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君の名前で僕を呼んで

1983年の夏。北イタリアの避暑地で家族と過ごす17歳のフリオは、大学教授の父の仕事を手伝いに来た大学院生オリヴァーと出会う。
ひと夏の恋に落ちるカップルをティモシー・シャラメとアーミー・ハマーが演じる。

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映画館で観れてなかったんですがアマプラに来たのでやっと観ました。
もう〜〜〜素晴らしいのひと言、ため息…。
自然光がほんとうに美しくて、空の青も樹木の緑もそれが持ってる最高にきれいな色を映し出してる。
登場人物たちが室内でも屋外でも素足でいることが多いことで空気の乾き具合も感じられて気持ちがいい。
80年代のイタリア、っていうのもなんか絶妙でした。
ヨーロッパの避暑地でセンスいい建物やインテリアや車に囲まれて、でもテレビの中ではMTVやってたりウォークマンを聴いてたりするっていう。
wikiによると原作では1987年の設定だったのが、エイズが社会問題になった時期とずらすために映画では1983年に早めたとの事で、この映画の美しい時代がなにやら暗黒時代の前の最後の自由時間のようにも思えてしまいます。

『ラ・ラ・ランド』や『(500)日のサマー』などの恋愛映画の良作が、季節を用いてその関係が「限定である」「終わりがくる」と予感させてきたように、今作でも夏の間のみの関係という事が提示されていることが切ない。
早い段階で「初めて会った日に着てたシャツを出発する日にちょうだい」と約束させるフリオがなんともいじらしいです。
同じく男性同士の恋愛を描いた傑作『ブロークバック・マウンテン』でも相手のシャツをいつまでも持っている、という描写がありました。
これは異性間の恋愛ものではあまりない描写だと思うので興味深いです。

年上であるオリヴァーの、17歳のフリオに対する気遣いがすごくいいんですよね。
最初っからものすごい好きだったんだけど年上の自分から前のめりになるのは絶対だめだし、関係を進めてフリオのトラウマになってしまわないだろうか?とかめちゃくちゃ気を遣って同意をしっかり取ってる。
同時にオリヴァーの方が突拍子のない行動が多かったりちょっと子供っぽくて、それに対してフリオがちょっと引いてるのがいい。
それがフリオをリラックスさせるためなのか、フリオの精神年齢をわかっていてわざとはしゃいでるのか、わからないんだけどどっちにしろこの2人のバランスが見ていてほんとうに心地いい。
同性同士の恋愛ものに惹かれるのは、異性間のそれ以上に「人が人を好きになるとはどういう事なのか?」という事を考え、思いを馳せられるからだと思う。

…とまあ、かしこまった冷静な感想以上に思うのはティモシー・シャラメとアーミー・ハマーの見た目がめちゃくちゃに良い!という事。
個人的に思うのはこの映画の前あたりに『ネバー・エンディング・ストーリー』をリメイクしてシャラメにアトレイユを演じさせるべきだった!
もうね〜次の『DUNE』ぐらいから体つきもがっしりしてくるだろうし、あの中性的ファンタジー的な憂いとか儚さは無くなっていくと思うし。
アーミー・ハマーは身長も含めて「お前、どうなってんだよっ!?」って言いたくなるぐらいハンサムが過ぎる。
『コードネーム U.N.C.L.E.』でのイリヤ役が好きだった〜。
そんな2人の姿を記録に残した点だけでも素晴らしい映画でした!


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