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ツーリングサポーターでの新機能「交通事故AI予測マップ」とナビタイムジャパンの地図描画の仕組み
はじめに
こんにちは、ルークと、きーこと、サバ缶ほうれん草です。それぞれナビタイムジャパンで、地図フレームワークと、ツーリングサポーターのBFF開発と、AI/統計手法による研究開発を担当しています。
今回は、『ツーリングサポーター』(Web版)でリリースした「交通事故AI予測マップ」についてご紹介します。
この機能は、AI技術を使って過去の走行データと事故件数を分析し、事故リスクが高いと予測される地点や道路を地図上で確認できるものです。
事故の危険性をどのように伝えるか?
バイクに乗られる方々は、交通事故の危険性を常に意識されています。しかし、事故が起きやすい地点や道路の情報を事前に把握することは難しく、運転中に危険を感じるケースもあります。そこで、私たちはライダーの方々が安心して移動できるようなサービスを開発することにしました。
まずはじめに『行程表クラウド』で利用している交通事故AI技術を活用して、バイク事故の危険度を予測しました。
※行程表クラウド:旅行・バス事業者向けに提供している貸切バス対応の行程表作成Webサービス
『行程表クラウド』のAI事故予測については以前公開したnoteでも紹介しています。
AI予測の結果を見ると、交通事故の危険なエリアが全国にたくさん存在し、地図上に大量のデータを載せる必要がありました。
しかし、それによって地図描画の速度が低下し、ユーザーにとって使いにくいサービスになってしまう可能性がありました。
この課題を、ナビタイムジャパンに蓄積された技術のひとつである地図SDKを活用し、結果として大量のデータを地図上でわかりやすく表示することができるようになりました。
実現した機能
「交通事故AI予測マップ」機能の実装により、バイク向けにチューニングされた危険地点やその理由、安全運転のポイントを地図上で確認することができます。これにより、事故リスクの高い箇所を事前に把握することができるようになり、安全な移動が可能となります。
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効率良く線とアイコンを描画する
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ナビタイムジャパンでは地図フレームワーク(地図SDK)を自社で開発しています。交通事故AI予測マップでは全国のデータを配信しており、数万箇所のデータをアイコン・線として表示する必要がありました。
そこで、滑らかな動作を維持するために、ユーザーが表示している画面内の必要な部分だけを取得・描画しています。
具体的には、「メッシュ」という単位で通信しデータを取得しています。メッシュとは緯度経度に基づいて地域を格子状に分割したもので、分割された各区域にはIDが割り振られています。SDKにより、画面内にあるメッシュを自動で計算してデータ取得ができます。
メッシュについての詳しい説明は以下のページをご覧ください。
また、こちらの機能は外部に提供している『NAVITIME API』でも使用することができます。
今回は事故リスク情報を表示していますが、メッシュ単位で配信されるGeoJSONであれば他のどんなデータでも線やアイコンとして描画することができます。
GeoJSONとは、地理的データをJSON形式で記述するフォーマットです。以下は、東京タワーの情報を書いたGeoJSONの例です。
{
"type": "FeatureCollection",
"features": [
{
"type": "Feature",
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [139.7454, 35.6586]
},
"properties": {
"name": "Tokyo Tower",
"height": 333,
"built": 1958
}
}
]
}
このように、図形のタイプや座標、その位置に関する情報などを定義することができます。このようなGeoJSONの情報を元に地図上に線とアイコンを描画します。propertiesの値を使った出し分けや、アイコンの画像、線のスタイルも自由に指定することができます。
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https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202310/13_5665.html
NAVITIME APIを利用すれば、用途に合ったデータを自在に地図上にアイコン・線として表示することができます。データをナビタイムのサーバに配置する必要はなく、利用者が構築したサーバから地図SDKにデータを配信して描画することが可能です。
今後の展望
ナビタイムジャパンに蓄積された地図描画の技術により、サービスの快適さを保ったまま、大量のデータをAIで予測した成果をユーザーにお届けすることができるようになっています。
今後は、この技術を用いて他のAI予測成果を地図に乗せることも検討してまいります。
引き続き、『ツーリングサポーター』と、その基盤となる地図描画の技術に注目していただければ幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。