フリーランスWEBデザイナーになる前にデザイン会社に勤めたほうが良いワケ
いきなりフリーランスになって仕事がとれるのか？
もちろん、そんな簡単に仕事なんてとれません。簡単に取れた人がいるなら教えてほしいです。怪しい方法じゃないのなら。
だって何の信用もない、実績もスキルもない赤の他人に仕事を頼みたい人なんてそうそういない。ものすごい口のうまい詐欺師でもない限り難しい。
フリーランスになる前にデザイン会社に勤めたことで良かったことがたくさんあったので、参考にしてほしい。
1. 社会常識を身に着けられる
まず、常識のない人間を人は信用しないと思うのです。
バイトをしたことがない、会社員として働いたことのない人が、必ずしも常識がないわけではない。けれど、たくさんの人たちが何年も会社員として過ごす中で自然と身に着ける社会常識を、家の中にいるだけで身に着けることはできない。
遅刻や突然の欠勤、連絡がとれない、話し方や態度にやる気がない、目上の人に敬語を使わない、服装がよれよれのＴシャツ。常識と言っても人によって思うところは違うだろうけど、少なくとも「常識がない」と言われないようにしないといけない。
10代や20代前半では許されることも、20代後半、30代、40代と、年齢が上がれば上がるほど、常識はあって当たり前と言われる。会社という小さい社会の中でまずは社会常識を学ばせてもらうことはとても大事なのです。
2. ビジネスの基本が学べる
たとえば接客や電話応対。どんな仕事であろうとも、他人とかかわって生きていくことにかわりはない。話し方や態度ひとつで会社の顔を傷つけることもある。名刺の渡し方やビジネスメールの書き方も、フリーランスになった時にも絶対必要な知識。
それに「ほうれんそう」。よくいうやつだけど、「報告・連絡・相談」。一人で生きていては必要のないことだけど、上司や先輩へのほうれんそうを怠ることで小さな問題が爆発レベルの問題になってしまうことも。これはフリーになった時、クライアントや仕事仲間との連絡をとる際にもとても大事なこと。
高学歴でスキルがあったとしても、ビジネスの基本はビジネスの中でしか学べないこと。これも会社員になるからこそ身に着けられるスキルなのです。
3. 業界の常識を知ることができる
社会常識も大事だけれど、業界によってもいろいろと常識はある。
たとえば、介護の業界の方が突然デザインの業界にきて、「とりあえずこのバナーのデザイン3案くらい考えてもらっていい？」と言われても、まずなにをするのかすらわからないと思う。もちろん逆もしかり。
独学で学べるのは基本スキルだけで、じゃあ実際にどのように仕事を回しているかはわからない。
webデザイナーはデザインだけやっているのか？コーディングもやるのか？エンジニアってなに？ディレクターってなにをしているの？制作データはどのように管理するの？クライアントのやりとりやチームメンバーとのやりとりはなにを使っている？納品方法は？
独学で学ぶよりその業界の中で一気に学んだほうが絶対に効率的です。
4. 自分のスキルレベルがわかる
独学で学んだ人でよくあるのが、自分は3か月間しっかり学んだから自信あります！っていう謎の自信をもっちゃうこと。
会社に入ると先輩たちがたくさんいて、中途で入れば年下の先輩もいる。学校でほんの数か月学んだスキルだけでは、新規のサイトをまるごとまかされることなんてまずない。そのレベルに達してないとみなされるから。最初は先輩たちのサポートからいろいろなことを学ばせてもらう。
会社の中でしっかりと仕事を任せられてはじめて、自分はデザイナーです！って自信持てるレベルになるのだと思う。
人からの評価ってむかつくこともあるし目をそらしたいときもあるけれど、それが客観的にみた自分のスキルであり、直さなければならないことだったりする。フリーランスになってしまうと、評価が低いことは仕事が取れないことに直結する。
自分よりレベルの高い人たちに囲まれて、自分のだめなところを注意してもらえる環境は会社じゃないとなかなか得られない貴重なことなのです。
楽して自由は得られず
自分の好きな時間に働けて好きな時に休めて、自分の好きな仕事ができるフリーランスwebデザイナーという働き方。
けれど、今の仕事をやめてオンラインで数か月学んで、いきなりそのスキルでフリーランスになって人並みの収入を得るには難しいこと。何事も楽に手に入れることはできない。
かならずしも会社員になる必要はないのかもしれないけれど、会社だからこそ学べることがあること、会社員であるメリットやデメリットを知ったうえでフリーランスになれば見えてくる景色も違うはず。
もしもできるなら会社に入って学ぶこともフリーランスになる道のりのなかに組み込んでみてはどうでしょうか。