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0403

突然何かがわたしを押さえつけてきた
いや何かが巻き付いてきた
重い瞼をなんとか開くとそこにはエイリアンのような口
俯瞰で見ていたもう一人のわたしが叫んだ
大蛇だ!
その声にわたしは咄嗟に両手でその口元を掴んだ
でも胸から下が動かない
まるで何百キロもの重石に潰されるような
ギシギシと骨が軋む感覚…
脚が潰れるような感覚…だけが駆け巡る
それでも無我夢中で力一杯暴れた
でも暴れていたのは頭の中だけで身体は腕以外は動かない
わたしの力はどんどん抜け鈍い苦しみに力尽きてきた
その時突然何かが光った
 ーー もう一人のわたしが何かを放ったようだ ーー
その閃光に大蛇は驚き
巻き付いていたわたしの身体を捨てて茂みに逃げ込んだ
鬱蒼とした茂みの中を黒く鈍く光る鱗の胴体が遠のいていく…
わたしはほっとして起きあがろうとした
でも…身体は動かない…重い…
 ーー もう一人のわたしからは金網のようは物で拘束された姿
    その周りには鉄製の柵が張り巡らされ
    そしてさっきの大蛇が柵を回って再び近づく姿が眼下に見える ーー
やばい!
わたしは逃げ出そうと必死にもがいた
しかし金網の重さはますます強くなり私を押さえつける
大蛇が草を押し除け近づいてくる
柵のすぐ向こう側まで寄ってきた
底が見えないような漆黒の目…その目は蛇ではない…人間だ
わたしは喉が裂けるほど叫んだ

部屋の中は屋根の上で暴れる雨音と湿った匂い
力が抜け…起き上がれない…いや…動かない…
まだ夢の中なのだろうか…


久しぶりの金縛りだった…
この2ヶ月ほどはなぜか一度もなかったのに
また金縛りの日々が続くのだろうか…

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