた、ズレてる方がいい

私の座席からはトミの手元がよく見えて、トミ担の方にこの映像をお届けしたかった。


笑顔の未来へ

会場からはイントロから手拍子が始まったが、私はやはり手拍子はできない。

メンバー紹介、石くんがこの日のためにサングラスを新調してきたと言われていた。


友達がいるのさ

「おいっ」の「お」はちょっと息が一緒にもれるような「お」で、これが一発目に聴こえたら、こっちは声にならない声がもれる(かなり気持ち悪い)

どこをどう切り取っても正真正銘のエレカシで、特濃な時間だった。


宮本さん
「今年もよろしくーーーー!
歌と演奏は、エレファントカシマシでした!
まだまだ続くけど!!」

その場で6回転して、王子様ポーズで着地。でもさすがに目が回った?目を見開き、口をホーっととがらせていた。


俺たちの明日

この曲が始まった時、今まで以上に宮本さんの歌声が若くなったように聴こえた。


一昨年リリースのyes. I. doと10年前にリリースしたDestiny

Destinyは久しぶりに聴いた。こそばゆいほどに懐かしかった。愛すべき今日も聴けて嬉しかった。


エレカシ新春ライブ初日は、これまでのステージで見られた、ギリギリでハラハラな場面はなくて、どこか軽みというか余裕を感じるものだった。宮本さんがエレカシ以外で音楽を表現する場を作ったことで、エレカシがよりエレカシとして凝縮されたのだろうか。続く、ファイティングマンはちょっとポップに聴こえたほどだった。


男は行く

真っ赤なライトで会場を焚き付け、轟く咆哮、その間に生じる一瞬の静寂。会場全体が息をすることすら忘れ、固唾を呑んでステージを見つめる中のあの静寂。永遠に続きそうな一瞬の静寂を聴きにエレカシのライブに行っているといってもいい。

歌い終わった宮本さんはギターを床にベイーンと置き、ピックもポイっと落とし下手へ戻っていった。


20:20 アンコール

アンコールなしでこれで終わるのではと思うほどのステージだったが、再び宮本さん、そしてメンバー登場。

ありがとうございます、と言ったと思うがもう記憶があいまいである。

成ちゃんに合図して始まったのは、待つ男。

やはり、エレカシのアンコールはこれで終わるのだ。

「誰も俺には近寄るな!!」
と目をむいて歌い、ステージ前のカメラに向かって、

「どけよ、オラー」をオンマイクでマジ声で言われてごらんなさい。もう落ちるしかない。

極めつけは、最後の渾身の「ラッタッタ、ラッタッタッターー!」のあとに、今度はバンっ!と客電が点いた。そして両手で優しく投げキッス。
私は心の中でおいいいいいいいっとうなるしかなかった。
 
アメとムチ?
 
DVと懐柔?
 
落差がすごすぎた。
 
 
歌い終わり、金原さんストリングスチームの皆さんを呼び込み、みなさん一列に並んでメンバー紹介。手をつないだりはしなかった。
 
 
そして、宮本さんはマイクを床に置き、下手側を向いてシャツのボタン飛ばして全開。
年の初めに美しい腹筋を拝見しました。
 
 
久しぶりのエレカシ新春ライブ、感情の上下が激しかったが、普段観ることのない角度でステージを観ることができ、楽しかった。今年59歳になる宮本さんはますます音楽の幅を広げ、深みを増し、どこまでも進化していく。その様をこれからも見たいと思う。

エレファントカシマシ新春ライブ、ありがとうございました。


2025/01/03(金) 日本武道館 セットリスト
01.大地のシンフォニー
02.新しい季節へキミと
03.悲しみの果て
04.デーデ
05.星の砂
06.珍奇男
07.月と歩いた
08.シャララ
09.今宵の月のように
10.リッスントゥザミュージック
11.翳りゆく部屋
12.RAINBOW
13.ガストロンジャー
14.桜の花、舞い上がる道を
15.ズレてる方がいい
16.笑顔の未来へ
17.so many people
18.友達がいるのさ
19.俺たちの明日
20.yes. I. do
21.Destiny
22.愛すべき今日
23.ファイティングマン
24.男は行く
25.待つ男(アンコール1)

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