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Google PlayストアとApp Storeのレビューの返信対応について

はじめに

こんにちは、大型書店大好きマンです。カーナビアプリ『ドライブサポーター』の品質保証を担当しています。
今回は、サービス品質の部分での活動である、担当サービスのレビュー返信対応についてお話させて頂ければと思います。

レビュー返信とは

レビュー返信の歴史

2012年6月より、GooglePlayストア上で開発者側からユーザーの皆様に頂いたレビューに対して返信が行えるようになりました。また、2017年3月からはApp Storeでもレビューの返信が行えるようになりました。

ナビタイムジャパンでも、アプリに関するレビューに3営業日以内にすべて返信をするという目標のもと、レビューの返信を開始しました。

複数移動手段を組み合わせたルート検索のできる『NAVITIME』アプリからレビュー返信を開始し、次いで『ドライブサポーター』にも対応していきました。


ユーザーの皆様から頂いたレビューについて

『ドライブサポーター』の開発チームでは、頂いたレビューやご意見は常時Slackのチャンネルに流すようになっております。

そこでリアルタイム性の高い問題や、各メンバーが気になる問題などはスレッド内で盛んにやり取りするようになっております。

特にバージョンアップしたアプリを公開した直後に着信していると、メンバーが無条件に反応してしまうワードをいくつか紹介します。

  • 落ちた

  • クラッシュ

  • 動かない

  • 強制終了

  • 新機能いいね

このようなSlack上のやり取りだけでなく、週次定例として頂いたレビューを、チームメンバーと再度共有する時間を設けており、そこで返信の方針や問題点の共有、要望への対応検討なども改めて行っております。

レビューの管理方法は、特に大きなシステムを入れるなどせずレビューの内容と状況、返信内容は、スプレッドシートで管理されております。

レビュー返信対応初期はストアから管理シートへの転記を手作業で対応しておりましたが、Google Apps Script(GAS)を使って、効率化を図るなどしております。現状は、スプレッドシート上での成型しか行えていないので、もっと効率化すべく見直しを検討しています。これにより、レビュー返信内容の精査や返信対応に注力できる時間を多くとれれば考えております。

実際にどんなレビューがきているのか

日々、非常に多くの要望やご意見のレビューを頂いております。
どのレビューに対しても、メンバー一同が真摯に受け止めより良いサービスになるように努めております。

頂いたレビューは、詳細を確認し、更新ができていない住所があれば住所を追加したり、検索機能の改善が必要であれば、改善のために担当プロジェクトに修正依頼を行ったりしております。

自位置が測位されないとの事であれば、ログの調査や、実際に該当付近でフィールドテストを行って動作を確認し改善活動を行っております。

実際のレビューと対応内容をご紹介

実際に『ドライブサポーター』で改善対応を行った事例をご紹介します。

【ご意見】My地点のアイコンをもっとわかりやすくしてほしい
【対応】My地点のアイコンを色分けできるようにしました

実際のレビューをアプリに反映した例(My地点のアイコン)

【ご意見】地図上に検索せずともトイレを表示させてほしい
【対応】地図のスポットアイコンにトイレアイコンを追加して常時表示できるようにしました

実際のレビューをアプリに反映した例(トイレアイコンを追加)

【ご意見】検索結果の並び順の設定を引き継いでほしい
【対応】並び順の設定を初期化せず保持するように改善しました

【ご意見】走行履歴の点が分かりにくい
【対応】サイズの微調整を行いました

【ご意見】最初のルートで行きたいので、ルートから外れた時のリルートをさせないで欲しい
【対応】オフルートした場合のリルートをOFFにする機能の追加

このように皆様から頂いたレビューを機能改善に活かしております。

レビューからプロダクトを改善するために

頂いたレビューをどう検討しているのか

要望を伝えるレビュー、感謝を伝えるレビュー、指摘をいただくレビュー、様々な内容のご意見を頂いております。

頂いたレビューに関しましては、まず担当者と開発者で話し合う際には、3つの観点を意識するようにしております。

  ・【要望・ご指摘】求める事や問題の事象は何か?
  ・【理由】なぜそう思われたのか?
  ・【原因】その事象が発生している原因はなにか?

そして、その3つの観点がまとまったら、次のステップを考えます。

  ・要望や問題を解消するにはどうしたらよいか?
  ・要望を抽象化するとどうなるか?
  ・抽象化した要望をどうすれば具体化できるか?


こうやって、頂いたレビューがご指摘であれば、ご指摘内容を解消するための方法を考え、要望であれば一度抽象化してから、再度具体化を考えるようにしております。
ここでは、オフルートリルート機能をOFFにする機能の改善の際にどんな検討があったかを具体的に説明いたします。

・オートリルート機能をOFFにする機能が欲しい。不慣れな首都高でトンネル走行後、自位置を取得すると高い確率でリルートしてしまい危ないです。

【要望】オートリルート機能をOFFにする機能が欲しい
【理由】アプリが想定外の動作をしてしまった為
【システム要因】自位置を見失ってしまった

今度は、この要望を解消するにはどうしたらよいのか?を考えます。

今回はこんな機能が欲しいという具体的な要望を頂いているので、
まず要望に応えるかたちで対応を進める事にしました。

そして、そもそもの要因である【自位置を見失ってしまった】事にたいして
どのようにすれば、自位置を見失わないようになるのか、仮に見失っても適切に動作するにはどうしたらよいかを、研究開発部門と相談しよりよいサービスを提供できるように改善を進めさせて頂いております。


そもそもなぜ返信しようと思ったのか

 

やはり自分がかかわるサービスについてのご質問やご不明に感じている点について頂いたレビューをそのままにしておきたくなかったというのが大きな動機になります。
レビュー返信機能ができるまでは、ご質問もご要望も全て頂いたままで、ご返信できずにご不便な思いをさせてしまっている状態のレビューが書き連ねられておりました。
このように頂いたお声をそのままにするのではなく、そのお声をもとに改善を行い、その声を発してくださった方に直接改善したことを、そして提案頂いた事への感謝を伝える事を実現したかったのです。
質問に対しては適切な回答を、そして不具合や不備に関してはお詫びを行い、ご要望に関しては改善活動に結びつけていくといった活動を一件一件行い続ければ、誠実にサービスを運営・改善しようと日々努力している事を知って頂くことができ、最終的には使っていただいている方に「ああ、ナビタイムを使っていてよかった!」とご満足して頂けるのではないかと思ったのです。

返信で気を付けていること

 

全力で誠実であろうとし続けること。そして、誤解を与えない内容であること。加えて、難しいのですが簡潔すぎないことです。

どうしても簡潔であればあるほど、言い切るかたちで説明をすることが多くなってしまいます。しかし、できない事を説明するにしても、「できません」と言い切られてしまうと、言われた側としてはやはり印象はよくないものです。このあたりを日々どのような表現にすれば、より親切で分かりやすいご案内になるかを考えながら対応させて頂いております。

皆様のレビューをもとに、よりよいサービスを提供できるように改善を行っていきたいと考えております。

これからもよろしくお願いいたします。