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『凶笑面』北森鴻著のドラマを再見したい

現在、Netflixの配信ドラマ『忍びの家』で、忍びの家の当主の妻を演じていて、非常に存在感を示している木村多江さんのアナザーストーリー。

過去に、ミステリーものの推理ドラマの主役の女性を演じたことがあるそうですが、そのドラマを是非とも観てみたいと思います。

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蓮丈那智フィールドファイル

異端の民俗学者・蓮丈那智とその助手・内藤三國の活躍を書くシリーズ。

『凶笑面』
北森鴻著

(2000年5月 新潮社 / 2003年2月 新潮文庫)

表題作はフジテレビ金曜エンタテイメントにて木村多江主演でドラマ化されている。

リングや螺旋などの一連のホラー映画で、薄幸の女を演じて一気にブレイクしましたが、そのイメージを彷彿とさせる、コスモ石油のCMが印象的でしたね。

都会暮らしに疲れ、独り身で田舎に帰郷してきたアラサー女性。

帰郷を歓迎しない親との関係もギクシャクしていて口論が絶えない。

ふてくされながら車を走らせ、給油のためにコスモ石油ガソリンスタンドに立ち寄り、受付で何かの手続きをしていると、ちょうどそこに、妙齢の男性と目線が合い、会釈と笑みを交わす。

ガソリンスタンドからの帰り道に、ちょっと笑みを浮かべながら車に乗り込む彼女。

バックに、

ココロも満タンに
コスモ石油♫

が流れ、

薄幸の女からの
脱出を予感させる

つくりになっていて

彼女の存在感を最大限に
活用した、うまいCMだった
ことを記憶しています。

今回の『忍びの家』でも、

ちょっと薄幸の女感を漂わせた

演技に注目していきたいと思います。

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それまでのお嬢様生活から一転、学費や家計を支えるためにパン屋やホテル、レストラン、コーヒーショップなどで働くようになり、1日にアルバイトを4つ掛け持ちしていた。

しかしこの時期にさまざまなタイプの人にであったことが、後に演技の参考になったという。

この“苦労人”のバックボーンが女優としての魅力、業界で愛される人柄を形成したことも間違いない。

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https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/dango48

「遠野って、冬はマイナス10~20度くらいになって、すごく寒い土地なんです。昔は飢饉で人口の1/6が餓死したり、生き延びるのが大変な土地で。だから次の世代に命を繋いでいくために、優先順位をつけなければならない。するとやむをえず育てられなかった赤子を水に流すこともあって」

河童とともに、座敷童も、間引かれた赤子の魂が妖怪となって家に住み着くという話もあります。

『凶笑面』
(きょうしょうめん)
『小説新潮』1998年9月号掲載

明治時代、長野県北佐久郡H市の谷山家の当主が凶々しい笑みを湛えた「凶笑面」を手に入れて以来、村に不幸が相次いで起こったという。
以来、面は蔵に封印されたが、現当主の玲子が骨董屋の安久津を通じて、面の民俗学的調査を依頼してきた。
安久津とはあまり関わりたくない那智だが、面に深い関心を示し、谷山家を訪れる。だが翌日、蔵で安久津の遺体が発見され、その状況から玲子に疑いがかかる。

谷山玲子:
谷山家の当主。足が不自由。
安久津圭吾:
民俗学の専門家や研究者らからは嫌われている骨董屋。玲子から蔵の整理を依頼されている。蔵で遺体で発見される。
甲山博:
島根文理大学の民俗学専攻の教諭。同じように調査を依頼された。
服部ヨリエ:
玲子の介添え人。


既に、故人となった北森鴻氏の作品は、遠野物語や出雲伝説を題材にした作品群が遺されており、そこで、民話の持つ、真におどろおどろしい世界観を知ることができて、世の中の見方が変わったことを記憶しております。

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