エントリーシートを書く前に
3月も間近に迫り、就職活動で毎日忙しくされている方も多いと思います。特にこの時期は、「エントリーシート」の提出に四苦八苦されている方も出てきていらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、「エントリーシートを書くときに気をつけたいこと」についてお話ししたいと思います。
1. 西暦/和暦の表記
最近はオンラインでエントリーシートを提出する企業も多く、特に年月のところはプルダウンで選べたりもするので間違えづらくはなっていますが、気をつけたいポイントの一つではあると思います。
西暦指定のところに和暦を書いてしまったり、その逆だったり、意外にいらっしゃるのではないでしょうか。読む側が「令和元年だから・・・2019年か」と読み替えれば済む話なのですが、書式・フォーマットにより西暦/和暦のどちらかでしていしてあるはずなので、それを確認してから書きましょう。
ちなみに西暦/和暦の対照表はインターネットでちょっと検索すればたくさん出てくると思いますので、面倒くさがらずに調べてみましょう。
2. 漢字表記
これも非常に基礎的なところなのですが、おそらく皆さんが思っている以上にミスがあります。
手書きのエントリーシートだと、
誤) 完壁
正) 完璧
のような、似ているけど間違いやすい漢字がいくつかあると思います。
また、オンラインで提出するエントリーシートだとこの手の「書き間違い」はかなり減ると思いますが、逆に「変換ミス」が起きやすいですよね。特に予測変換機能が発達していますので、前に書いた文章で使った言葉に引っ張られてしまったと思われるケースも散見されます。
誤)清聴
正)成長
このような、明らかに字面が違うものは、提出前に読み返してみれば気づけそうですが、似たような字面、似たような意味で複数の漢字が存在するようなケース、例えば
1. 交代
2. 交替
3. 交換
のようなものは、自分が伝えたいことと選ぶ漢字が一致しているのはどれか、できれば確認したいところです。
字の間違いにしろ、選択の間違いにしろ、意外に多いです。個人的には、「一瞬でも迷ったら調べる」ということをしています。(偉そうに書いていますが、誤字があったらすみません・・・)
3. 入学、卒業、資格取得などの「年」
これも結構やりがちです。面接などで、「エントリーシートのとおりだと、高校には2年しか通っていないことになっていますが・・・」と確認をすれば済む話なのですが、簡単に防げるミスなので不安なら確認してから記載してみましょう。
浪人や留学、飛び級、留年、休学などをされていた方はもちろん、そういうことが無かった方も、「現実と合っているか?」の確認をされると良いと思います。
4. 簡潔すぎる/書きすぎる
ここまでは、ちょっとした注意で防げるもの、かつ「正解が存在するもの」ばかりでしたが、ここから2つは悩みやすいポイントを取り上げたいと思います。まずは、「文章で回答するようなものについては、どのくらい書いたら良いのか?」ということです。
これについては正解がないので感覚になってしまうのですが、例えばあらかじめ枠の大きさが分かる場合であれば、目安として7割くらいは埋まると良いのではないでしょうか。
枠を作成した人は、「このくらいの枠の大きさが必要だろうな」と考えながら設定していると思いますので、半分も埋まらない、1~2割で終ってしまうような場合には、簡潔にまとめすぎている可能性があります。(もちろん、7割くらいが目安だからといって、ただ冗長に書いて長さだけを合わせるのは意味がないです。)
また、枠を大きくはみ出したり、文字を小さくしてぎゅうぎゅうに押し込んで書いたりすると、想いの強さは伝わるのですが、一方で「読みづらい、見づらい」ものになってしまいます。
「過ぎたるはなお及ばざるが如し」という言葉は『論語』の中にも出てきますが、簡潔すぎも書きすぎも、どちらも良くないです。読み手が読みやすく、かつ皆さんが伝えたいポイントはしっかりと伝わる、その落としどころが見つけられるといいですね。
5. 質問に沿って読み手に分かるように書けているか
一つ前の項目では「文章の長さ」について触れましたが、次は「内容」です。
これも正解があるわけではないので難しいのですが、以下のような点に注意しながら、文章を書いてみると良いのではないでしょうか。
質問の裏に込められた意図、質問者は何を聞きたいと思っているのか、を汲み、それを踏まえて書く。
読み手との目線合わせができているかを確認する。読み手と書き手が見てきた世界は違うので、伝わると思った話、用語、理屈なども上手く伝わらないことがある。必要に応じて補足、言い換えなどをして、書き手のことを全く知らない初対面の人でも分かるように書く。
自分では長所、特長、実績と思っていることでも、読み手からすると違う捉え方・感じ方になることがある。「私は〇〇な人です!」「私の長所は〇〇です!」と直接的に主観を書いたり、「私は〇〇のような人間です」のように人によって感じ方が違いそうな比喩表現をするよりも、事実や経験、そこから得たこと、失敗したことであればその振り返りと得た教訓など、客観的な視点を盛り込む。
書き上げてすぐに出してしまうのではなく、何度か見返してみたり、一晩置いて読み返してみたりする。
まとめ
いかがでしたでしょうか。多くの企業で、エントリーシートは選考の入口になっていると思いますし、だからこそどう書けばいいのか大いに悩むポイントでもあるのかなと思います。
中には、エントリーシートに何かすごいことを書けないとダメなんじゃないか、と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの企業では「すごい体験」を求めているわけではないと思います。皆さんの頭の中にあること、考えてきたことの軌跡などが読み手にも分かることが大切なのではないかと思います。
今回のお話が少しでも参考になれば嬉しいです。