![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155617773/rectangle_large_type_2_8d20ac4956f2c7c49bab2c10bc62eb53.jpeg?width=1200)
非デザイナーたちがBlenderで3Dモデルを作ってみた
はじめに
こんにちは、ニワトリさんです。ナビタイムジャパンで地図フレームワークの研究開発をしています。
今回は地図の一機能である3Dランドマークの拡充に向けた取り組みをご紹介します。
本業である研究開発と両立しながら、普段と異なるアウトプットにも成功した一例としてご覧いただければ幸いです!
3Dランドマークとは?
例えば東京タワーや京セラドームなど、目印となる建物を3D表示したものです。『NAVITIME』などの当社のサービスでご覧になれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1726654934-Zre0aMTQHpDif3zoI4RuKlEv.png?width=1200)
2Dな地図の中に3Dランドマークがあることで直感的に情報を伝えることができ、例えば土地勘がない人や地図を見るのが苦手な人でも現実世界との対応づけが行いやすくなります。
でも、肝心の3Dモデルが…
この3Dランドマークとして表示されているモデルは一つ一つBlenderで制作されています。
【Blenderとは?】
多機能な3Dコンテンツ制作ソフトです。
アニメーションの作成などの機能もありますが、3Dランドマーク作成では3Dモデリングの機能を使っています。
少し前まではデザイナーが制作を担うことがほとんどで、実際に現在アプリで表示されている3Dランドマークはほとんどがデザイナーによって作られたものです。
しかし地域によっては有名観光スポットにも関わらず3Dランドマークがないところもしばしば…
モデル制作の専任者がいるわけではないため、充実している!と自信を持ってアピールできないのが現状です。
より使いやすい地図を目指し日々研究開発している当PJとしては、全員エンジニアとは言えこの問題に無関係ではない!ということでPJ内の有志でモデル制作に挑戦することにしました。
実際にやってみた
PJ内で集まった有志は自分を含めて8人。
自分は制作に加え、各自の制作する建物の選定や納品フローの整備などの取りまとめも行いました。
8人のうち3人は趣味でBlenderを触った経験があるものの、そのほかはほぼ or 全くの未経験者でした。自分も以前から興味はあったものの、ハードルが高いな…と思い触ってみたことはありませんでした。
未経験者は経験者にBlenderの基本操作を教わるところから始め、既存の3Dモデルを真似たりなどの練習を経て、各自で制作を開始しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726657624-wpa1LAIhBlns86NS0kMTKOzC.png?width=1200)
結果は…?
本業の研究開発も行わなければならないため、各自開発の合間に制作を進めていただき…
数ヶ月後、各メンバーの3Dモデルが納品されました!
完成までの期間は制作物や練度にもよりますが、Blender未経験のメンバーのほとんどは夏頃から制作に着手し、細々と進めて同年冬〜翌春に完成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726658356-yFO1He6wG5gZ2TBziCXVfNp8.png?width=1200)
内製された3Dランドマークは
2022年度(取組前): 4個 → 2023年度(取組初年度): 8個
と倍に増えました!
未経験者だった5人も無事完成までやり遂げることができました。
未経験かつ新卒1年目のメンバーもいましたが、研究開発にも不慣れな中双方で成果を出してくれました。
取り組み推進のための工夫
取りまとめ役として工夫した点もご紹介します。
①本業と両立して進めてもらうための工夫
有志にはあくまで本業の研究開発優先にはなりますが、3Dランドマーク制作の時間も用意してもらう必要がありました。
が、比較的優先度が低い&コーディングとは非常に性質が異なるタスクということで、自主的に「コーディングの合間に作業しよう!」というきっかけが作れないことが多いようでした。
(自分も例外ではありませんでした…。)
→ 毎週1時間任意参加のもくもく会を開き、自席とは別の場所で作業できる機会をつくりました。
忙しい時期以外は少なくとも週に1時間は確保できるので、本業に支障が出ない範囲で完成まで持っていくことができました。
経験者に質問・相談ができたり、ほかのメンバーの進捗が見えるのも初心者が継続しやすいポイントになったのではと思います。
②納品時の手戻り削減のための工夫
制作した3Dモデルは最終的に地図に載せるため、Blender上だけに限らず地図上でも意図した見た目になっている必要があります。
当社の地図フレームワークはアプリ版とWeb版があり、いずれでも問題なく表示できることを確認しなくてはなりません。
が、検証環境に反映されて初めてチェック、では手戻りや再反映の手間などが増えることがネックでした。
→ 検証環境へのアップロード無しで地図に配置したときのシミュレーションが行えるツールを制作しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726658981-Ye4zNpVL6yDfRX9wr1J3GCI7.png)
Blenderでエクスポートしたファイルをアップロードすることでシミュレーションできる
面の向きが一部逆になっているなど、初心者には気づきにくい不備も実際に描画してみることで見つけやすくなり、納品後の手戻りを削減することができました。
実際に地図で見たときのイメージが湧くため、制作途中でもその先の方針が立てやすくなるなどのメリットもありました。
現在
現在も3Dランドマーク拡充の取り組みは継続中です!
今年度は自分のPJに留まらず社内全体に向けて呼びかけ、エンジニア・デザイナー問わず多くの有志に集まっていただきました。各自で鋭意制作を行っています。
今後も3Dランドマーク拡充含め地図の利便性アップに努めてまいります!
最後まで読んでいただきありがとうございました。