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オクターブを捨てた平均律!【006】

こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんです。

「オクターブ」
何気に使うこの音程ですが、この音程が当たり前だと思っていませんか

我々の音楽はオクターブ、2倍音が原理として成り立っています
諸々の平均律は2倍音を何等分するとよいのか?
という話が繰り広げられています

ですが、それに真っ向から挑む平均律が現れました
「ボーレンピアス音律」です
この音律は3倍音を13分割するという、なんとも不可解な発想
オクターブという大きな柱を排して、何を成し遂げようとしているのか?

今回は謎の平均律「ボーレンピアス音律」について語っていきましょう

・ボーレンピアス音律の音程

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これがボーレンピアス音律(略してBP音律)のセント値です
この表を見る限りだと
旋律や和音の要であるはずの5度(5step:732cent)やオクターブ(8step:1170)が、
30セントもズれた、かなり不協和な位置取りになっていて
どう使ったらいいのか、全く見当がつきませんね。

↓こちらから実際に音を聞けます

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これには僕も困ったものです。
お前、何のために生まれてきたんや…。
きっと、不可解に思えるボーレンピアス音律にも存在意義がある
そう信じて、わたくし変拍子兄さん研究をつづけることにしました。

カラーノーテーション

さて、BP音律を理解するのに重要な概念を見つけてしまいました
それは「カラーノーテーション」
これは純正音程の種別を「色」で表現する方法です

概要はこちらのノート(手書き)にまとめました

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このざっくりなノートをさらにざっくりいうと
・3倍音系はWhite、何回重ねてもWhite
・3倍音以外は有彩色なので、重ねるたび色名が重複する
・5倍音系はYellow、サブ倍音で重ねる場合はGreen
・7倍音系はBlue、サブ倍音で重ねる場合はRed
・11倍音系はLavendor (サブ倍音でも同様)

このカラーノーテーションを使うことで
今まで同様に扱っていた平均系の音程と純正音程を呼び分けることができます
例えばM3とy3、同じミではありますが
平均律的発想のもとできたものなのか、純正律的な発想のもとなのかを分けられます
しかもセントや周波数比をわざわざ書く必要がなくなります


・どこに出現するのか予測がつかない
カラーノーテーションの欠点は、不規則性

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12平均律にそって組織した純正律ですが
色や比、セントの規則はほとんどなく、毎回計算するしかありません

それもそのはず、3倍音の操作+オクターブ調整の2種類の操作が組み合わさっているわけですから
複雑さを帯びているのは当然のことです

それならば、いったんオクターブ調整をやめて
3倍音の操作だけに絞ると規則性が読めるのでは?
おや、「3倍音の操作だけをする」、と
頭によぎったものがありますね

そう、「ボーレンピアス音律」です

オクターブ調整を省くことで、カラーの規則性を読み解きやすくなる
それこそが、ボーレンピアス音律の目指したセオリーなのです

・How to Make BP


ボーレンピアス音律では3倍音をひとつの区切りとしていました
この区切りのことをピリオド(またはハーモニックフレーム)と呼び
2倍音をピリオドとすることをオクターブ
3倍音をピリオドとすることを「トリターブ」といいます

トリターブの中にカラーはどのように配置されるのか、考えてみましょう


まずはYellow 5倍では3倍を超えてしまうので3で割り5/3とすると
トリターブ内に収まります(比率が1~3倍の間に収まる)
次にGreen 1/5ですね
3倍した3/5では1より小さいので、さらに3倍し9/5
同様にBlue→7/3 Red→9/7

と各4色を1トリターブ内に収めることができました
それでは次に順番を考えてみましょう
1 9/7 5/3 9/5 7/3 3
となります

次にセントや音名を調べてみましょう

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これを平均律にすることで、カラーがこの順番で繰り返される音律ができあがります
間隔を調べてみると

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とY-Gを除いて大体440あたりの同じくらいの値です
R-YやW-R は Y-G のおおよそ3倍であるので


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とステップ数を設定することでカラー基準の平均律ができます
すると合計は13ですので13平均律できまりですね
これがまさに、BP音律です

鍵盤のデザインはこうかな…?

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・間のカラーを埋める

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さて、13音のうち白赤黄緑青:現在5音しか、カラーが決まっていませんので求めていきましょう
上記で決めたステップ設定から、カラーのステップ数が決まります
Red=3step
Yellow=6step
Green=7step(-6step)
Blue=10step(-3step)
White=13step

Red Blue は3stepなので、これらを重ねていくと
このような変化になります

W→R→Y→ry→yy→ryy→yyy
W→B→G→bg→gg→bgg→ggg
この二つの列がちょうど間に重なるように配置され
全13種の色が決定します

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ここでポイントなのがわざわざ度数をつけないというところです
度数はオクターブ基準の概念ですから
BPの状態ではまだ決定していないと捉えるとよいでしょう

・パラレルテンペラメント
現状ボーレンピアス音律は純正音程の整列という点でしか活用できていません。
BP音律の基準を平行移動させることで
色違いの度数を探索するという方法があります

例えばCに対してy3であるEに照準を合わせると
そこからBP1step上にGreenの音程があることがわかります
つまり通常はWhiteであるはずの4度を(4/3)ですが
色違いであるGreenの4度(27/5)を導くことができました

このように基本的な純正音程を押さえておいて
y3=5/4=386セント w5=3/2=702セント B7=7/4=969セント 
そこからBP音律を用いて別のカラーへ移るという方法で
色違いの度数を導き出すことができます
これによって、#bよりも細かな同名異音を表現できるようになります
これをパラレルテンペラメントと名付けました

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↑これがカラーノーテーションに基づいて、色付けした
ボーレンピアス音律キーボードです

実際に演奏するとこなるそうです

他にも和音や旋律として使う方法や
別のカラーへ基準を移すという手法も考えられますね
BP音律に関しては僕もまだひよっこなので、
作曲法としては現在まとまりがありませんが
おいおい突き詰めていきましょう


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