第1形態、スパルタンセット!サジタルノーテーションその④【040】
こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんのお時間です。
今日も魔界の言語について、素養を深めていきましょう。
今回の記事では、
サジタルの第1形態「スパルタンセット」に踏み込んでいきます
今後のサジタル攻略も見据えて、基礎的な話から詰めていきますので
かなり、遠回りな記事になってます
1.サジタルノーテーションのサブセット6段階
サジタルノーテーションは、入れ子構造になっていまして、
全部で6段階の構成になっています。
時々、何とかセットという話はしていたのですが、
ようやく今回は詳細に語ります。
①スパルタンセット:純正音程用 半音間に12種、素数リミットは13
②アテニアンセット:純正音程用 半音間に22種、素数リミットは17
③トロヤンセット:分割音程用、半音~16分音まで決められています
④プロメテアンセット:純正音程用 半音間に51種、素数リミットは37
⑤へルクリアンセット:拡張記号を左側に使用します
⑥オリンピアンセット:拡張記号を左右両側に使用します
へルクリアンとオリンピアンは拡張記号がつくだけなので
おまけのような存在です。(といっても組み合わせが爆発的に増える)
そのため、トロヤンセットとプロメテアンセットを把握し
純正音程と分割音程を自由に記述できるようになれば、
サジタルノーテーションマスター ということになります。
前回の記事で述べた通り、ミックス表記を使用すれば
ナチュラル~ジャンプまでのサジタルで網羅できるようになるので
プロメテアンセットであれば半分の26種を最低限覚えればよいということになります。
ちなみに、プロメテアンセットにのみペアが存在しないボッチサジタルがあります。
2.純正音程アジャスト記号の復習
ここで、前置きをはさみます
通常の臨時記号は、分割音程のスタイルをとっています
つまり、半音・1/4音・1/6音 といった風に
半音を均等に何分割する、という考え方です。
その考え方そのままで、純正音程記号を見ていくと
「22セント上げる??なんでそんな中途半端な…?」
となりますので、純正音程アジャスト という考え方にシフトしましょう。
①ピタゴラス音律 基準で考える
純正音程記号は、その名の通り純正音程ベースで
音程を捉えるので、12平均律を基準に考えると、前提から破綻します。
純正音程 という文脈では E という風に書かれていると
その音名が示すのは12平均律上のE (400¢)ではなく
ピタゴラス音律上の E (408¢、81/64) を指しています
②異名同音はない
上記の例、たかが8セントという話ですが、もちろん
#や ♭で離れていくほどズレが生じます
例えば E# は 521¢です これは12平均律とは程遠い
計算方法は 完全5度11回分、3の11乗をセントに直します
E#=F といった異名同音ルールはないので
C→G→D→・・・・を延々と続けて
#♭を何重にでもしてしまえるというわけです
逆に、サジタルがなく#・♭だけの場合はピタゴラスシリーズ上の音ということになります。
③#って何セント?
このようにピタゴラス音律基準で考えると
#の意味する音程がそもそも 、異なります
つまり、C#は何セントか、ということ
完全5度 7回分ですので、 113セント と算出されます
これをモンゾ形式で書くとこのようになります。
サジタルノーテーションでは、このモンゾと仲良くならないと
記号の意味が全く分かりません
モンゾを3倍音の因数を相殺するように基準音を決めてしまえば
純正音程の初期状態に持っていけます
④セント値よりも純正音程の初期状態が大事
E を 5倍音のE に移す場合
ピタゴラスのE (81/64)から 純正のE (5/4) に移します
その時の記号が
ヘルエリノーテーションでは↓このように(E シントニックコンマダウン)
サジタルノーテーションでは↓このように(読み方は E pao)
表記します
つまりこの記号ひとつで、ピタゴラスから狙った純正音程にアジャストされるということ
実際、この記号が示す音程がどれほどか計算するため
Cにもっていって、モンゾに書き起こした結果 何セント という数値がでてきます( 5/81 なので 21.5¢=シントニックコンマ)
セント値よりも、モンゾ形式、
モンゾ形式よりも3倍音成分のない純正音程 が
記号の本質となります。
モンゾって何ぞ?って思った方はこちら(8番の項目)を復習してください
さらに難易度の低いヘルエリでウォーミングアップしてから
強敵サジタルノーテーションに挑みましょう。
3.サジタルペアテーブルの見方
なんやかんやで1,500字近く語ってしまいましたが、
ここからが、本題。
まずサジタルノーテーションの第1形態 「スパルタンセット」
にお越しいただきました
????
もう帰りたいですね。
頭が爆発しそうです、チャー研でも見てすべて忘れましょう。
・折り返しになっている
まずは、表の見方から説明しましょう
サジタルノーテーションは、
ナチュラル(何の記号もついてない初期状態)から
シャープ(ダブルアップ)に向けて大きくなっていくのですが
ペアのサジタルがあるため、途中で折り返しが入ります
このことを表にして、サジタルペアテーブルと勝手に呼んでるわけですが
公式のドキュメントで折り返しを説明している図があることから
このようにまとめています
つまり、記号の指す音程が大きくなるように見ていく際
このような順番で見ていきます
・上段と下段はペア
さらにペアを思い出してください
上段のサジタルに対して、下段はペアのサジタルなので
ペアのサジタルを足すと#(ダブルアップ)になります
これを応用して、ミックス表記 #+下向きサジタル で対応することで、
とりあえず下の段は使わなくても良くなります
手始めに上段の6匹さえ覚えれば、
通常の音楽で使用される純正音程は表現可能です
サジタルノーテーションはこの6匹だけで終わりにしてもOK
・スペリング逆転
サジタルのスペリング(発音)はミックス表記基準で考えます
下段のサジタルを読む場合は、とりあえず、形は無視して、
上段の-aiを-ao 変えて発音します
(詳しくはサジタルその③にて)
ミックス表記のこいつら↓から押さえてしまいましょう
・バッファーゾーンの謎
右端の何個かに下段(シャープ側)で発音が逆転しないサジタルがあります。
例えばJatai(左右アーク)
Pakai(左右バーブ)のペアでありながら
見た目通りに読みます。
それもそのはず、Jataiはシャフト1本なので当然のことなのですが
それではなぜ、下段にいるのか?という謎にぶち当たります
例えばEとFの間にある音は、EからもFからもサジタルで表せるように
作られてるのかな…と思われます
他にもサジタルノーテーションの謎はあるのですが、
それは僕の理解不足ということにして、
その都度、解明していこうかと思います。
バッファーゾーンの謎は、
・ai/aoの逆転がおこらないペア
・シャープ側にいるシャフト1本のサジタル
この2点になります。
先にアテニアンセット、プロメテアンセットもお見せしますが
表の見方は同様で、プロメテアンセットではバッファーゾーンにあたるサジタルが増えてます(バッファーゾーンを黄色にしてます)
アテニアンセット
プロメテアンセット
(ちっちゃすぎてごめん…多いからしょうがない)
4.スパルタンセット
スパルタンセットのサジタルノーテーションを解説していきましょう
スパルタンセットよりはヘルエリの方がまだわかりやすいので、
あくまでも、序章です。
スパルタンセットで押さえるべきは基本の6種(+2種)
ヘルエリのように、記号を複数組み合わせることはせず
どうにか1文字で表すというのがサジタルの流儀
上図の6種のサジタルを解説していきましょう
①5倍音 Pao (左バーブ)
これは、例として時々出している こいつです。
E pao とすることで 5/4 を示せます
ユートーナルの場合は Ab pai となります
サイズはPai = 81/80 = 21.5¢ シントニックコンマです。
②7倍音 Tao (右アーク)
7倍音記号
オトーナルの場合はBb tao ユートーナルの場合は D tai
サイズはTai = 64/63 =27.2¢ セプティマルコンマです
③11倍音 Pakai (左右バーブ)
11倍音記号
オトーナルの場合はF Pakai ユートーナルの場合はG Pakao
サイズは Pakai = 33/32 = 53.2¢ アンデシマルクオータートーン です。
④25倍音 Phao (左ダブルバーブ)
5倍音2回を重ねる、Paiがふたつ合わさったサジタル
左バーブ=P が2つ重なったので Ph となるというルールが適用されてます。
これは、見ため的にもわかりやすいですね
オトーナルの場合はG#Phao ユートーナルの場合はFb phai
サイズは Phai = |-8 8 2 > = 43.0¢ マシュースーパーディエシス
⑤35倍音 Patao (左バーブ・右アーク)
5倍音と7倍音の合わせ技
オトーナルの場合は D patao ユートーナルの場合はBb patai
サイズは Patai =36/35 = 48.7¢ セプティマルディエシス
⑥5/7倍音 Nai/Nao (右スクロール)
5倍音:Pao と7倍音ユートーナル:Tai を合わせると
スクロールになってしまうらしい
5/7 = F# nai 7/5=Gb nao
サイズは nai = |10 -6 1 -1>=5.7¢ ガリバルディコンマ
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ここまで覚えれば、サジタルで大抵の純正音程は書けます。
モンゾやセントで覚えるのは無理があるので
3の因数を含まない状態(初期状態)である、これらの音程を覚えていくと整理がしやすいです。
それはヘルエリでも同じですので、
スパルタンセットだけ使っても、ありがたみはないですね。
僕は、音素の方面を推してるので、そこを活用するのがいいと思ってます。
Patao ・Pakao でも事足りるのですが
エクストラステージとして Jatai と Jakai を把握すれば
スパルタンセットは完璧ですね。
形がなぜこうなるのか、イマイチ説明ができないですが。
◆〆
ということで、スパルタンセットの説明をしたところで
今回の記事は終わりにします。
スパルタンセットの説明だけであれば、すぐに終わらせられたんですが
それだけでは、サジタルはあまり活きてこないので
プロメテアンセットまで見据えたうえで、みっちりやっているのです。
これだけ複雑なシステムなら、創始者がいろいろ説明しているはず
と調べたところ「サジタルフォーラム」なる
魔境を発見してしまいました。
オリンピアンセットを平然と扱うような、記述も出てきたので
さすがの僕も、めまいがしましたね。
色々組み合わせて61リミットまで対応してるらしいので
純正音程の細かさでも、ヘルエリともタイマン張れることがわかり
僕は膝から崩れ落ちました。
魔界の言語、サジタル…何の意味があるか分かりませんが、
とりあえず、一通り語れるようになるように記事は作っていきます
ギブアップ者は早々にもっとまともな勉強をしてくださいね。
それでは。