フレデリック・ショパンに憧れ、ショパンのリーインカーネーションであると確信して、そういう人生を歩んだ『セッションマン』ニッキー・ホプキンズ
先日、好評を博している、ニッキー・ホプキンズの生涯を描いた映画『セッションマン』はなかなか面白かったのですが、
製作者の意図どおりの発言を引き出そうとするあまり、インタビューされる相手が目まぐるしく変わり、誰が何を言っているのか、今イチわかりませんでしたね。
とともに、音源が、ニッキーがどこのパートを弾いて貢献しているのかが、かなりわかりにくい。
個人的には、やはり、ローリング・ストーンズの『シーズ・ア・レインボー』が印象に残りましたが、
同じセッションマンのピアニストによる再現演奏が主だったので、これは、むしろ、公開されているミュージックヴィデオや、iMacのCM映像を観たほうが感動しますね。
iMac CM Colors ~She's a Rainbow~
The Rolling Stones - She's A Rainbow (Official Lyric Video)
ストーンズに愛された男ニッキー・ホプキンズは、七色の虹を駆け抜けたか
ニッキー・ホプキンズ自身の音源は、スタジオでのセッションやリハーサル中の音源は、原盤権を保持している人たちに権利があるのであまり公にはできず、結局は、完成品としてのアルバムに録音されたものしか遺されていないので、
インタビューに応じた、プロデューサーやセッションミュージシャンが、彼の死後に改めてピアノを演奏して、ニッキーの印象的なフレーズを再現しながら実演するシーンが多かったですね。
副題に、「ローリング・ストーンズに愛された男」とあるように、被取材者のうちで、最大の大物は、ストーンズのメンバーでしたが、
既に脱退したビル・ワイマンが最も協力的で何回も登場して、インタビューに答えていましたね。
ギャラを弾んだのかな(笑)。
キース・リチャーズは、自分は、曲づくりのアイディアを半分提供すれば、後の半分はニッキーが作ってくれるから助かったぜと、セッションマンとしてのニッキーに大感謝。
一方、ミック・ジャガーは、ニッキーの才能を最大限に評価していましたね。ロックンロールやリズムアンドブルーズ中心のストーンズに、クラシカルミュージックやゴスペルの要素を補完してもらったことを感謝していましたね。
結局、彼は、
フレデリック・ショパンに憧れ、
さらには、ショパンのリーインカーネーションであると自身が確信していて、
そういう人生を歩んだということを、この映画では言いたかったのでしょうね。
彼は、超絶技巧を絶賛されるミュージシャンではありましたが、決して“スター”として注目されていた訳ではありませんでしたね。
結局、そのストレスには莫大なものがあり、それを解消するには、元々クローン病からくる体調不良と闘いながら、
アルコールやドラッグで、それを緩和するしかない人生を歩みました。
人生五十年の短い生涯でしたが、それでも、フレデリック・ショパンよりは長生きできたのはよかったと思っているかもしれませんね。
目まぐるしく登場する被取材者や、楽曲の情報を整理してくれる「音声ガイド」を付けてくれればさらに理解しやすくなると思うので、それを製作する意義があるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=eakLYqJKZ_M
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