一流は面白い
業界は違っていても第一人者はいつのときもすべてに気を使っているということがありました。
今回のお話は、国際的に有名なレーサーであるトップアスリートの選手と有名外科医
私と3人で食事会をした時のお話です。
医師もレーサーもほとんど酒は飲まないということでしたが、
レーサーが今日は乾杯だけということで食前酒を頼みました。
私はいつものようにはじめはビールをオーダーし 先生は?と聞くと
酒の影響で指先が震えては細かい血管や靱帯の縫合に影響するということで、普段から一滴も身体に入れないのですよ」
とおっしゃっていて
「炭酸水をオーダーしました。」
レーサーの前に出されたハイボールを見ながら
Drは自分の哲学を話し始めました。
「患者さんの体にメスを入れるときには、予測を立てて進行することが重要で、
事前にMRIで確認している血管の位置、けがや変形の進行状況などをシュミレートしておくことが
失敗を最小限にするオペの事例です。」というお話をしていただきました。
レーサーもとても感心した様子で、普段の生活でも少し先のことを想像し、予定の把握、時間の管理は絶対に自分で行う。」と言っていました。
スポンサーの方との会合でも優勝祝賀パーティーでも少しは飲みますが
自分を失うほど飲んだことはないということでした。
私は乾杯した後も、普通の飲み会ではビールのお代わりをいくつもオーダーするのですが、
今回は二人のお話が楽しく、情報が沢山ありイタリア料理を堪能しながらも楽しい時間をすごしました。
彼らの話に大変興味深くその業界のトップといわれる方々に感銘を受けたことばかりでした。
ちょっとお肉のスパイスが足らないと感じたので、Drの目の前の胡椒を取ってもらう時に個性が出ました。
すみません胡椒を取っていただけますか?」と
「はい お取りします」
医師の目の前にあった胡椒ですが、医師は自分の近いところにある水のタンブラーを右によけました。
次にお肉のお皿を左に移動させました。
目の前にまったく障害物がなくなった状態で左手で胡椒を持ち上げ、右手に持ち替えて私に手渡しました。
私が受け取ると、自分の皿やタンブラーを元に戻すことをしました。
「お多数をかけてすみません。
どしてそのように除けるのですか?」と聞くと
もしも右手でいきなりつかむ時にタンブラーを倒したり皿に手をぶつけたりして怪我をしたら
翌日のオペに影響するから、注意を重ねて回避することを優先させます。」ということでした。
この動作や注意深く行動するDrのお話は大変興味深いものがありました。
もう一方でレーサーの前にあるウオーターデキャンタを取ってもらいたいと依頼すると
目の前にあるものの大外を通って遠回りに持ち上げました。
これはどうして?と聞くと、
「常に肩からの筋力トレーニングを心がけているので、大外を通過させることで首にかかわる筋力の
トレーニングは日ごろから行なっているんですよ」と
トレーニングルームだけではまったく足らない。という返事が返ってきました。
職業によって様々な考え方や行動を行なっているのだとここでも関心したことを今でも鮮明に覚えています。
2時間の食事会が終了し、事務所まで帰るというのでレーサーと一緒にタクシーに便乗させてもらいました。
Drとの会食は3回目で、シーズンオフに検査をしてもらっているのが5年も経過していると懐かしそうに
話してくれました。
あのまじめさが信頼の証で、世界中のどこでけがをしてもあの先生にご連絡して、
帰国することにしていると話してくれました。
きずな、信頼関係はこうやって築かれるのだと感心しきりでした。
その時の食事内容は追って、お話しさせていただきます。
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