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お空の上の物語 第2部「COSMOS」#4

王族の秘密


ひいおじい様が見えなくなった時、王様に話さなければいけない時がきた、そう私は覚悟を決めました。そして、王様にずっと秘密にしていたことを話しはじめたのです。

あれは、ピットが生まれた日のことです。私はピットを無事産み終え、ピットの顔を見ながらとても幸せな気持ちでいました。自分の光から黄金の愛のエネルギーの光が生まれた不思議な気持ちに包まれながら。

それは突然でした。私はいつのまにかとてつもない眩しい大きな光に包まれたのです。その光は今まで経験したことがない強烈な光でした。私はすぐ愛の源のエネルギーだとわかりました。

愛の源のエネルギーに包まれた瞬間、私はこの光から生まれたことを思い出しました。ずっと長い間会うことができなかった母親にやっと会うことができた。私の心は嬉しさと究極の安心感で満たされ、体から何かが溢れ出てくるのがわかりました。きっとこれが愛というものなのでしょう。

愛に満たされた私は、あまりの心地のよさに何も考えずただ身をまかせ、私は愛のエネルギーでできているのだと実感していました。そんな状態がどれくらい続いたのでしょう。十分な愛で満たされた私は、やっと我にかえることができました。今産んだばかりの赤ちゃんのことを思い出したのです。

私は側で寝ている赤ちゃんに目をやりました。すると不思議なことが起こっていたのです。さっきまで一人だった赤ちゃんが二人になっていたのですから。そして、私は小さなキラキラした光たちが私の周りを飛んでいるのにもやっと気がつきました。

私が気づきたのがわかったその光たちは一つに集まりはじめました。そしてキラキラ光り輝く光の精に姿をかえると私に話しかけたのです。

「その赤ちゃんをあなたの息子として育てなさい。その子は、COSMOSを新しいステージへ導く使命を持っています。この子は宇宙の平和を保つため、宇宙から送られた光、魂なのです。

きっとあなたの息子を助けCOSMOSを新しいステージへ導く手伝いをしてくれるでしょう。この子の人生のターニングポイントにゴールデンフォールが現れるように計画をしています。ゴールデンフォールが現れる度に、誰かがゴールデンフォールの先の楽園の星を目指すでしょう。それも、宇宙の平和のための計画。楽園の星に行くことを決めたものは宇宙の使命をまかされたものたちです。ですからあなたは快く楽園の星へ送り出しなさい。

いつかCOSMOSが新しいステージになる時、この子も楽園の星を目指し旅立つ日が来ます。その日までこの子をよろしくお願いします。」

そう言うと、その光の精はスーッと消えていきました。

私にはとても長い時間に感じました。この事実を受け止めようとした時、王様とシュバルツが慌てて扉を開け勢いよく入ってきました。

血相を変えて入ってきた様子から、2人は光がこの部屋に入ったのを見たのだとすぐわかりました。

でも私は「双子を産んだ」と王様にそう告げました。

双子の王子を喜んでいる王様を見て、これがベストだったと確信しました。
ゴールデンフォールが現れた時に王様に全てを話そうと私は決めました。
光の精から預かったこの可愛い子どもは、私の愛の源の光から生まれたもの。つまり私の光の一部と同じ、我が子と同然です。

ほんの一瞬だったけれど、あの愛の光に包まれた私は、今も愛にみたされ源と繋がっています。そうこの選択は全て光の精が私に教えてくれている最善策だとわかっていたのです。

王様は私の話を黙って聞いてくださいました。そして、私が全てを話終えると、たった一言、

「ピットとピッチは私のこどもだ。」

それだけでした。

王妃様の話を最後まで聞いたピットも王様と同じでした。「ピッチは僕の弟」ただそれだけです。王妃様の話はでピットの心は全く動じませんでした。ピットも愛で満たされ、王子として十分に成長していたからです。

「王妃様。教えてください。ピッチはCOSMOSの使命を果たし次の使命の星へ行ったということでしょうか?」

「光の精はそう言ってました。」

その言葉を聞いた時、初めてピットの心の灯が揺れました。ピッチはもうCOSMOSに戻ってくることはない。そう言うことになります。今更自分がピッチを楽園の星へ向かい、ピッチを探しても連れて帰ってくることができないのですから。

ピットの決心

ピットは自分の心と向き合いました。
ピッチは自分の誕生の秘密や新たな使命があって自分は旅立ったことを知っていたのだろうか?嫌、知っていたらきっと自分には伝えるだろう。そして、もうCOSMOSに帰ってこないことを覚悟したうえで、新たな星へ旅立つはずだ。
何も知らずピッチが旅立ってしまった。僕はちゃんとピッチに会ってサヨナラが言いたい。そして、使命が終わったらCOSMOSに戻ってくるように伝えなきゃいけない。ピットはそう思いました。

「王様、王妃様。ぼくはゴールデンフォールの先の楽園の星へ行ってピッチに会ってきます。そして王様や王妃様、COSMOSの人々がピッチをずっと待っていること、ピッチの故郷はCOSMOSだということを伝えてきます。COSMOSが新しいステージへいく準備が整った今、自分に使命があるならば、ピッチに会うことだと思っています。」

ピットの決心はとても強いものでした。

王様と王妃様はピットに真実を伝えたことが正しかったと確信しました。
光の精は、「子どもの成長のターニングポイントにゴールデンフォールが現れる」と言っていましたが、それはピッチだけではなくピットにも当てはまっていたことが二人にもよくわかったからです。

そして、「ゴールデンフォールへ向かうことを決めたものは、宇宙から使命を与えられたもの」その言葉もよく覚えていました。ピットも宇宙から使命を授かったのです。ですので、ピットの選択を応援しなければならないことも……。

「ピット。私も王妃もピットを応援するよ。楽園の星へ行ってピッチに会ってきておくれ。そして、私たちがずっと待っていると伝えてくれ。」

王様と王妃様はとても穏やかな気持ちでした。きっとひいおじい様と会話ができたからでしょう。そして、王様はやっとひいおじい様が神さまステージへ行かれたのが今だった意味を理解することができました。私たちが未知の楽園の星へ王子を安心して送り出すことができるように。

「ピットが無事楽園の星へ行けるように、そしてピッチにちゃんと会えるように、さっきひいおじい様からゴールデンフォールと楽園の星について教えてもらったことを伝えよう。」

そう言って話しはじめました。

楽園の星へ

「ひいおじい様の話を聞いた後どうするかを決めるのはピットだ。どんな決断をしても私たちは応援するよ。」

ピットが頷くと王様は話しはじめました。

楽園の星を目指しCOSMOSを旅立ったひいおじい様がゴールデンフォールの中心に近づけば近づくほど、あれだけ眩しく凄まじかった光がどんどん柔らかく優しい光に変わっていった。そして、中心に近づく頃には、グレートセントラルサンのような愛の光になっていた。その愛の光に包まれたひいおじい様は今までに経験したことがないような気持ちになったそうだよ。そう、王妃が光の精と出会った時のように……。

ピットはだんだん王様とひいおじい様の意識の違いがわかってきました。誰の意識かわかれば簡単です。ピットは王様ではなくひいおじい様の意識に集中しました。すると、ひいおじい様の姿がその場に見えるようにもなったのです。

ピットはひいおじい様の話を聞き始めました。

私は自分が何者かどこから来たのかその光に包まれた時に全てを思い出した。そして、自分が楽園の星に行きたいと思う理由も「この宇宙全ての平和を守るためだ」と理解した。すると、いつのまにか光の精がわし前に立っていたんじゃ。光の精の声は私の意識に話しかけた。

「いつかあなたのように、あなたの子孫が楽園の星を目指すでしょう。その時まで楽園の星が、今のように美しく素晴らしい星でいられるように手伝ってください。」

「それが宇宙の平和に関係しているのかい?」

「そうです。楽園の星はグレートセントラルサンの反対側。ちょうどCOSMOSと対象の座軸にあります。楽園の星の名前は地球といいます。
地球は水の惑星です。今は生き物がまだ誕生してません。色とりどりの花や木々が溢れたまさに楽園の星です。

まもなく地球に生き物が誕生します。生命を持ったものは生き残るためにこれから様々な学びを経験していくのです。宇宙で生命が存在する他の星々の歴史をみれば、この楽園の星の姿も変わっていくでしょう。地球の生命が、ともに生きる地球の姿を決めるのです。美しい星か地獄の星か……。

宇宙は、美しい地球本来の姿が変わることを望んでいません。地球の生命と地球が共存してありのままで生きること。それが新しい宇宙ステージへ行く条件なのです。」

「宇宙も新しいステージへ上がるということなのですね。わかりました。私は何を手伝えばよいのでしょうか?」

「あなたの愛の波動で地球の周波数をあげてください。これから生まれてくる生命が愛で満ち溢れるように。喜び・ワクワクは愛の波動です。あなたが地球という星を調べ研究する喜びやワクワクは愛の波動を生むばかりか、これから地球が成長するために貴重なデータになることでしょう。
地球の時間軸はとても遅いです。あなたの1日は地球では数万年に値します。あなたの他にも、愛の波動の高い宇宙の仲間たちがすでに地球に行って地球の生命に役立つ研究をしています。そのもの達と協力して地球を見守ってください。」

そう言うと光の精はすっと消えていなくなった。
そして私は次の瞬間地球にいたじゃ。

美しい地球


地球はCOSMOSにとてもよく似ていた。グレートセントラルサンのような太陽という名の恒星が、地球に光を与えていた。
木々や草花、山や川などはCOSMOSで見られるような種類ばかりじゃった。私はCOSMOSに戻ってきたのではないかと本当に驚いたんじゃ。

私がもっと地球を見てみたいと思った時じゃった。私を他の星からきた仲間たちが迎えに来てくれたんじゃ
地球はまだ生き物はいなかったから、私の生命エネルギーを感じることはいとも簡単だったようじゃ。
こうやってわしの楽園の星、地球での生活が始まったんじゃよ。

私が地球に到着してまもなく最初の生命が生まれた。
地球の生命たちは自然のバランスを保ちながらどの生き物もうまく生きていた。そして、地球の環境に合わせて生態を進化させていった。

どの生き物にも意識はあった。だから私たちと意識を通わせることもできたんじゃ。私たちは地球の生き物と仲良しになっていった。生命のバランスには関与しなかったが、生命が絶滅しないよう自然からは守ってあげることはあったがな。

生命が誕生した後、長い年月をかけいろいろな種類の生命が誕生していった。生命は地球で生きるために進化をし続け人間といわれる地球人が生まれていったんだ。

人間は他の生き物と大きく違っていたのは脳が大きいいということだった。
生き残るために鳥が翼を、ライオンが牙や爪を、蛇が毒を進化させたならば、人間は脳を進化させる生き物だった。またたくまに、脳を使ってあらゆることを可能にしていった。

人間は私たちが教えることを理解できるようにもなった。
私たちが研究してわかった地球のことを教えることもできるようになったんじゃ。私をはじめ宇宙の星からきた仲間は、地球が本来の美しい姿のままでいられる。光の精との約束が守れる。そう思いながら喜んで人間に未来の地球をたくすために最善を尽くしていたんだ。

しかし、そうはうまくいかなかった……。とんでもないことが起こったんだ。

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