納屋のこと
お察しのとおり、田舎の家にはよくある納屋を改装して本屋にしたから納屋文庫といいます。
この納屋は昭和のいつ頃に建てられたのかもわからないし、そもそも昭和以前の可能性もある。
店主(父)は知っているのだろうけど、聞いたことはないです。
古道具や農機具なんかを置いていた納屋を改装したのは、本屋を開業するためではなく、もっと別の理由で。
その話についてはまたの機会に置いておきます。
納屋を本屋に。
改装後しばしの時を経て、本屋として納屋を活用することになった。
もともと二階建てだった一階の天井、二階にしてみれば床の部分を撤去し、やや大きな空間ができた。
一階の天井や屋根の部分にあった梁は店主(父)があえて残した。と聞いているが構造上残さないといけなかったのかどうかはわからない。
そうして梁が剥き出しに残った縦長の箱に、本棚を少しずつ作っていくことになった。
この吹き抜けのような縦長空間が独特の開放感を生み出してくれていると感じている。
ある程度、本を積み上げても圧迫感がない。今後の棚の広がりの可能性も匂わせてくれている。
反面、意外に苦労するところもでてきた。
長い木
本棚を作る際、真っ先に思いついたのがディアウォールだった。正確には当初はそれしか思いつきませんでした。
ディアウォール、DIYを趣味にしている人には定番の商品。
メーカー公式によると
要するに縦に突っ張り棒状の板材を立て掛けて、そこに棚板を付けていくというもの。
まずはこのディアウォールを用いて棚を作ろうとした。
天井から床まで、2×6サイズの板を通す必要があるため長さを測ってみると。
長い。
4メートル以上ある。
センチ単位までの測定が必要なので、何度も測り直して長さを特定。いざホームセンターナフコへと車を走らせた。
木材コーナーにはそれなりに長い木材が揃っており、お目当ての木はすぐに見つかった。
レジ横のカットコーナーで指定の長さに切ってもらい、車へと運びこむ。
重い。
1本の木材を車、たまたま我が家の愛車はTOYOTAハイエースなのだが、積み込むだけで一苦労となった。
なんせ長いから重い。
どうにかこうにか持ち帰ったあともご想像どおり。
長いからぐらぐらするし、あっちこっちにぶつけるし、いざ設置の段になるとなんか歪んでるしで、本棚の基礎づくりが大変であった。
夏は暑く、冬は寒い
昔ながらの納屋のため、建物に隙間は多い。
それに加えて、一階と二階を合わせた空間をひとつとしているから、冷房と暖房の効率が極めて悪い。
なんせ冬が寒くて、エアコンだけでは心許ないためこの冬はストーブをひとつ設置した。
これがとても暖かくて、お客さんがいないときはこのストーブの前に気づけば吸い寄せられてしまう。
2021年2月にオープンして、もう丸2年となる。
店舗運営の面でいくと亀のように歩みは遅いのだが、新たな出会いなどもあり、お店を開けてみて本当に良かったと思っています。
縦長の空間で、皆様のお越しをお待ちしております。