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2023年11月〜武漢旅行記 その3〜黄鶴楼にて李白の見た景色を想う

故人西のかた 黄鶴楼を辞し
煙花三月 揚州に下る
孤帆の遠影 碧空に尽き
唯見る長江の 天際に流るるを

http://www.kangin.or.jp/learning/text/chinese/k_A4_155.htm

黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送るという有名な漢詩で、あの李白がこの黄鶴楼で読んだという。孟浩然(もうこうねん)と言えば春眠不覚暁の人です。以下、自分なりに訳してみた。

古くからの友人(孟浩然)が西にある黄鶴楼に別れを告げ、
花が咲き春の霞が立つ三月に、揚州へと長江を下っていくよ
遠くに見える、彼の乗る一そうの舟の帆が、青空の彼方へと消える
あとはただ、長江が天の果てへと流れていくのを 見るばかりだよ

自分なりの訳

どうしてこんなに美しい詩を作れるのだろう?

毎日見たであろう何気ない風景、古くからの友を送る気持ち、もう二度と会えないかもしれない
シンプルな言葉。何一つ感情的な言葉を出してないのに感情が伝わる。そして千年以上の時を超えて、いまだに人の心を打つ。映画監督のアン・ホイ氏も作品でたしかこの詩を使っていたような。

これが2023年の黄鶴楼。想像よりはるかに大きい。

黄鶴楼は武漢にあった。全く知らなかったし、詩とこの場所が最初は結び付かなかった。渡航前、写真で何回も見た黄鶴楼。京都在住ということもあり、東寺くらいの大きさを想像してたら、想像よりはるかに大きく、しかも平地ではなく、山の上に聳えていた。つまり塔にたどり着くには山を登らないといけない。道も整備されてて15分ほどです。

私の訪れた日は、突然の寒波が武漢を襲い、20℃近くあった気温が一気に摂氏零度にもなろうかいう勢いで冷え、風も強く、雨はザーザー、息は真っ白、どんよりとした雲と大気汚染で空はグレイ。

火災に遭い、幾度も再建され形も昔と全然ちがうけれど、李白がこの塔から友である孟浩然を見送ったのかと思うと、胸が熱い。

古代の絵に描かれていた黄鶴楼の模型。いまとずいぶん形が異なる。
こちらは今より1つ前の黄鶴楼。今と同じデザインだけど、少し小さい。

私は最上階まで階段を上り、長江を見た。
天に流れる長江の果ては、高層ビルと大橋とグレイな大気に遮られて
もう見えなかった・・・

上に行くほど強風で極寒・・・

李白が見たであろう川と入り混じるような美しい紺碧の空も
天の果てに流れる長江も今はもう見えなかったけど

心の中にその美しい景色を想像してみたのでした。

グレイの空を碧天にしてみたけど、ちょっとカラフルすぎた。


李白の漢詩が展示がしてありました。この絵だと、長川がずいぶん近くに見える。埋め立てられたのかな。
白居易や様々な詩人が黄鶴楼で詩を詠んでいます
かっこいいクロヒョウを従えた将軍
これは庶民とクジャク?
黄鶴楼には鶴の伝説もあります。そのお話もおもしろいのでぜひ検索してみてください。
宋の時代の有名な将軍の像がありました。
寒い中、伝統装束で楽器を演奏する女の子
こんなに寒いのに菊が満開でした
高層ビルとのコントラスト

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