【隠れた名曲を聴こう】シリーズその1:和田アキ子「愛して」
【隠れた名曲を聴こう】シリーズ
その1
和田アキ子「愛して」
(RCAレコード 現・Ariola Japan)
この曲を初めて聴いたのは、1970年代の終盤、必殺シリーズの異色作、オカルトブームを反映した『翔べ!必殺うら殺し』のエンディングテーマソングとして流れた時で、
ドラマで、“若(わか)”という、男勝りの女性として出演した和田アキ子さんが歌った、非常にエモーショナル&ソウルフルな楽曲で、シビレましたね。
後年、作詞作曲は、まだメジャーになる前のハマショーこと浜田省吾さんとわかり、それも納得しました。
元々、和田アキ子さんは、1970年代初頭に、本格的なリズムアンドブルーズシンガーとしてデビューして、映画『野良猫ロック』シリーズにも出演して、劇中でソウルフルな英語の曲を歌ったりしたのですが、
1970年
和田アキ子
「ボーイ・アンド・ガール」
映画『女番長 野良猫ロック』
1970年監
督:長谷部安春
出演:和田アキ子、他
まだまだ当時の日本ではそれを受け容れる土壌がなく、なかなかヒットに恵まれませんでしたが、
やがて、バラエティ番組『うわさのチャンネル』のゴッド姉ちゃんとして人気を博すようになり、「笑って許して」がヒットしてから、ようやく人気に火が付きました。
その後は、「あの鐘を鳴らすのはあなた」で、ゴスペル調のソウルフルな歌唱でも知られるようになり、このようなスタイルの歌をオファーされるようになりましたね。
※※※
毎日放送系TVドラマ
『翔べ!必殺うらごろし』
のエンディングテーマソング
作詞・作曲:浜田省吾、
編曲:井上鑑
1978年12月20日発売 32枚目のシングル「ひとり酔い」C/W
同じメロディで歌詞が異なる曲を、浜田が自身のオリジナル曲「愛を眠らせて」として歌唱している。
必殺シリーズで、レギュラー出演者が番組主題歌を歌ったのは和田が最初である。
レコード用のフルサイズは最後がフェードアウトするが、テレビサイズはフェードアウトせずに演奏が終わる形になっている。
通常はテレビサイズが使われ、最終話のみフルサイズが本編ラストシーンからエンディングにかけて使われた。
※※※
間奏とエンディングのアルトサックスは、どう聴いてもデイヴィッド・サンボーンですね。
“サンボーン節”といわれる、彼独特の奏法によるエモーショナルなフレーズを、短くも随所に聴くことができますね。
当時、野口五郎さんなど、洋楽に目敏いアーティストは、既に、自分のアルバムにサンボーンを起用していたので、この曲も、本物のサンボーンが使われていたのかもしれませんね。
あと、バックで流れているのが、ラテンの雰囲気を醸し出すためか、
チンチン、チョン♫
チンチン、チョン♫
と、下手をするとダサく聴こえるパーカッションが上手く嵌まっているのは、たぶん、井上艦さんのアレンジでしょうね。
この人は、大瀧詠一リスペクトが半端なく、髪型までをも大瀧風にしている御仁なのでしたね。
歌詞も、ちょっと勿体ないくらい、ソウルフル過ぎますね。
まさに、隠れた名曲その1に相応しい一曲といえましょう♫