0405
ここから前が消えてしまった
どうしても思い出せない…
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わたしは実家の部屋にいた
部屋の中は乱雑に荷物が積まれている
でもその様子はシルエットだけではっきりわからない
隣の台所に移ると窓が開き新聞配達(?)の男が
配達通知のボタンを付けさせてもらうと言うのでまた隣に部屋に戻った
窓から身を乗り出して「設置は此処に」と設置場所を指差す
突然背後から「火事だ!」との叫び
わたしは急いで叫び声に向かって居間を走り抜けた
一番端の姉の部屋が燃えているが誰もいない
炎の中で水道管が破裂して霧のように噴射している
俯瞰で見ていたもう一人の私が
最近購入したハンドタイプの消化器が仕事場にあると教える
わたしは仕事場に走りその消化器を手に取り燃え盛る炎に向けた
炎がおさまり暗い部屋に真っ黒に濡れた残骸
近所の(?)人らしき人たちが集まってきてざわざわと話している
わたしは隣の母の実家に行き店の広間らしき所で横になった
すると白い小さな犬がわたしの鼻先で激しく吠え(音は聞こえない)始めた
わたしは起き上がり店のガラス戸を開け外に出た
鍵を閉めようとしたが鍵が掛からない
ガラス戸の反対側では犬が吠えながら(音は聞こえない)走り回っている
家に着くと大きなトラックが横付けされていたので車の後ろに回った
黒づくめの男たちが焼け残った家財を盗み出そうとしている
わたしは咄嗟にトラックの運転席に乗り思いっきりアクセルを踏んだ
もう一人の私が車がなければ荷物を運べないとまた教えてくれたのだ
車を走らせ車も人影もない大通りを抜けると海に出た
海面は白く腰まで浸かった男がゆるりゆるりと動いている
男に近づくと「底の白い部分を歩くと楽に歩ける」というので
白い海底部分を目印に歩き港に向かった
港の防波堤を越すとこじんまりした歓楽街
ネオンと寂しげな入口だけが光り輝いていた
路地を曲がった店に入り階段を登ると見慣れたような店内
しかしそこには家の家財を盗み出そうとしていた男たちが座っていた
目が合った途端男たちが襲ってくる
わたしは手元の鉄棒を握りその男たちをめった打にした
気づくと壁も床も血で染まり男たちが絨毯の上で蠢いている
その中を進むと怯えた店の女の子のが「アシュラ…」と呟いた
壁を見渡すとジョージ秋山のアシュラのような絵が何枚も貼られている
でもどの絵もどこかが違う…着物を着ていないのだ…
店を出て暗い大通りを歩く
数十メートル先を相棒(だと思う)が交差点を渡っている
中央分離帯のところには数十人の若者らしき姿
相棒が近づくと彼らは何かに気づいたらしく一斉に深々と頭を下げている
わたしはそれが面倒に思い大通りをを外れて路地を進んだ
坂を下るとビルの駐車場の隅に先ほどのトラックが止まっている
近づくとトラックはまるで装甲車のように変わっていた
ドワを開けようとしたが開かず車体を叩くと
屋根付近の鉄板が開き相棒(らしき)が顔を出し運転席に入れてくれた
車を走らせ大通りに出ると警察車両(パトカーではない)が追いかけてきた
(でも無声映画のように音が全く聞こえない)
わたしはそれを猛スピードで振り切る
目の前の街並みはスローモーションのように流れ
ただ闇に真っ直ぐな道だけがヘッドライトの光に浮き上がっている
身体中に鈍く重い痛みが襲う…
もう一人のわたしが
「これは夢」と教えてくれた
金縛りにはならずに済んだが…疲れた…