Just passing trough~to Hans Coper
古代美術に触れ
その作者にまで想いを馳せる人は稀だ
まるで宇宙の創生から
すでにそこに在ったかのような
慎ましやかな
作品(もの)たち
一体、これまでどれだけの人間が
この星を
通り過ぎて行ったことだろう?
無名性に没し その歓喜や苦難の
一切を語らずに
☆
How?の前に
Why?
人はとり憑かれたピアノの調律師のように
幻の絶対音程に近づこうとする※
と
ハンス・コパーは言った
だが
聴診器をあて探り当てたのは
狂った音階ではなく
不思議な形をした
自身の心
ティッセル・フォーム スペード・フォーム
キクラデス・フォーム
「私の関心は実験や探検にあるのではなく
本質をひき出すことだ。」※
☆
死後
妻が最後の手紙を焼いたとき
彼は本当に死んだ
そして 無名に帰り 手に入れた
“今”を
古代人と同じやり方で
未来に遺す術を
※1969年 ヴィクトリア&アルバート美術館での展覧会カタログのコパー自身の文章より抜粋)
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