ヘルエリノーテーション入門編!【041】
こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんの時間です。
本日は、微分音始めたての方向けに
ヘルムホルツエリスノーテーションという
シャープ・フラットよりも細かい記号について語っていきます
以前も紹介した記号ですが、数学チックな話を抜きにして!
そもそも今まで12平均律という形で音程を簡略化してとらえてきました。
これに対して微分音というのは、さらに細かく見ていこうとするスタイルですので
12平均律よりは、難易度があがってしまうのは、仕方のないことです。
ですが、そんな12平均律ぐらいしか知らない状態で
ヘルムホルツエリスノーテーションに出会ってしまったらどのように対処すべきか解説していきましょう
◆ヘルムホルツエリスノーテーションとはどんな記号
さて、ヘルムホルツエリスノーテーション
略してヘルエリとはどのようなモノなのでしょう…?
ちらっと公式の文章を見てみましょう…
用意はいいですか…?
http://www.marcsabat.com/pdfs/notation.pdf
あー
うーん。頭が痛くなりそうですね
リンクを張ったPDFに詳しく書いていますが、めちゃくちゃ難しいのでチラっとみるだけにしましょう。
そして、この記号を付けるとどのくらい音程が変わるのか?というのは
↓このウェブアプリを使うとわかります
ただし、これも色々書かれてあって分かりづらいですね
知っておいてほしいのは、いくつ並べてもOKということ
(ちなみに全部増しもできます)
このウェブアプリの使い方は置いといて
今回はここにでてくる記号の解説をしていきます。
今回のだけでも結構多いんですが、実際はもっとたくさんあります。
ヒントとしてはこの右の列の数字の並びなのですが
素数がうんぬん…ということで
この先があるんだな…ってことを頭の片隅に置いておくといいでしょう
◆セントは使わない
微分音の話で必ずでてくるセント、半音の100分の1の単位ですが
今回は封印します。
頭に浮かべてほしいのはピアノの12音
そして、それを何等分するか? という発想これだけでOKです。
欲を言えば、倍音の存在についても、把握してほしいですが
今回は、そんなものがあるんだな くらいでOKです。
実際、551セント!と言うよりも
大体ファとファ#の間 といえばそれで充分ですよね
そして、間というのは2等分という発想
これを3等分、4等分、5等分と増やしていきます
セントで表現すれば、厳密で、比較が楽になるのですが
それでは、細かすぎるのでパスします。
ほんとにピッタリ正確に3等分 というわけではない
という若干テキトーなものだと思って読み進めてください。
そのため
記号の足し算に関しては基本できないものと思っていてください
◆2等分編
さて、もしこのような記号がでてきたらどうしましょう?
シャープから線をいくつか取り去ったようなこの十のような記号
Fからどのくらい上げ下げする??? となりますが
これが半音の2等分上げる記号です。
繰り返しますが、大体ですよ。
それでは下げる方はどうなの? というとこんな形をしています
左右逆のフラットですね
こちらは、半音の2等分下げる記号これでOKです
そして、↓この記号>に棒が刺さったようなこの記号
これも大体半音の2等分上げる記号
こちらの角張ったqのような記号、
こちらが半音の2等分下げる記号
半音の2等分記号が2種類あって困りますね
実際には若干幅が違うので、別モノです。
まあ、マニアックなので気にしなくていいです。
ちなみにこの半音2等分の記号を足したらシャープ・フラットになるかというと、厳密にはなりません
そのため記号が2つあるからといって#や♭に書き換えてしまうのはNGです
◆3等分編
ちょっと難しいですが、
半音を3等分するところを想像してみましょう
ミからファにいくときミ→○→○→ファ という風に
間に2段階の音程があればOK
それでは、早速
この↓記号は半音の3等分上げる記号です。
7を逆にしたような形ですね
そして、こちらが半音の3等分下げる記号
Lのような形ですね
先ほどと違い、形がちょうど上下逆になっているのでわかりやすいですね。
この記号はふたつ合わさるとこのように↓連結します
次に、ちょっと難しいのですが全音の3等分を考えてみましょう
ドからレに行くとき、ド→○→○→レ
という風に間に2段階あればOKです。
半音の2/3ということもできますね
それでは早速
この記号は 全音の3等分上げる記号です。
シャープから横棒を一本奪ったような形です
そしてこちら↓が全音の3等分下げる記号 です。
フラットに縦棒が多い形をしていますね。
これも半音3等分記号がふたつあったら、全音3等分記号に変えていいのか
というと大体あってるのですが、厳密にはNGです
◆5等分編
ちょっと想像がしづらいかもしれませんが
半音の5等分がでてきました。
これも、ミファを
ミ→○→○→○→○→ファ という風に考えましょう
難しければ4等分と考えてもまあ問題はありません
さっそく行きましょう
これはナチュラルに上矢印がついています。
さあこれが、5等分上げる記号 となります。
この記号はアタッチメント的存在なので
このように↓シャープに寄生することもできます
とはいっても基本の記号にしか取り付けられないので、
どの記号とも合体できるわけではありません。
そのため他の記号と組み合わせる場合
♮にくっついた形をよく使います
もちろん5等分下げる記号 はこちら
上矢印と下矢印なので、わかりやすいですね
◆さらに細かいやつら
さて、お次はさらに細かいやつらです
これほど細かいとセントで話した方がわかりやすいのですが
一応、何等分かの視点で語ると
こちら↓が半音の6等分
こちら↓が半音の9等分
こちら↓が半音の15等分
こちら↓が半音の30等分
ということになりますが…
ヘルムホルツエリスノーテーションを使う時
楽譜のデフォルトが12平均律ではなくなってしまうので
ここまで細かくするなら、厳密に扱う必要がでてきます
つまりこの辺から、ざっくり何等分みたいなやり方は通用しなくなるということですね
いや、厳密に知りたいんだ!という方は是非、微分音沼にもう一歩深く踏み入れてみてはいかがでしょうか?
◆平均音程用記号
ちなみにヘルエリには以下のように頭に線を引くタイプの記号もあります
これは、ちょうど音程を何等分かするときにこの線を付けます
今回の話はざっくりと理解するものなのでいいのですが、
厳密に何等分ってやる場合は
こんな風に横線をあたまにつける必要があります。
まあこれも、難しい部類になりますので、入門としては
紹介程度に済ませておきましょう。
◆〆
ということで、今回出てきた記号をまとめました。
さて、ヘルエリノーテーションのざっくりとした捉え方の紹介は
以上となります
こんな細かい記号を使って何がしたいの?という話なのですが
その目的は倍音と合わせたいというもの。
つまり、
ヘルエリを使用すれば倍音・純正音程をぴったし指定できるのです。
そのため厳密に扱うには、
セント・対数・ピタゴラス音律・モンゾといった数学的知識を
身に着ける必要があります。
今回はヘルエリのほんの入り口でして、ヘルエリの奥地に進むには、これらの知識を装備してから突入してくださいね!
まあ、今回は入門編なので
直観的に使うなら今回のようなざっくりとした理解で問題はありません
倍音にあわせるという真の意味を知れば申し分ないですが
今回はパス!ということで、ヘルエリ入門編でした!
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