いい話やなあ。
20歳の松本隆が書いた青春の風景〜はっぴぃえんどの「春よ来い」
さらに、永島慎二の短編作品を集めた長大作品集シリーズ『漫画家残酷物語〜シリーズ黄色い涙』の1篇「春」も是非とも読んでいただきたい。
元々この歌は、永島慎二が1963年に描いた「春」に触発された、松本隆をはじめとするはっぴいえんどの面々がその独特の若者だけが持つことを許される世界観と心証風景をロックのリズムに日本語の歌詞を乗せて表現しようとしたものなのだから。
家さえ飛び出なければ
今頃みんなそろって
おめでとうが言えたのに
どこで間違えたのか♪
はっぴいえんどのファーストアルバム『はっぴいえんど』通称“ゆでめん”のライナーノーツには、彼らから永島慎二への献辞が捧げられているはずです。
漫画のラストでは、居心地のいいぬるま湯のような場所を捨てて、“冬”に立ち向かって去って行く青年の後ろ姿を見知らぬ老人が見てそっと呟きます。
「冬来たりなば、春遠からじですわい」
私は、1970年代の終わりに、まるで弁当箱のように分厚い『漫画家残酷物語』合本作品集を図書館から借りて、貪るように全編を読破した記憶があります。
その際には、はっぴいえんどの「春よ来い」と直接関係があるとはつゆ知らず、これはもしやと思って“ゆでめん”のライナーノーツを読み返してみて、初めてメンバーからの永島慎二への献辞の言葉を発見して、その密かな"発見"を当時大変喜んだものです。
現在は、"復刻版"が刊行されているようですので、興味をもたれた方はどうぞ。
だけど全てを賭けた
今はただやってみよう
春が訪れるまで
今は遠くない
はあああああず
春よ来い♪
https://note.com/nazonou4/n/n1be015939223
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