0326
わたしは女性の誰かと
知り合いのレストランで待ち合わせをしていたので
急いで駅か地下街の通路を足早に歩いていた
途中のトイレに寄るとそのトイレの中がとても汚れていたので
諦めてレストランに向かった
レストランに入るとおそらく知り合いのオーナーが
(姿がぼやけてはっきりしない。他のスタッフもお客も同じくぼやけている)
出迎えてくれテラス席へと案内してくれる
ただそのオーナーは消え
テラス席への通路は壁で閉ざされていて行くことができない
仕方なく他の扉から出て薄暗い通路を進み
建物の中を浴室や体育館や実験室などとにかく探し回るのだが
やはり壁の窓の向こう側に見えるレストランには
どうしても行くことができない
それを鳥のように俯瞰で見ていたもう一人の私が
ーー 建物の外に出て回ったらいい ーー
と声がけをする
わたしは建物の外に出てぐるぐる回る
しばらくすると深く濁った川が建物の横を流れていた
そしてその川向こうにレストランのテラス席があった
「あー… どうしよう…泳げない…」
嘆いているわたしの姿を眺めていたもう一人の私が
ーー 飛んだらいい ーー
その声に思いっきり地面を蹴ってみた
わたしの身体はまるでゴム紐で吊るされたように
空高く舞い上がり建物の屋根に飛び移った
そして屋根を蹴るとまた空に舞い上がった
眼下に街が広がる
なんて気持ちいいんだろう…
しかし…
「あっ…待てよ… これは夢だ…」と思った瞬間
目が覚めてしまった
窓の外はまっ白な大粒の雨 …… 春の雫
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