【対談】文系・未経験スタートからのエンジニア就職への道
大学時代、文系の学部学科に所属していると、多くの方には「IT企業にエンジニアとして就職する」という道は縁遠いもののように思われるかもしれません。しかし、ナビタイムジャパンには毎年のように文系・未経験スタートからエンジニアとして就職し、入社後から第一線で開発に携わる社員がいます。
彼らはどのように道を選び、学んでいったのでしょうか。大学の専攻分野とは違うから、技術力が足りないから、と思い興味があっても二の足を踏んでしまっている方に、是非お読みいただきたいです。
【対談参加者】
キャプテン : 2019年入社、新卒4年目。趣味は熱帯魚の飼育。飼育環境をIoT化するために、Raspberry Pi(※1)の購入を検討中。
こーhey! : 2021年入社、新卒2年目。配属後は主に高速道路における経路探索を扱っており、日本の高速道路事情に詳しくなっている。
リフレッシュミントワ : 2022年入社、新卒1年目。年始は母校の箱根駅伝の応援に夢中で、気づいたら自分でも山を走ってしまっていた。
聞き手 : 採用チーム(あ)
プログラミングとの出会い
ー今日はありがとうございます。今日は文系出身エンジニアの対談会にしたいと思います。
大学の授業ではプログラミングに触れる機会はなかったと思うんだけど、それぞれ、いつどういうタイミング・きっかけで始めたんですか?
キャプテン : 自分は就職活動のタイミングでした。法学部の出身で、周囲の人たちは公務員だったり、金融業界とか、IT以外の業界を目指す人がほとんどでした。最初は自分も業界を絞らずいろいろ見ていたんですが、「何か自分で作る仕事をしたい」と思うようになり、そこからIT業界でエンジニアになる、ということが視野に入りました。
ーなるほど、就活を始めるまでは、エンジニアになるっていうことは全然現実的な選択肢ではなかったんですね。エンジニアになりたい、が決まった後は、どう動き出したんですか?
キャプテン まずは自分が本当にエンジニアを目指せるのか、プログラミングに抵抗を感じるのか、確かめるところからでした。時期としては学部3年の夏頃だったと思います。数はほとんどなかったのですが、未経験でも受け入れてくれるIT企業のインターンシップを探して参加し、手を動かす機会を作ったり。結果、全く抵抗なく、むしろ自分で考えて作って、それが思い通りに動くのがただ楽しかったのを覚えています。
ー自分で手を動かしてみて楽しいか確かめる、というのは、大事ですよね。エンジニアとしてモノづくりをしていく以上、「作るのが楽しい」と感じるかは入口として大事ですよね。
こーhey! 僕もそう思います。仕事とは言え、やっぱり作ることそのものを楽しめる方がいいですからね。プログラミングに抵抗がない、は一番の適性かなと思います。
僕の場合は、長期休暇のタイミングで時間に余裕ができてから何か始めてみよう、でプログラミングにたどり着きました。
ー文系だと授業で学ぶ機会もあまり無いように思いますが、なぜプログラミングに行き着いたんですか?
こーhey! 所属していた学部の中に、「情報文化コース」というものがあって、そこに入ったのがきっかけです。実際に手を動かしてプログラムを書くことは少なかったのですが、世の中に存在するWebサービスのこと、コンピュータの簡単な仕組みなど、情報系の入口のような講義を受けていて、自分でも何か作ってみたいと思うようになりました。
ーその後の勉強はどのように進めていったんですか?
こーhey! 3年生の前期の段階ではまだプログラミングへの興味が薄く、そのときはIT業界/エンジニア以外で就職をするつもりでした。その後プログラミングに興味を持ってから、「プログラミング 勉強法」で検索したらAtCoder(※2)が出てきたので、それを使ってスタートをしました。
独学での勉強の進め方
ーなかなか珍しいスタートの切り方ですね。文系だけどエンジニアを目指したい、と就職活動をされている学生のみなさんと話すと、プログラミングスクールに通うとか、Progate(※3)で勉強し始めたという方が多いように感じています。初学者がAtCoderから始めて、難易度は大丈夫だったんですか?
こーhey! 実は本当に簡単な問題から始めることもできるので、大丈夫でした笑。今はコンテストに出る頻度は減ってしまいましたが、まだ趣味の一環でAtCoderには参加しています。
ーそれぞれに合った始め方、勉強のしかたがありそうですね。リフレッシュミントワさんはどうですか?
リフレッシュミントワ 自分の場合はコロナ禍がきっかけでした。学部3年の4月がちょうど世の中全体で自粛が始まったタイミングで、シフトに入れなくなったこともあってアルバイトも辞めて。それで、家で何かできることを・・・と探している中で、最初に手を付けたのがWebサイトの制作でした。
ー飲食店スタッフとかイベントスタッフとか、大学生に人気のアルバイトが真っ先に影響を受けましたよね。
リフレッシュミントワ そうなんです。大学でデザインに関わる勉強もしていて、3年の4月からの授業でWebサイトのデザインをしてみようという講義があり、せっかくなのでそれを実際に作るところまでやりたいと思ってWebサイト制作を始めました。そこから2~3ヶ月のあいだ、ネットから情報を拾ったりしながら独学で勉強を続けました。当時は大学の講義もオンラインになったばかりで、先生たちも講義の進め方や課題、テストなど、手探り状態だったのではないかと思います。なので、対面の講義を受けていたときよりも自由な時間ができたし、友だちからの「飲みに行こう!」のような誘いも自粛で一気に無くなったので、手を動かす時間を作ることができました。
ー早めにやりたいことを見つけられたのは良かったですね。独学だけだと躓いたり、限界が早く来たりすることもあると思いますが、そのあたりはどう克服したんですか?
リフレッシュミントワ 最初はProgateも使いましたし、twitterで情報収集したりが中心でした。そんな中、Slackにあるエンジニアのコミュニティみたいなものを教えてくれる方がいて、そこに飛び込んでみんなに勉強の仕方を教えてもらいました。
文系・未経験の学生たちの就職活動
キャプテン 理系だと、研究室があって先輩後輩のつながりや一緒に過ごす時間もあるので、「教えてもらう」ということができますが、文系のゼミにはそういう縦のつながりはあまり無いですし、IT業界やエンジニアも数ある業種・職種の1つなので、情報系の研究室の学生たちがほとんどIT業界を目指す、みたいなことが起きづらく、結果として就活が孤独になりがちかもしれません。
こーhey! 確かに、僕の周りにもプログラミングをやっている人はほぼいなかったので孤独でした。競技プログラミングをやっていたとは言え、本当にIT業界でエンジニアになれるのかは不安でした。
ー文系学生ならではの悩みですよね。先輩からの情報も得づらいなかで、就職活動はどのように進めていったんですか?
キャプテン 開発実績が無いということもあるので、「未経験お断り」の企業には最初から当たらなかったです。数少ない、「文系・未経験でも採用しています」という企業はどんどん当たっていったのですが、その中で以前からサービスを使っていて馴染みがあったナビタイムジャパンにも出会いました。ただ、如何せん受けられる数が少ないので、新卒では未経験の枠が大きいシステムインテグレーターに入って、転職して自社開発の企業に行く、ということも頭の片隅にはありました。
こーhey! 僕も、未経験OKでポテンシャルを見てくれるところ、で探しました。あとは、AtCoderをやっていてアルゴリズムを組む楽しさも感じていたので、できればそういう仕事に携われれば、という希望もありました。とはいえ、そういう企業はほぼ無い状態でしたし、そもそも新卒向けの求人情報に「アルゴリズム」というワードが出てくること自体、かなりレアでした。そのうちの一つがナビタイムジャパンだったのですが。
リフレッシュミントワ 自分も数を当たらないといけない、と思いながら動いていました。数多くエントリーをしていたこともあって、書類選考の段階で落ちてしまうことも多かったのですが、面接にたどり着くことができた企業の中から、徐々に絞っていきました。
ナビタイムジャパンは、自分が勉強していたWebアプリケーションの開発ができるということに加え、エンジニアやデザイナーが事業やサービスを考えるところから携わり、ビジネスを進めていくところまで、本当に全体が見られるという点が良かったです。他の企業だと、部署ごとに分かれていたり、そもそも会社が分かれていたりすることも多かったので。
入社後に「文系出身」を意識することはあまりなかった
ーご縁あって、ナビタイムジャパンで一緒に働くことになったわけですが、入社時研修やその後のことについても少し伺いたいと思います。特に文系の学生のみなさんからは、研修についていけるかの不安や、配属先・配属後の業務で、「文系だから〇〇」があるのかという不安の声をいただくことが多いのですが。
リフレッシュミントワ 良い意味で、「文系だから」ということは全く無く、入社時点での技術力や大学時代の専攻で何かが変わるということは無かったです。確かに研修の理解力や課題の進捗スピードについては経験がある同期が先行するところもありましたが、逆に同期だからこそ教えてもらいやすかったりしたので、研修中に時間をかけて進めていきました。
キャプテン 自分の場合は、入社前に「基本情報技術者試験」(※4)の勉強をしていて、基礎を固められていたのが良かったかもしれません。研修に入ってからも、思ったよりも理系の人との差が大きいわけではないんだな、と感じることができました。あとは、研修講師だったベテランの先輩から、「1年目はとにかく勉強に時間を費やしていったほうがいいよ」というアドバイスを聞いて、土日にも手を動かすようにしたり。
結果として、徐々にコードを書けるようになってきて、実際に業務の中でサービスを作る中で、さまざまなプロジェクトの方と技術的な話もできるようになってきたので、成長できている実感を得られましたし、1年目の後半頃には文系理系ということも気にならなくなりました。
こーhey! 僕も2年目以降、新入社員研修の「プログラミング基礎研修」の講師に選ばれたりする中で、「文系だから」みたいなことを考えることもなくなりました。当初から希望していた経路探索エンジンの研究開発をするプロジェクトにも配属していただきましたし。
業務の中でアルゴリズム開発に携わる中で、数学的な知識を必要とすることが多いのですが、その解読に多少時間がかかったりする部分ではまだ差を感じることもありますが、分からないことがでてきたら都度勉強するようにしています。
文系・未経験からエンジニアを目指す方へのメッセージ
ー「文系だから」は考えなくて良いし、最初は気になっていてもだんだん忘れる、気にならなくなる、ということですね。では最後に、文系・未経験からエンジニアの道に進もうとしている学生のみなさんに、何かメッセージをお願いします。
こーhey! 「まずはやってみよう」が大事だと思います。手を動かして何かを作って初めて、プログラムを書いてモノを作る楽しさに気づけるからです。思い立ったが吉日です。「文系だから」と思わず、チャレンジしてみてください!
キャプテン 未経験からでもやってみようというチャレンジ精神と、就職活動の中で企業の人たちに面談などを積極的に申し込む行動力が大事だと思います。それをやることでミスマッチを減らせますし、何より意欲がある人に対しては企業も快く応じてくれると思います。
リフレッシュミントワ 文系からエンジニア、は無茶だと思う人もいるのかもしれませんが、全然そんなことはないと思います。特にナビタイムジャパンはOJTや研修がしっかりあるので、不安な点はほぼ取り除きながら成長していけると思います。やりたいことを貫いてほしいですし、やりぬけば道は開けると思います。頑張ってください!