余命1ヶ月だった私へ~迷走編①
「・・・え?」
「左の乳がんです。いまならstage2なので、手術で胸を取れば治りますよ」
固まった私に、ドクターはこう言いました。
普通、告知するとき、物々しい雰囲気だったり、家族を呼んだりするんじゃないのか。クリニックの診察室で、ドクターとマンツーマン。グルグル回る私の頭。その中でサラッとこういうやり取りでした。
2016年5月、ガン告知を受けました。
左乳がん、粘液性タイプ、stage2。
医学的には、手術をすれば【治る】、と言われる状態でした。
私自身、看護師として、知識はありますし、そういう方々を見てきました。
でも【治る】ってなんだろう。どういうこと?
いままで、私は何を見てきたんだろう。
患者さんの気持ちなんて、何一つわかっていないじゃないか!
いままで、業務として、手術前後のサポートや入院生活に関わってきたけれど、いざ、自分がガンと言われると、本当に頭が真っ白になりました。
こんな気持ちになるなんて、初めてわかった!
どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・
私、胸を切りたくない!
でも、どうしよう、どうしよう・・・
みんな、しょうがなく切ってるから、とか。
病院にすべておまかせしてます、とか。
ガンだからしょうがない、とか。
看護師として聞いていたときは、病院の指導に従ってくれる、物わかりの良い患者さんたち、とシンプルに思っていました。
でも、いざ自分がその対象になると、どうしたら良いかが全くわからなくなりました。
こんなに真面目に働いてきたのに、どうして私がガンなの!?健康であることを当たり前に思っていた私には、とうてい受け入れられない現実でした。
いまなら手術で治りますよ。
「それ、違う、治ったって言わない!!!」
ドクターの声が蘇るけど、私の中で誰かが叫びました。
そしてここからが、私の二年に及ぶ、代替医療を探し求めさ迷い歩く日々が始まったのです。