6000km離れた南米とアフリカで「恐竜の足跡」が一致!大陸移動の新たな証拠
6000キロも離れた「恐竜の足跡」が見事に一致したようです。
米サザンメソジスト大学(SMU)の古生物学研究チームは最近、南米のブラジルとアフリカのカメルーンで見つかった恐竜の足跡の種類や年代が合致したことを発表しました。
これは南米とアフリカが分裂する以前に、恐竜たちが両大陸間を自由に行き来していたことを示す証拠となります。
参考文献
Matching dinosaur footprints found on opposite sides of the Atlantic Ocean
https://www.smu.edu/news/research/matching-dinosaur-footprints-different-continents
元論文
THE EARLY CRETACEOUS BORBOREMA-CAMEROON DINOSAUR DISPERSAL CORRIDOR(PDF)https://smu.app.box.com/s/e2ghm8ycjb1zf6hu9pooypdl4sosylbn
ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
約6000キロ離れた「恐竜の足跡」が一致!
SMUの古生物学者であるルイス・ジェイコブス(Louis Jacobs)氏が率いる国際研究チームにより、南米とアフリカで260点以上の恐竜の足跡のセットが発見されました。
南米の足跡はブラジル北東部にあるボルボレマ地方で見つかり、アフリカの足跡はカメルーン北部にあるクム盆地で見つかっています。
両者は現在、南大西洋を挟んで互いに約6000キロも離れています。
恐竜の足跡は当時の河川や湖があった場所に残されていました。
こちらの画像の左がブラジルで見つかったもので、右がカメルーンで見つかったものです。
恐竜の足跡の多くは3本指に分かれた「獣脚類」のものでした。
獣脚類とはいわゆる肉食恐竜のグループのことであり、ティラノサウルスやヴェロキラプトルを代表とします。
また足跡の一部には、ブラキオサウルスのような首の長い大型草食恐竜の「竜脚類」や、トリケラトプスやステゴサウルスを代表格とする「鳥盤類」の化石も含まれていたという。
ただ具体的にどんな種類の恐竜の足跡だったのかは特定できていません。
しかし研究チームは2カ所の堆積物に残されていた花粉の化石を採取し、年代測定をしたところ、どちらも約1億2000万年前の白亜紀前期のものである点で一致したのです。
加えて、2カ所で見つかった恐竜の足跡の形状や種類も酷似していたことから、これらの化石は約1億2000万年前にブラジルとカメルーンが地理的に繋がっていて、恐竜たちが自由に行き来していたことを示す証拠として結論づけられました。
実際にブラジルとカメルーンは大陸移動説において、かつて「ゴンドワナ大陸」として一つなぎだったことがわかっています。
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