パン教室で感じたセンスと手間のお話し
ある日曜日。
私は妻と一緒に1日1組/2名限定の「パン教室」へ出かけた。
何故男が?
どうしてパンなの?
驚く方もいると思うが私は休みの日、夕飯がカリーの時に稀に「ナン」を焼いており、その為その延長線でパン造りにも興味を持っていた。(ナンはフライパンで焼ける)
このパン教室は今年の5月からオープンして約2ヶ月しかたっておらず、3Hの実習でランチ付き1人/4000円(初回は3500円)という良心的なプライスに心を打たれた。(作ったパンは持ち帰り)
実際のパン教室はまるでそのままカフェでも営業できるかのような雰囲気だった。
新しくクリーンな佇まい。
講師の方はお若い可愛らしいママさんで物腰がふんわりソフトな感じ。
言葉やしぐさに菩薩のような慈愛が込められている。
ちなみに初の男性生徒と驚かれてしまった。
そうだろう。
休みの日に妻とパン教室に行くサラリーマン男など私ぐらいだろう。
普通はサラリーマンならこんな日はパチンコでも行っているのだろうか?
いや、サウナかな?
いやいや、車で峠を攻めてその後、蕎麦屋だろう。
話を戻そう。
妻とパン教室に行ったんだ、行きました。
今回作ったパンは下記の2種類。
①ツナオニオンぱん(夫担当)
②ブルーベリークリームチーズぱん(妻担当)
■工程(簡単に説明)
1. 分量を量る
2. 混ぜる
3. こねる
4. 発酵機でねかせる
5. 分割する
6. 丸める
7. 発酵機でねかせる
8. 成形/具を乗せる
9. オーブンで焼く
10. 完成
ざっと10工程である。(大雑把)
この工程の中で色々と考えさせられたのは
1. 分量を量る
6. 丸める
8. 成形/具を乗せる
この3つであった。
1. 分量を量る
イチバン最初の工程で最も重要な作業。
これで大半は決まるといっても過言ではない。
この時ボールに入れる際にはドライイーストと塩は隣合わせにする。→だが私はドライイーストの上に塩を被せてしまった。
6. 丸める
指先を使って生地を伸ばし、つなぎ目を下(地)に持って行くように生地を丸くする。→先生のように器用に指先を使えない。
8. 成形/具を乗せる
綿棒を使って平たい小型ピザのような円形状にする。→先生のように丸くできない。
この3つを単純にまとめると
言われたとおりにできなかった。
これである。
なんでだろう・・・?
なんで目の前で見て聞いた内容と同じことができないのか。
こっちはエプロン/マスク/帽子まで被って至って真剣モードなのだ。
なぜ先生と同じような指の動きや力加減、見極めができないのか?
しばらく考え込んでしまった。
なんで同じように身体が動かないんだろう。
実際に・・・
見たように・・・
身体が・・・
動かない・・・?
聞いたのに・・・
聞いたことが・・・
できない・・・?
私はあることに気が付いた。
それは「センスのある人」というのは「着眼点」「記憶力」そして「想像力」が秀でている人なのではないだろうかと。
「センスがある」と呼ばれる人は、おそらく目で「見本」の動作を「脳」に「記憶」し、その後「脳」と「神経系」を使ってその「見本」と同じように身体を動かすことができる人。つまりその「精度」が高い人が「センスのある人」なのではないか。
また聞いた内容を1つ1つ「想像」し、それらを「脳」の中で鮮明に「形」にできる人ではないか。
だとすれば、普段から思い通りに身体を動かすことを「想像」「訓練」している人はどの分野でも「センスがある人」になる。
そうゆう人はきっとIQも高いのだろう。
話を戻そう。
パンの話だ。
パン造りにも「センス」があると思う。
だが、成形に失敗して形がイビツでも気持ちの入った手作りのパンは美味い!
自分で作ったのであれば尚更である。
その時の天候や湿気等で、オーブンの温度やイーストの分量を変えるこのパン造りは非常に奥が深い。
この点は「センス」ではどうにもならない長年の経験が物をいう。
現代、手を伸ばせば物が買える世の中。
美味しいパンが食べたければ、パン屋に行って食べるだろう。
その方が確実だし、時間や手間も掛からない。
だがそればかりでは「つまらない」と思うのは私だけだろうか?
三ツ星系のラーメン屋が作るラーメンは確かに美味いが「アウトドア」で作る「インスタントラーメン」の味は前者に引けを取らない。
そこに「寒さ」というスパイスがあれば軽く凌駕する。
手造りパンの場合は手動で生地をこねる「手間」というのが良いスパイスになっているのかも知れない。
私はしばらくパンにハマりそうだ。
終わり
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