男、齢30にして生活に日傘を導入する
コンビニで買ったビニール傘を重用する人間として、傘に1000円超の金額を支払うことにひどく躊躇がある。
して、この酷暑を少しでも緩和すべく日傘を買おうと店に行っても、閉じたり開いたり、生地を触ったりしては「いいな」と思いながら、値札の数字を見ては「うーん……」「やっぱりええか……」と、何も買わず帰路についてしまう。そんなことを4,5回繰り返した。
いや、それにしたって、暑い。陽射しが強い。体力の衰えもあってか、朝の散歩(1km)に出かけるだけでひどく疲弊。その後の仕事に支障が出る。このままでは、インドア人間・俺の数少ない日々の運動量がゼロに近づいてしまう。
さりとて、これまでの日常で無縁だったものに新しく手を出すのはなんにせよ難しい。何が良くて何が悪いのか。判断材料がないのだ。
50cm・55cm・60cmどれくらいのサイズがいいのか、遮光の割合が95%のものと99%のものとではたしてどれくらいの違いがあるのか、重量によってどれくらい使い勝手が変わるのか……。晴雨兼用、そりゃあよさそうだ。
とはいえ、取捨すべきポイントのほとんどがよくわからない。
そんなときは身近な人間に質問するにかぎる。して、俺は10年超日傘を使っているという男性上司に「普段どんな日傘を使ってますのん?」と尋ねた。
日傘ヘビーユーザーの上司は鞄からwpc.の折り畳み傘を出してくれた。
なぜその日傘に辿り着いたのかを聞くと、以前使っていた日傘が重かったから軽さを重視して選んだのだという。
そして、まあそんな些事よりも……という前置きのもと、「結局は日傘を使うか使わないか。それしかない」と上司は強調した。
たしかにその通り、かもしれない。
して、俺は日傘を使う人間となった。
使っているのは、押し入れに仕舞いこんであった、どこかのノベルティでもらった、スペックもわからない、そんな日傘をさしながら毎朝の散歩をこなしている。
そんなものでも、使ってみると「日傘のない生活なんて考えられねえもんだな」となる。ただ、日向と日向の切れ目になった日陰で傘を閉じるべきかどうかは悩ましい。
ここ数年、いたるところであらゆる人が男性も日傘をさした方がよいとおすすめしているので、今さらなにを……という話だが、それでも、もし、まだ日傘を日常使いしておらず、この酷暑が堪えられないという人がいるならば、すぐさま日傘の使用をすすめたい。
過剰な言いぶりのポストは眉唾物。ブツはなんだっていい。上司の言うとおり、そして俺も実感させられたとおり、結局は日傘を使うか使わないか。それしかない、のだ。
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それでも何かしらの情報をもとに日傘を購入したいという人は、導入前に眺めていたサイトのなかで一番信頼できそうだと感じられた「傘クリエイター つじのよしひろ」さんの知見が参考になるように思えた。そんなところ。