理解!分解!再構築!サジタルノーテーションその②【038】
こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんのお時間です!
そもそもこのようなPCで書けない記号を学ぶことに何の意味があるのか
一応、何かしらをインストールすれば書けるようになるそうですが
環境も限られるので、全くオススメできないです。
そんな机上の空論を今回もやっていきましょう
さて、
前回に引き続き、魔境の言語サジタルノーテーションを解体していきますよ。
今回は記号の意味には踏み込まず、記号を分解して
構成要素について明らかにしていきます。
そのため、今回の目標としては
サジタルノーテーションが「音読できる」こと
例えば、これ
何ですかねこのダンスしてる人のような形
これを「左バーブ・右アーク・エックス・アップ」と読めるようになれば
合格です。
(本来はLeft/Rightですし、バーブアークと省略しますが)
それが何を意味するかは今日は知らなくていいです。
つまり、この記号を要素に分解して、各要素が理解できるようになること
それが今回のゴールとなります。
さらに、この記号を「Patai」と読むことができるようになれば
申し分ないと言えるでしょう
(音素解説編は次回扱います)
お気づきでしょうか、
今回の記事もはや、微分音の解説ではなく、言語の解説です。
音読する必要性を感じない場合や、愚直に記号の意味を表から探し出してやりたい、という方は
今回の記事はパスしちゃってOKです。
1.垂直方向のパーツ「シャフト」
サジタルノーテーションは旗と軸に分解することができます。
そしてその旗の部分をフラッグ 軸の部分をシャフト と呼ぶことにしましょう。
まずはシャフトの説明から入ります
シャフトの見方は2つ、向きと本数です。
「上向き/下向き」
「1本・2本・3本・X」
上向き/下向き を アップ/ダウン
1本→(シングル):あえて呼ばない
2本→ダブル
3本→トリプル
X→エックス
と呼びます
これがシャフト1本の上向きと下向きですね(アップとダウン)
回転はしないので、フラッグは同じ側にあります
次にシャフト2本の上向き下向きです(ダブルアップとダブルダウン)
上の例とはフラッグは違いますし、丸っこいですが
ちゃんと上下があります
お次はシャフト3本の上向き下向きです
(トリプルアップとトリプルダウン)
シャフト3本はさすがに、キモいですね。
さあ、最後の難関 X です
漢字の三と四、ローマ数字のIIIとIVのように、
3本線と4本線は見分けづらいという所をフォローして
シャフト4本は X になります
しかも、結構 「人」 っぽいXです
いかがでしょう。エックスアップ(上)エックスダウン(下)
シャフト3本の例とフラッグは同じにしてますが
この記号のインパクトはすごいですよね
とはいえ上下の判断はそれほど難しくないでしょう
フラッグが向いてる方向がすなわち、上下
そしてシャフトが何本あるか?(あるいはXか) というのが
サジタルノーテーション攻略の第一歩となります。
また以降の記事でもとりあげるつもりですが
ざっくりいうと、シャフトの数x半々音 という意味になります
シングルアップ/ダウン → ジャンプ/ドロップ
ダブルアップ/ダウン → シャープ/フラット
トリプルアップ/ダウン → ジャンプシャープ/ドロップフラット
エックスアップ/ダウン → ダブルシャープ/ダブルフラット
と覚えていてください。
純正音程モードになると、若干そのルールが乱れますが
分割音程ではこのルールです
しかし、キ # ⩨ x d ♭ db bb でいいじゃん
その通り!
わざわざ、サジタルノーテーションを使う意味はありません
2.水平方向のパーツ「フラッグ」
シャフトの説明はそれほど、難しくなかったかと思います
お次はフラッグの説明に移りましょう
フラッグの形状は4つです
①バーブ(Berb)
②アーク(Arc)
③フック(Boathook)
④スクロール(Scroll)
そうなんです、あれほど種類が多く見えていた
サジタルノーテーションも解体してみれば、この通り
覚えることは4種類だけと少なくなります!
それぞれ、釣り具関係の矢じり部分を由来としています
日本語訳するならアゴ、弧、鈎竿、巻き みたいな感じかな…
逆にわかりづらくなってきたので、パスです。
さらに、向きの要素が加わります
まあ基本は右か左か ですね。
左バーブ、右アークというふうに向きを付けて呼んであげましょう
そして両方、片方ダブルもありますし
片方に複数のフラッグが集まってることもあります
左バーブ・右アーク という風に両方いる場合はバーブアークと略してもOK
左アーク・右バーブならアークバーブとなります
片方にふたつあるばあいは左ダブル〇〇
(xの部分は、ありません 多分見づらいから)
この4つフラッグを識別できるように書くことができれば
サジタル筆記マスターになれます
3.練習問題(笑)
じゃあ、練習問題といきましょう
やや長めに行をあけるので、サジタルが見えるところで
一度立ち止まって、読み方をお答えください。
Question1
これは 左右スクロール・エックスアップ ですね
エックスと合わさると、分かりづらいですが反り返っているのでスクロールです。(厳密にはダブルスクロールとなりますが両サイドにスクロールあることが認識できればOKです)
次です
Question2
二分音符でしょうか?
正解は、右バーブアーク・ダウン
なんと片方に、バーブとアークがいます
Question3
これも、イカツイですね
左スクロール・ダブルバーブ・ダブルアップ
なんと左側に3つとも固まってるというパターン
お次は...
Question4
んんんん?
となるかもしれませんが、左スクロールバーブ・アップ
スクロールがちょこんとつくと印刷ミス感もあってややこしくなりますよね
まあでもこのささくれ、スクロールなので見落としてはいけません
さあサジタルクイズ最終問題です。
Question5
落ち着いてフラッグとシャフトを見極めればなんてことはありません
左アーク・右フック・エックスダウンとなります
ややこしいですが、フックはうねりがあります
こんなものが楽譜に書かれていたらマジで困りますね
厨二病と微分音を併発させてしまった方は
音楽の先生にサジタルノーテーションをお見舞いしましょう
キレられます
4.拡張記号
上図のようにサジタルノーテーションは階層構造であり、
進撃の巨人のウォール〇〇のように、小集合を内包しているというお話を以前しました。
スパルタン→アテニアン→トロヤン→プロメテアン
→へルクリアン→オリンピアン の6段階
その中でも、最強クラスで使用される符号です
というか、このチョンをつけるだけのクラスです
サジタルノーテーションの上から二番目のサブセット
「へルクリアンセット」 では
アキュートとグラーヴェ というアクセントマークをつけることで
更なる微調整を行うことができます
ピタゴラス5度と平均律5度を別で扱いたい場合
グラーヴェを付けてさげます
最上級のサブセット「オリンピアンサブセット」では
ブレーヴェと逆ブレーヴェ というアクセントマークを使用します
0.42セント上げる、下げるそうですよ
(何らかのスキスマですが、イマイチ理解してません)
(Oは仮の文字です)
いったい、そこまで細かくして何をしたいのでしょう?
0.4セントの世界…うなりがなんとかという次元なのでしょうか
僕のDAW環境では現状そんな精度で音程の制御はできませんし…
1200平均律よりも細かいですし
もしかしたら、僕が研究中の古典調律の比較でなら役に立つかもしれません
まあ、マイクロ、ナノの下の方にヨクト、ゼプトが一応用意されてる
といった話と似たようなもので
このくらい徹底的に微細な体系を作る必要があったのでしょう
◆〆
さて、次回は
サジタルノーテーションのスペリング(ソルミゼーション)に踏み込んでいきます
音素の解説まで一気に書こうかと思ってたのですが
理解が足りない部分の直面したので、
音素の解説は引っ込めて、ここで一区切りすることにしました。
サジタルノーテーションって
厨二病的に楽譜に登場させて、一人で悦に浸るぐらいしか使い方が思いつかないですが、
音楽ってそういうの大事ですよね(?)
これを読んでる方は是非ね
サジタルノーテーション使ってる俺、カッコイイとか思いながら
インスタグラムにサジタル楽譜を投稿してください
(これ以上の実用的な使い方が思いつかないですね…)