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業務委託のやりがい搾取とその後の状況:スタートアップのリソース不足、コミュニケーション問題、そして今できること

業務委託のやりがい搾取 - その後の状況

9月に業務委託のやりがい搾取について書いた記事には、多くの反響をいただきました。同じような状況にいる方々からも勇気づけられました。今回はその後の状況をお伝えします。

稼働状況

9月と10月は非常に忙しく、新しい業務委託の方のOJTを任され、1ヶ月の稼働時間は約170時間に達しました。中国語発音講師の仕事もしているため、実際の稼働時間は200時間を超えていました。

このような状態では、どうなるかというと…

  • 寝ても起きても仕事が頭を離れない

  • 夜ご飯後にも再度Slackを見て再稼働

  • 運動不足

  • ストレス倍増

  • 頭痛や目の周りのけいれん、マウスの使い過ぎによる手首の痛み

  • 正社員&リーダーに相談できず

9月を乗り切れば10月は何とかなると思っていたのもつかの間、10月もスケジュールの押し込みや正社員の不在による責任倍増で、どうしようもない状況に。正社員であるリーダーに相談しようとしたら、なんとリーダーが倒れました。

「Slackの返信はしばらくできません」「稼働を最低限にします」「MTGもできません」と残し、リーダーは2週間の休みに入りました。残された正社員と業務委託で乗り切るため、「稼働を減らしてください」とはとても言えない状況に。

リーダー不在でチームの一体感も欠け、ばらばらのまま10月を乗り切ろうとした頃、ようやくリーダーが少しずつ仕事に復帰してきました。

問題点

今回、リーダーが倒れたことによって見えた、今働いているスタートアップの問題点を挙げます。

  1. リソース不足 ギリギリの人数で回しているため、一人が倒れると誰もカバーできない。リーダーの上司である経営陣は、リーダー役をカバーしようとする姿勢すらなく、現場は混乱のまま。経営陣が「もう回らない」と気づいたのは2週間後で、新しいメンバーがようやく増えました。

  2. コミュニケーション不足 スタートアップで、関わるメンバーみんながビジョンを共有しているからこそ、難しい仕事もやり切っていけると感じていました。が、リーダー不在となり結束感がなくなり、個人KPIを追うだけの姿勢になりました。日に日に自己中心的なSlackが増え、コミュニケーションがぎすぎすしました。

  3. 業務委託に甘える構造 「業務委託」は企業側にとって都合の良い労働力であり、社会保険を掛ける必要がありません。業務委託は労働基本法でも守られないにも関わらず、正社員の業務を代行、責任を負うと痛感しました。今、ジョインしているスタートアップも、正社員が不在なら、業務委託に任せればいいや、という姿勢がありあり。フリーランス新法が施行され、業務委託の地位向上が期待されますが、実感できるには時間がかかりそうです。

  4. 年功逆序列という現実 今わたしがジョインしているスタートアップは「年功逆序列」を掲げており、40代の私はメンバーの中では最高齢に近いです。たくさん成果を上げても年齢のせいで評価が下がり、やるせない気持ちが募ります。この会社に長くいてはいけないと痛感しました。

  5. 急成長のスタートアップの裏側 リーダーは2週間の休みに入る前、「メンタル的な原因ではない」と言いました。朝10時から夜中まで働いているリーダー。正社員は、評価がかなり厳しく、年俸がなかなか上がらないと聞きます。急成長しているスタートアップはキラキラしているだけではなく、負の部分も多いのだと気が付きました。

今できること

とにかく、何とかしなければ!と思い、いろいろなことを試しました。

  1. とにかく休む 休日もついついSlackを見てしまいますが、PCを見ないようにしたり、美術館や音楽コンサート、博物館、サンバレッスンなど、PCを触れない状況にするようにしました。

  2. 業務委託仲間に状況を共有する 同じ業務委託元で働くメンバーにダイレクトメッセージを送り、悩みを共有。結束感を高めました。

  3. 別の仕事を頑張る 中国語発音講師、翻訳チェックやオンライン秘書の仕事を増やし、気分転換しました。複数の仕事を持っていてよかったです。

  4. 同じ境遇の人を救えないか考える 「やりがい搾取」についてのnoteに反響があったため、コミュニケーション、ツール、業務内容、待遇、自分軸の5つの項目に分けたチェックリストを作成しようと考えています。わたしの「やりがい搾取されている」経験も、誰かの役に立つと思えば頑張れます。

まとめ

やりがい搾取されても、時給が上がらなくても、業務委託として何とかなるものです。
同じ境遇の方、ぜひいっしょに前向きに頑張っていきましょう!

後日談:
この後、業務委託元から、契約では明文化されていなかった業務を「来週からお願いします」と依頼されました。やりがい搾取どころか、しれっと契約のグレーゾーンをお願いしてくる体制に腹が立ち、「これ以上、事前の相談なく、突然、稼働時間増加と伴う業務を依頼するなら、働くのは限界です」と伝えました。
なお、業務委託元は成長著しく、6か月で1000人以上応募し、10人程度しか採用しない、今を輝くスタートアップです。その土台は泥水のような苦しさがあります。今後、改善していただけることを祈ります!

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