【スタンディングデスクもダメ】立ったままのデスクワークも健康に害があると判明
現代人はネットの発達やデスクワークの浸透により「座りっぱなし」の生活を余儀なくされています。
長時間座り続けることが体に様々な害悪を及ぼすのは十分に知られていることです。
そこで昨今は座りっぱなしの弊害を避けるために、立ったまま仕事を続けられるスタンディングデスクが広まっています。
ところが豪シドニー大学(University of Sydney)の最新研究で、立ちっぱなしも健康に良くないことが示されたのです。
研究によると、立ちっぱなしは心不全や脳卒中などの心血管疾患の予防には寄与せず、逆に下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)や深部静脈血栓などのリスクを高めることが示唆されました。
研究の詳細は2024年10月16日付で医学雑誌『International Journal of Epidemiology』に掲載されています。
参考文献
元論文
Device-measured stationary behaviour and cardiovascular and orthostatic circulatory disease incidence
https://doi.org/10.1093/ije/dyae136
ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
立ちっぱなしも体に悪いのか?
1日の座位時間が長いほど、健康に害悪を及ぼすことは数多くの研究で証明されています。
座りっぱなしの生活を続けている人は腰痛や肥満、首の痛み、不全や脳卒中といった心血管疾患、糖尿病、早期死亡などのリスクが高まるのです。
特に1日に6〜8時間以上座り続けているとこれらの病気のリスクが高まると指摘されています。
しかしデスクワークやネットが浸透した現代社会では、多くの人がどうしても座りっぱなしにならざるを得ません。
そこで近年、健康的に仕事を続けられるよう広まりつつあるのがスタンディングデスクです。
スタンディングデスクは机の高さを腰やお腹の位置まで高めることで、立ったまま作業ができる便利な代物。
「健康を気にかけてスタンディングデスクで作業するようにしている」という方も多いかもしれません。
一方で、立ちっぱなしにもデメリットがあり、立ったままの姿勢が足腰や背中、関節にストレスをかけて、姿勢が悪くなったり、浮腫みやすくなったりすることが知られています。
これらを踏まえて、シドニー大学の研究チームは「立ちっぱなしの生活が体の循環器系の健康にどのような影響を及ぼすのか」をより詳しく明らかにしようと考えました。
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