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独自データを地図へ掲載する際に工夫していること
こんにちは。まめマスターです。ナビタイムジャパンでアライアンスの担当をしています。
今回は調達したデータを地図へ掲載する際に工夫していることについてお話します。データ関連では最近、全国高速バス対応100%のプレスリリースを行いました。
ナビタイムジャパンではサービスだけではなくデータについて様々な取り組みを行っています。
スポット(施設や駅、バス停など)情報について
サービス上で利用する施設情報や駅、バス停については掲載するにあたって、様々な方法で調達しています。
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データ化の取り組みについて
購入可能なデータやオープンデータに対応されているケースなど、提供元が外部に対して提供方法が確立されている場合を除くと、当社がスポット情報を地図へ掲載するために調整を行う場合があります。
ナビタイムジャパンではこのような場合でもサービスへ活用できるよう様々な工夫を行っています。
以下、データ補正の調整事例を一部ご紹介します。
駐車場の出入り口の調整
駐車場の場合、住所が存在しないケースや、住所の代表地点から、駐車場入口が判定できず、カーナビゲーションなどで正しく案内できないケースがあります。
このため、下図のように駐車場の多くは道沿いにスポットが立つように補正しています。
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カーナビアプリなどで正しくナビゲーションできるように、入り口を正しく案内するために正確な緯度経度が求められます。しかし、緯度経度の情報を駐車場の運営元が持っていないケースもあります。
提供元が正確な位置情報を持っていない場合、データの提供元である運営会社や自治体などに駐車場の入り口付近の緯度経度を調べていただくようお願いしています。
その際、緯度経度情報を取得するために『NAVITIME』を活用した方法を案内しています。
『NAVITIME』の地図上で右クリックで「この場所のURLを取得する」を選択するだけでも登録に必要な位置情報をURLで取得できます。
作業に慣れると10秒程度で取得できるので、提供元が駐車場をまとめて登録する場合でも容易に駐車場のデータを作成することが可能です。
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駐車場の満空情報の紐づけ
駐車場を検索する際に、満空情報が含まれていると事前に満車になっている駐車場を避けて選択することができます。
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数分間隔で変わる動的な満空情報のデータは、駐車場運営会社から直接受領して掲載しますが、運営会社から提供ができない場合もあります。
駐車場データを運営会社がからできない場合、ナビタイムジャパンでは精算機メーカーと連携を行い掲載しております。
満空情報を持っている精算機
全ての精算機が対応しているわけではありませんが、最近の駐車場精算機はオンライン上から利用状況が確認できる機器が各メーカーから提供されています。
システム上、精算機メーカー側で満空情報を既に保持しているため『NAVITIME』など外部への連携も技術的には可能になります。
満空情報の紐づけ方法
精算機メーカーから受領した満空情報を運営会社から受領した駐車場データと紐付ける場合、以下の2つの方法をもとに対応しています。
①駐車場IDで駐車場と満空情報を紐付ける
運営会社から提供される駐車場情報(住所や料金など)と精算機メーカーから提供される満空情報に付随しているユニークな情報をもとに紐づけを行っています。
例えば、駐車場運営会社が既に独自の駐車場IDを持っており、ナビタイムジャパンや精算機メーカーに対してIDを指定する場合に有効となります。駐車場スポットを数百件以上保有している場合、ナビタイムジャパンへ登録する際にIDを運営会社側から指定されることもあり、この方法で対応します。
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②駐車場名で満空情報を紐付ける
精算機メーカーの満空情報のデータと、駐車場運営会社が提供する駐車場データが別々に管理されており、駐車場IDが紐付けられないケースもあります。この場合は、駐車場名で紐づけを行います。
![](https://assets.st-note.com/img/1694586961792-qavNCKnWZo.png?width=1200)
ただし駐車場名で紐付ける場合は、1文字でも一致しない場合は紐づけができないため、正常に紐づけられているか駐車場ごとに検証を行っています。
バス停の位置補正
バス停は住所が存在しないため、正確な位置情報のデータの提供が難しい場合は主に以下の方法で確認を行います。
運行元、ホームページの調査
ストリートビューを活用した確認
運行元への問い合わせ
現地調査
運行会社へ問い合わせを行う際に、何も提供できるものが無いと回答をいただいた場合は、当社からエクセルに地図とバス停名を記載した吹き出しを用意し、運行元へバス停の位置に吹き出しを指していただきます。その情報をもとに緯度経度を割り出して当社で位置情報を登録します。
データをご用意いただく場合でも可能な限り負担が少ないように配慮し、予めデータやファイルがある場合は、そちらの情報をもとにデータ化を行い、無い場合でもこちらからフォローしながら進めていくことで、継続的に提供いただけるよう調整を続けております。
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駅の位置補正について
意外に思われるかもしれませんが、駅の位置情報も自社調査を行っております。
移設や駅構内の入り口変更などは、各社から発表される情報をもとに対応しています。例えば、2020年1月に変更があった渋谷駅の銀座線変更や、2024年3月に移設予定の愛知県の三河知立駅も既に公表されている情報をもとに対応を予定しております。
また駅の出入り口についても人が歩ける歩行者データと駅の地図を自社ツールで重ねて細かくチェックを行いながら補正していきます。
駅の出入り口補正(補正が必要ない場合)
駅の出入り口の補正については必要なケースと必要ないケースがあります。
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補正が必要としないケースとして、例えば東京メトロの外苑前駅の画像の例の場合、徒歩データと全ての出入り口に地点情報を設定されていることから、徒歩ルートを行う際に目的地から一番近い出入り口から出発できるようになっています。
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駅の出入り口補正
続いて駅の出入り口補正が必要なケースの紹介です。
下図のようなJR横田駅の近くに目的地を設定した場合、位置情報から近い私道を案内してしまう場合があります。
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この問題を解決するために駅の出入り口を正しい位置へ補正します。
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出入り口の位置を補正することで実際にユーザーが目的地として設定した場合も下図のような案内を行います。
![](https://assets.st-note.com/img/1694573827841-wIOj7daJbh.png)
施設情報と付加情報の紐づけ
最後に位置情報ではありませんが、施設情報を付加情報をもとに検索条件でヒットさせるための工夫をご紹介します。
例えば、キャッシュレス決済やチェーン店をベースに検索をしたい場合、受領したデータに対して紐付けることで検索を容易にすることが可能となります。
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最近では、給水スタンドのデータを『moveco』に投入する際に、全国653箇所の施設と紐づけて登録しています。
おわりに
データ化されていないものをサービスへ落とし込むことは容易ではありませんが、大きな価値を生み出すこともあります。
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例えば『トラックカーナビ』は大型車が通れる道だけを案内するために、「大型車規制情報」が必要となりますが、このデータがまとめられたものはどこにもありませんでした。
ナビタイムジャパンでは』トラックカーナビ』を実現するために全国の大型車規制情報を集めデータ化し、多くの大型車ドライバーへ貢献しております。
外部へのデータ提供が初めてとなるケースではデータ化できておらず、また提供元がデータ化に対して不慣れな場合、容易ではないケースが少なくありません。
今後も可能な限り柔軟に対応し、利用者のニーズを満たすために様々な取り組みを続けて参ります。