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大リーグボール唱法♫
一昨日の投稿記事で、
ボサノヴァの本場、リオ・デ・ジャネイロのライブで、ブラジル音楽のレジェンドたちとの共演を果たして、リオでのデビューを飾った時の心境を綴ったKaren Tokitaさんですが、私自身が最初に彼女の弾き語りを拝聴したのはいつなのかをアーカイブスで調べてみた結果、この投稿記事に行き当たりました。
2022年6月11日
Facebookからのレコメンドを確認しました。
4年前の6月10日(日)に、西武新宿線沼袋駅から徒歩20秒足らずの「オルガンジャズ倶楽部」で開催された、ボサノヴァ・ギター弾き語りシンガーKarenさんと、スーパー・ギタリスト安部一城さんのデュオ・ライブは、まさにKarenさんのファミリー・ヒストリーというか、デビュー前から今日に至るまでの15年、いや17年に亘る歴史秘話、すなわち「Karen's ヒストリア」を、歌と演奏で綴りながら語っていただいた、貴重なライブに参加させていただいた喜びと幸せを噛み締めております♪
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1680983288664832&id=100002595311447
中には、なかなか伺うことができないオフレコ話もたくさん聴かせていただき、今回、このお店のオーナーにして、デビュー前のKarenさんと繋がりがあった安部一城さんのオファーがなければ決して伺えなかった話も多く、いみじくも「デビュー当時に重い荷物を背負ってしまった」と仰られた意味がよくわかりました。
いわば、超濃厚に圧縮されたエスプレッソ珈琲を、敢えてストレートで飲み干した、オトナの味とでも言いましょうか。
お店は「オルガンジャズ倶楽部」の名に相応しく、拘りの内装、音響装置、お酒と料理に囲まれて、大変居心地の良いお店で、一発でファンになりました。
安部さんは、確かなギタリストとしての技量の持ち主で、クラシックからジャズ、ボサノヴァ、ラテン、フラメンコなどの要素を超絶技巧で披露されましたが、元々はエレキギターが得意分野だったとのことで、今回、時々織り込まれた速弾きのテクニックを、是非とも今度はディストーションとエフェクトを交えていただきながら聴きたいと思いました。
そして、お二人のライブを再演していただき、さらに大勢のお仲間に、お二人ならではの歌と演奏と、そして貴重な「秘話」を聴きにいらしていただきたいと思いました。
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そして、我ながら物持ちの良さにビックリ。
写真のアーカイブスを整理していて発見!
【日付を見たら2015.4.22.】とのこと。
今は無き(駅前に移転後は業態転換してライブ演奏はやっていないそうです)、阿佐ヶ谷駅南口パール商店街の一角に在った「沖縄倉庫」さんのライブで、パンデイロの長岡敬二郎さん、クロマティック・ハーモニカのマツモニカさんとのトリオ編成で開催された、「ゆるゆるとボサノバシリーズVol. 2」が、初Karenさんだったのでした♪
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※※※
という訳で、今から8年前の、2015年4月22日であったことがわかりました。
阿佐ヶ谷の「沖縄倉庫」という雑貨屋さんをライブ会場に仕立てて、
パンデイロの長岡敬二郎さんと、
クロマティック・ハーモニカのマツモニカさんと
カレンさんのトリオ編成によるブラジリアン・ミュージックの夕べで、ボサノヴァを中心とした弾き語りを聴いたのが“初カレン体験”だったのでした。
それから、次第にあの浮遊感のある、湘南の海辺の心象風景を感じさせる歌唱に惹き付けられて今日に至っております。
ある意味、他のミュージシャンがなかなか真似のできない歌唱スタイルと思いますが、ご本人は、当初はシャウト系の声量豊かな歌唱法に憧れていたようで、デビュー前はいろいろと試行錯誤を繰り返していたそうです。
ある日、お母様から、あなたの歌い方にはボサノヴァが合っているのではないかと言われて、それから本格的に先生に付いて、ボサノヴァの歌い方やギター弾き語りを習ったのだそうです。
で、私は、彼女の歌唱スタイルを何かに例えたいという“衝動”に駆られて、野球の投球スタイルがいいんじゃないかと思いました。
小学生の高学年、1968年頃に流行った野球マンガ&アニメーションで、『巨人の星』がありました。
野球マンガの王道として、主人公は、まずは豪速球に磨きをかけます。
讀賣ジャイアンツの選手だった父親の英才教育の賜物で、さらには「大リーグ養成ギプス」などの秘密訓練マシーンなどのお陰で、当時は存在していなかったスピードガンでいえば、高校生になると、150キロぐらいの速球を投げれるようになるまで成長したのですが、身長が低いことによるハンデによって、球質が軽いという“致命的欠陥”に直面して、讀賣ジャイアンツの入団後に、深刻な挫折を味わいます。
その後は、自暴自棄になりながらも、ひょんなことからヒントを得て、“魔球”路線に活路を見出します。
第1の魔球は、大リーグボール(2号が出てから1号と命名される)。
彼の、針の穴を通すような絶妙なコントロールと、本来は致命的欠陥である球質の軽さを逆手に取って、打者の打撃動作を予測しながら、ボールをバットに吸い込まれるように投げることで、相手は平凡なゴロしか打てないようにさせる“魔球”でしたね。
1球を投げるのに30分と揶揄された、焦らされアニメでしたが、この時は本当に30分近く掛かっていましたね。
しかし、この魔球にも欠点が見付かってしまい、またもや選手生命の危機に陥ります。
その危機を乗り越えたのが、野球マンガで、多くのマンガ家がそれまでも何回もチャレンジしてきた“消える魔球”を編み出し、「大リーグボール2号」と名付けられます。
消える原理がもっともらしい点もこの物語の素晴らしいところでしたね。
しかし、この、完全無欠と思われた魔球についても、大リーガーのプライドを賭けて、セントルイス・カージナルスから日本球界に殴り込みを掛けて、中日ドラゴンズに入団した、アームストロング(鉄腕)・オズマの“秘策”によって、遂に破られてしまいました。
ちなみに、この“消える魔球”は、当時の世間に大ブームをもたらし、遂に、エポック社の野球盤にさえ、この魔球の原理を忠実に再現したバージョンさえもが登場したほどだったのです。
そして、いよいよ投手生命の危機という窮地に追い込まれた主人公、星飛雄馬が、絶望の淵から立ち直って編み出したのが大リーグ3号なるもので、いわば、“浮遊する魔球”とでもいいましょうか。
と、話が少々長くなりましたが、この魔球の感じが、カレンさんの歌唱法に似ていると、個人的に思っています。
投球フォームも、いわゆる“おんな投げ”ですね(^^;
ブラジル音楽のシンガーの多くは、声量豊かなパンチの効いた歌唱法を目指す人たちが多く、いわば、誰もが160キロ超えの豪速球で歌おうとする人たちが多いと思います。
が、カレンさんの歌唱法は、数々の挫折を味わい、試行錯誤を繰り返した末に編み出された、大リーグボール3号歌唱法とでもいいましょうか。
並み居る強打者をバッタバッタと空振り三振に打ち取る快感を感じさせますね♬
それを、今度の7月19日に、渋谷の東急セルリアンタワー2階の「Jz Brat」で開催される、
Karen Tokitaさんの、
・デビュー二十周年記念
・7月生まれのバースデー
・初のフォトエッセイ集出版記念
という「トリプルアニバーサリーライブ」で、ステキなカレン・バンドとともに、そのエッセイ集『歌って、恋して、生きてやる』も、来場者に贈呈されるとのことですので、
彼女の等身大による自分語りの物語に耳を傾け、活字と写真をお読み体感いただけることを願っております。