【第二回】なぜディフェンスラインでパスを回すんだ?
みなさん、こんにちは!
なぜサカです。
前回、ディフェンスラインでパスを回す理由は、相手に隙をつくるためだとお伝えしましたが、そもそも隙とは何でしょうか?
今回は、「隙とは何か?」を考えていきたいと思います。
まず、こちらをご覧ください。
青がボールを保持しているチームで、今は5番がボールをもっています。
赤の11番が青の5番に迫っていますね。
青チームの前線の選手はみんな赤チームの選手にマークされており、前方にパスを出すのは難しそうです。
この場合、前線に相手を背負ってキープするのが得意な選手がいる、高さで勝てる選手がいる等の勝算がなければ、おそらく次のようにパスを繋ぐことになるでしょう。
すると、青チームも赤チームもスライドし、次のような配置になることが考えられます。
サイドは変わりましたが、赤チームもしっかりポジションを修正したので、状態は変わりません。
しかし、
赤のFW(10番と11番)がポジション修正を怠るとどうなるでしょうか?
6番が空きました。
2番から6番にパスをします。
中央で前を向かれたくないので、赤の10番が青の6番に食いつきました。
その瞬間、青の7番が空きました!
別のパターンを見てみましょう。
これは、青がディフェンスラインでのパス回しの過程で、3番のセンターバックがボールをもった瞬間です。
赤チームのマークが厳しく、前にパスを出せそうにありません。
しかし、11番がポジションを下げてきたらどうでしょう?
赤の7番がついてこなければ、青の3番は11番に楔のパスを入れることができます。
すると、
やはり、中央で前を向かれたくないので、周りの赤の選手が青の11番に寄ってきました。
7番がフリーになったので、前に飛び出しました。
11番からパスを受ければ一気にボールを運べますね。
この2つのシュミレーションはいずれも、赤の選手がポジション修正を怠ったから生じたものです。
つまり、隙とは
「ポジション修正のサボりや間違い」
です。
どんなにディフェンスラインでパスを回しても、相手がポジション修正をサボったり、間違ったりしなければ、ブロックが崩れることはありません。
しかし、さきほどシュミレーションしたとおり、ディフェンスラインでパスを回している間に、相手のディフェンダーが一人でもポジション修正をサボった瞬間、間違ったポジションについた瞬間、ボールを前に進めることができるのです。
1つ目の隙ができてしまえば、その後はイニシアティブを握ることができます。
相手のポジション修正が後手になるので、パズルが崩れるようにフリーの選手が生まれていきます。
「じゃあ、相手がサボらなければ(ポジションを誤らなければ)、ずっとディフェンスラインでパス回しすることになるんじゃないか?」
なんて声があがるかもしれません。
これは半分正解で、半分不正解だと思います。
先ほども少し触れましたが、前線に空中戦に強い選手(少し古いですがドログバとか)がいるならば、相手のポジションがよくても浮き球で勝算があります。
相手を背負うのが得意な選手(大迫勇也とか)がいるならば、マークがついていてもパスをおさめてくれるでしょう。
リスクが高いのでオススメしませんが、ボールを保持したディフェンダーがドリブルするという手段もあります。
また、サッカーは22人の選手が90分間という長い時間つねに動いているスポーツです。
サボっているつもりがなくても、誰かが不正確なポジションをとってしまう瞬間が必ずあります。
つまり、先ほどの問は、22人の選手が90分間正しいポジションを取り続け、空中戦に強い等の強みをもつ選手がいない場合に限っては正解となります。
そんなこと、人間がサッカーしている限りありえませんよね。
ということで、最後は蛇足になってしまいましたが、「隙とは何か?」というテーマでお話させていただきました。
次回は「隙をうむパス回しのコツは?」というテーマでお話してみたいと思います。
相手がサボることを、ポジションを間違えることを、ただ待つのでは面白くありませんよね?
相手がポジションを間違えるように、自分から仕掛ける、そのときのコツをお伝えできればと思っています。
次回もよろしくお願いします。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。