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バスの位置が地図でわかる!『バスNAVITIME』でバスロケ地図をリリース

こんにちは、ピンポンです。
ナビタイムジャパンで『バスNAVITIME』の開発を担当しています。

今回は、『バスNAVITIME』にて先日リリースいたしました「バスロケ地図」について、機能が追加された経緯と、開発背景についてお話しします。

この新機能に関する詳細は、以下のプレスリリースでもご覧になれます。


バスロケ地図とは

「バスロケ地図」は、地図上に、バスが動きながら表示され、走行中のバスの位置情報等がリアルタイムで分かる機能です。
さらに、バスがどの方向を向き、運行路線上のどこにいて、乗車するバス停まであと何分で到着するかの目安時間も確認することができます。
全国で104社のバス会社に対応しており、ユーザーが指定した区間を走る複数バス会社の情報を横断的に地図上で確認できます。

使い方

「接近情報」画面にて、ユーザーが、接近情報のあるバスを指定すると、地図上に、走行中のバスがアイコン表示されます。また、「ルート検索」画面から、ルート検索結果上の「停留所」ボタンを押すことで、乗車する区間に絞った表示も可能です。その他に時刻表画面などからも遷移できます。

使い方(接近情報タブから遷移の場合)

開発背景

バス利用の問題点

バスは、交通渋滞や天候不良、利用者数の変動などによって、定刻通りに運行しない場合が多く、時間の不確実性が生じます。
加えて、ダイヤ改正や運行本数の削減などが頻繁に行われると、利用者はその都度情報を把握し対応する必要があります。

2024年問題

物流業界において問題視されている2024年問題をご存知ですか?
2024年問題とは、2024年4月から始まる働き方改革関連法の改正によって、ドライバーの労働時間や拘束時間の規制が強化されることによる問題です。これにより、バス業界にも以下のような影響があります。

  • 運行本数の減便・減少・短縮

  • 需要の少ない地域での減便・縮小・撤退 など

このような背景から、ナビタイムジャパンではバス事業者が保有する時刻表や位置情報などのバスデータを活用し、地図上に走行中のバスを表示することで、
「バスがまだ来ていないのか、もう行ってしまったのか分からない。」
「目的地までこのバスで行けるのか分からない。」
というようなバスユーザーの不安解消の手助けになるのではないかと考え、開発に至りました。

開発時のエピソード

ドアの向きに注意

地図上にバスを表示するにあたって、バス画像をどのように表示するかという検討を行いました。

最初に、タクシーアプリのように車体画像だけで進行方向が分かるような画像を検討しました。
しかし、バスは直方体の形をしているため、タクシーのようにバスを真上から見た画像ではどちらが進行方向なのかが分かりにくく、また、バスかどうかも判別できませんでした。

次に、バスの画像であることを分かりやすくするために、横向きバスの画像を検討しました。横向き画像であればバスであることが一目瞭然です。しかしここである問題に直面しました。

バスは進行方向左側にしかドアがない。

ですので、バスの進行方向(地図の回転角度も考慮)によってバスの画像をドア有りとドア無しを切り替える必要があります。
さらに、バスの進行方向と地図の回転角度によっては、地図を回転した時にバスの底が画面上で上を向いてしまうことがありました。

バスが横転した

その場合は画像を180度反転してバスがひっくり返らないようにし、同時にドア有り無しを切り替える処理を行うようにしました。
自動更新でバスが地図上を移動したときも同様の制御を行い、バスが移動するのと同時に画像が切り替わるようにしました。

これにより、バスが地図上で正しく表示され、利用者がバスの位置や進行方向を正確に把握できるようになりました。

進行方向不明なバス

バス会社から提供されるデータには、位置情報の他に始発時刻や遅延時間、走行速度など様々な情報が含まれています。「バスロケ地図」では、提供されたデータを用いて地図上にバスを表示したり、交通状況を考慮した各バス停の到着時刻を表示しています。

バスの進行方向表示には、このデータに含まれている角度データを使用しています。角度データは0~359(度)で提供されており、地図の回転角度を合わせて計算して、バス画像を回転させています。これにより、バスが地図上で進行方向を向いた表示を実現しています。

しかし、車体によっては角度データがないことが判明しました。バス車体によって対応しているデータが異なるので、データが一部不足している可能性があります。バスの角度データもこの例外ではありませんでした。

角度データが無いバスはデフォルトの角度を設定する案も出ましたが、デフォルトの角度と正しい進行方向の角度が真逆の場合はバスがバック走行しているように見えてしまったり、ユーザーに誤解を与えてしまう可能性があります。

そして苦渋の決断で、角度データがないバスは正面向きのバス画像で表示することにしました。

バス大量発生問題

「バスロケ地図」では、指定したバス停を通る走行中のバスを同時に表示することができます。そのため、バス会社を横断してバスの位置情報を地図で確認できます。

一度に多くのバスの位置情報を地図で確認できることが「バスロケ地図」の良い部分なのですが、一方で、広島市の八丁堀など多くのバスが停車するバス停を指定した場合、現在走行中のバスを全て表示すると地図がバスに埋め尽くされてしまいました。

そこで、バス会社から提供されるバスデータを以下の条件で絞り込みんでから地図に表示するようにしました。

  • 指定したバス停に30分以内に到着するバス

  • 始発前のバスは一部表示

この絞り込みにより、多い場所で同時に400台表示されていたバスを150台まで減らすことができました。また、アプリのパフォーマンスも向上しました。

今後の展開

現在の「バスロケ地図」では、バス停間のルート線が直線で結ばれています。このルート線を道路形状に沿って表示されるように現在開発を進めています。また、バスロケ対応バス会社の拡充にも精力的に取り組んでおります。

現在の対応バス会社はこちら

おわりに

・「バスロケ地図」とは、地図上でリアルタイムの走行中バス位置が分かる機能です。
・地図上のバスをタップすれば、そのバスが何時にどの停留所を通るか分かります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
『バスNAVITIME』では、今後もバスユーザーのニーズに答えられるよう、アプリの改善に努めてまいりますので、ご期待ください!