ホテル・ニューハンプシャー
1984年のアメリカ映画。
原作は『ガープの世界』などで知られるジョン・アーヴィングです。
イラストはナターシャ・キンスキーとジョディ・フォスター。
アーヴィングの小説にはおなじみの熊というモチーフ。
ナターシャは熊の着ぐるみをずっと着ている内向的な女性役で、ジョディは「ホテル・ニューハンプシャー」を経営する一家の長女役でした。
私は映画の『ガープの世界』が高校生の頃から大好きでした。
一見しあわせなシーンなのに常に「死」の影がちらついている演出にざわつき、このざわざわする感じは何なんだろう?と不安になると同時に、こんなよくわからない感情を呼び起こす「映画」というものにますますハマっていくきっかけになった作品でした。
この『ホテル・ニューハンプシャー』も同様に、ホテルの美しい庭園内で熊が曲芸をしている…という楽しげな夢のような映像を提示しながら、不穏な出来事が次々に一家を襲います。
アーヴィングの世界に生きる登場人物たちは常に不条理に翻弄され、極限の不幸に見舞われながらもどこか滑稽で、人生の凝縮みたいなものを味わされる。
どんな映画が、どんな話が好きか?と考えるとどれもアーヴィング的であるかもしれない。
現在、配信等で気軽に観られる作品はほとんどない(U-NEXTではいくつかある)のですが『ガープの世界』はまた観たい。
『ホテル・ニューハンプシャー』は曲芸のシーンの熊が本物なので猿ぐつわをはめられている(まあ当たり前なんですが)ので今観るとちょっと辛いな…という感じがする。
けどこのナターシャ・キンスキーとジョディ・フォスターが同じフレームに居る画は素晴らしい。
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